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蛇口やトイレの止水栓の一部が緑色に変色しているのを見たことはありませんか?
実はこの緑色の物は「緑青」という物でその正体はサビなのです。
今回は緑青の掃除に効果的な薬品や道具から掃除方法や注意点に至るまで緑青に関することを徹底解説いたします。ぜひ最後までご覧ください。
目次
金属に付着している緑色した粉っぽい物が緑青で読み方は「ろくしょう」と読みます。
緑青はサビの一種で水回りに発生します。
青サビと呼ばれることもありますが緑青、青サビ共に同じものです。
それではどうして緑青が発生するのかを見ていきましょう。
金属の銅地金は「水分」「塩分」「酸素」によって酸化すると酸化銅になります。
酸化銅は赤茶色のサビが発生しますが更に年月が経つとその上に青緑色のサビが重なって発生するようになります。
こうして出来たものを緑青と言います。
緑青は先述したように銅や真鍮に水分、塩分、酸素が付着すると発生します。
酸素はいたる所にありますし人間の汗は水分と塩分の両方が含まれているので身に着けていた指輪やネックレスなどのアクセサリーも汗をかいて放置しておくと緑青が発生します。
また緑色がかった10円玉を見たことはありませんか?この緑の物も緑青です。
10円玉は銅で出来ていて製造したての時は光沢のある銅色ですが酸化して茶色に変色しますが人の汗などで緑青が発生するのです。
それでは次に錆の種類について見ていきましょう。
錆には色々な種類がありますが発生の仕組みが酸化によるものという点では変わりません。
違いはサビが発生する材質の違いによるものです。
材質 | 錆の名称 | 錆の症状 |
---|---|---|
銅、真鍮(黄銅)など | 緑青 | 青緑色の錆 |
錫(スズ)、アルミニウムなど | 白錆 | 白色の錆 |
鉄など | 赤錆、黒錆 | 赤色や黒色の錆 |
実は緑青だけに限らず全ての種類の錆が家の水回りで発生する可能性もあります。
・台所や洗面所など蛇口の素材はそのほとんどが真鍮(黄銅)ですが表面をニッケルクロムメッキでコーティングされています。
コーティングされているので正常な状態であれば外側から水がかかっても緑青は発生にくいです。
しかしコーティング面にピンホールが発生した場合や経年劣化によるメッキの剥離や摩耗などが発生すると真鍮の部分まで水分や塩分が行き緑青が発生するのです。
※トイレ蛇口について
・トイレタンクの上から水が出てくる所をトイレの蛇口と思われている方もいると思いますが正式名称は「手洗い管」と言います。
この手洗い管の吐水口付近に緑青が発生しやすいです。
・床上給水管や給湯管は台付水栓の台所シンク下や洗面所ボウル下、浴室水栓下(点検口内)にあります。
またトイレの床上給水管(壁や床からタンクまで繋がっている管部)もあります。
発生理由は蛇口での説明と同じです。
・銅管は熱伝導率が高いので外部の給湯管に良く使われていました。
蛇口や床上給水管・給湯管などと違って銅管の表面はニッケルクロムメッキでのコーティングがされていません。
外部の給湯管は被覆銅管になっていて銅管の表面をプラスチックやポリエチレンなどの保温材で被覆しています。
更に発砲プラスチックやポリエチレンフォームを素材とした保温材で被覆銅管を覆っているのが外部給湯管の基本的な設置状態です。
カバーしている保温材が経年劣化によってボロボロになってしまうと銅管が剥き出しになってしまい緑青が発生しやすくなります。
ちなみに最近では銅管に変わってポリブデンやポリエチレンを素材とした給湯管が主流になってきています。
・樹脂製のSトラップであれば基本的に緑青は発生しませんが真鍮のSトラップの場合は緑青が発生しやすいです。
発生理由は蛇口での説明と同じですが状況によっては緑青ではなく白錆が発生することもあります。
その他にも緑青が発生する場所はありますが多く発生する場所は上の4項目でしょうか。良く発生する場所にも関わらず外部の給湯管は外にあるので意識的に見ないと何年も気付かない場合がありますね。
緑青を落とすのにおすすめの掃除方法4選をご紹介します。
おすすめ緑青掃除方法4選 | 使用道具 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
① 重曹ペーストで落とす! | 重曹、水 | ゴム手袋 | タオル | 歯ブラシ(綿棒) | 容器 | - |
②クエン酸で落とす! | クエン酸 | ゴム手袋 | タオル | キッチンペーパー | 容器 | ラップ |
③酢+塩で落とす! | 酢、塩 | ゴム手袋 | タオル | キッチンペーパー | 容器 | ラップ |
④ミラクル酸Sで落とす! | ミラクル酸S | ゴム手袋 | タオル | 歯ブラシ | - | - |
どの方法で掃除する場合でもゴム手袋とタオルは必要になります。
特にゴム手袋は使い捨ての物がおすすめです。
自分で出来る緑青の掃除方法を、使用道具から注意点に至るまで説明して行きます。
ぜひ参考にしてみてください。
対象場所:台所蛇口やトイレ手洗い管の緑青(青サビ)
※重曹、水、ゴム手袋、タオル、歯ブラシ、容器を準備します
・ゴム手袋を装着して行います。
・重曹と水は2:1の割合で入れてよく混ぜます。
・優しくブラッシングしましょう。強くやり過ぎると緑青が出ていないメッキ部分を痛めてしまうことがありますのでご注意ください。
・ブラッシングの時間は2分位で充分です。
・緑青を拭き取ります。
・2)~3)を2回~3回繰り返します。
・1回できれいになっていた場合は複数回繰り返す必要はありません。
対象場所:トイレ給水管の緑青(青サビ)
※クエン酸、ゴム手袋、タオル、キッチンペーパー、ラップ、容器を準備します
・念のため、止水栓は閉めておきましょう。
・ゴム手袋を装着して行います。
・水100㎖に対して、クエン酸粉末小さじ1/2杯を入れてよく混ぜます。
・キッチンペーパーにしっかりと浸み込ませましょう。
・緑青に密着するように貼り付けましょう。
・出来るだけキッチンペーパーを密閉できるように、ラップを巻いていきましょう。
・巻きつけ過ぎると外す時に大変なので、2周位巻き付ければOKです。
・時間を忘れて長時間にならないように注意しましょう。
長時間になり過ぎるとトイレ給水管のメッキ部分に影響が出る場合もあります。
・緑青を拭き取ります。
・3)~7)を2回~3回繰り返します。
・1回できれいになっていた場合は複数回繰り返す必要はありません。
※もし、2回~3回試しても緑青があまり落ちない場合は日を空けて、他の方法を試してみましょう。
・止水栓の開き忘れがないようにしましょう。
対象場所:洗面Sトラップの緑青(青サビ)
※酢、塩、ゴム手袋、タオル、キッチンペーパー、ラップ、容器を準備します
・ゴム手袋を装着して行います。
・酢と塩は1:1の割合で入れてよく混ぜます。
・キッチンペーパーにしっかりと浸み込ませましょう。
・緑青に密着するように貼り付けましょう。
・出来るだけキッチンペーパーを密閉できるように、ラップを巻いていきましょう。
・経年劣化と緑青が原因でSトラップが脆くなっている場合もありますのでラップを強く引っ張って巻き付けないようにしましょう。破損してしまう危険性があります。
・巻きつけ過ぎると外す時に大変なので、2周位巻きつければOKです。
・時間を忘れて長時間にならないように注意しましょう。
・長く貼り付ければ良いというものではありません。長時間になり過ぎるとSトラップのメッキ部分に影響が出る場合もあります。
・緑青を拭き取ります。
・拭く時に力を入れすぎると、Sトラップを破損させてしまう危険性がありますので注意しましょう。
・2)~6)を2回~3回繰り返します。
・1回できれいになっていた場合は複数回繰り返す必要はありません。
※もし、2回~3回試しても緑青があまり落ちない場合は日を空けて、他の方法を試してみましょう。
※蛇口や給水管・給湯管と比べてSトラップは経年劣化と錆による腐食が原因でかなり脆くなっている場合があります。
劣化が進んでいる場合は手の力で簡単に金属のSトラップが割れてしまうほど脆くなっているので気を付けて掃除しましょう。
対象場所:外部給湯管の緑青(青サビ)
※ミラクル酸S、ゴム手袋、タオル、歯ブラシ、容器を準備します
・ゴム手袋を装着して行います。
・優しくブラッシングしましょう。5回~6回往復する程度でOKです。
・緑青を拭き取ります。
・水拭きした後に乾拭きをして薬品が給湯管に残らないようにしましょう。
・1)~2)を2回~3回繰り返します。
・1回できれいになっていた場合は複数回繰り返す必要はありません。
※緑青クリーナーであるミラクル酸Sは強酸性なので他の薬品と絶対に混ぜないようにしてください。
交ぜると塩素ガスが発生して大変危険です。
また商品の「使用上の注意」をよく確認してから掃除をするようにしてください。
※室内で使用する場合は換気扇を回したり窓を開けたりしてしっかりと換気を行いながら掃除するようにしてください。
あまり使っていないネックレスや指輪を見たら緑青が発生したり変色していたという経験がある方もいると思います。
人間の汗には水分と塩分が含まれているので身に着けるアクセサリーに汗がついてそのままにしておくと緑青が発生してしまう事があります。
ステンレスは鉄を主成分としてクロムやニッケルを含有する合金鋼です。
クロムやニッケルを含んでいるので腐食しにくくサビにくい金属であることは間違いありません。
しかし以下のケースの時にはサビが発生しやすくなります。
水回りでステンレスを使用している代表的なものとして台所シンクがありますので台所シンクを例に解説していきます。
もらいサビとは他のサビがうつることです。
台所シンクの上に鉄製のフライパンや缶などサビの付いた物を置くとステンレスにサビがうつってしまいます。
ステンレスは塩素に弱く塩素の成分が付着すると酸化被膜を破壊してしまいその破壊された部分からサビが発生しやすくなります。
塩素系の洗剤や調理で出た塩分がシンクに残るとステンレスの酸化被膜を破壊してサビが発生してしまいます。
※酸化被膜とは金属の表面に発生する不動態被膜で酸素に触れることよって発生する保護膜のことを指します。
酸化被膜があることによって金属内部が水や空気に触れずサビの浸食を防ぐという効果があります。
ステンレス表面に傷が付くとその傷から鉄成分に水が触れてサビが発生します。
シンクを掃除する時にタワシで強くこすったり汚れを金タワシでこすり落としたりするとシンク表面に傷が付きサビが発生してしまいます。
このようなケースになるとステンレスでもサビが発生してしまいますので気を付けましょう。
良く青錆が発生するケースではありませんがステンレスに発生した青錆の落とし方も見ていきましょう。
・スポンジに水を付けて軽くこすり洗いします。
・スポンジの柔らかい面もしくは柔らかい素材のスポンジを使いましょう。
・青錆が隠れれば十分です。あまり多くなり過ぎないようにしましょう。
・10分位までは大丈夫ですがあまり長時間放置してしまうと青錆だけでなくステンレス自体に影響が出る危険性がありますのでご注意ください。
・スポンジに水を付けて軽くこすり洗いします。
※青錆と一緒にステンレス部まで削り取ることの無いよう軽めに行いましょう。
1回であまり落ちない場合は2回3回と複数回行う心持ちでいた方がメッキ部を傷つけるリスクは少ないです。
1回で終わらせる気で行うと必要以上に力が入ったり重曹を放置する時間が長くなったりして掃除をしたことによって青錆は取れたけど内部の腐食が酷くなったなどと言うことになりかねませんので気を付けましょう。
緑青をそのまま放置するとどうなるのでしょうか。
緑青は青緑のサビであるので有害なように見えますが少し触れる程度であれば健康に害を及ぼすことはありません。
ちなみに1984年に厚生労働省からも「緑青は無害である」との発表がされています。
放置した場合に考えられるリスクは以下の2点です。
放置してると緑青の範囲が広くなることも考えられます。
シルバーの表面に緑青が増えたら見た目がキレイではないですよね。
緑青は粉状のサビなので他の物が触れたら緑青が付着します。
例えば洗面所下の棚内Sトラップに緑青が発生している状態で荷物を入れた時に触れてしまったら触れた部分が緑色になってしまうと言った感じです。
また粉状なのでちょっとした振動で粉が剥がれ落ちて下にある物に緑色が付いて汚れてしまうということが考えられます。
甚大なリスクがあるという訳ではありませんがこのようなリスクがあるということも知っておいてください。
緑青は金属の銅地金に水分、塩分、酸素があると発生します。
自分で掃除をする上で必要な薬品や道具、そして自分で出来る掃除方法をいくつかご紹介しましたが、
共通して大事なことは、緑青以外の部分(メッキ部分)が変色したり腐食したりしないように注意して掃除をするということです。
擦り過ぎたり、長時間浸け過ぎたりして、掃除をしたのに見た目がより悪くなってしまったら本末転倒です。
1回で完全にきれいにするというよりも、2回~3回かけてきれいにしていくという心構えで掃除した方がメッキ部分を痛めるリスクは少なくなります。
緑青が気になる方はこの記事を参考にぜひトライしてみてください。