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洗面所では床が濡れていて初めて水漏れに気付くということがあります。
しかし水漏れに気付いてもどこから水漏れしているか分からないから対処ができないと言う意見も良く耳にします。
今回は洗面器まわりの水漏れで床や洗面台下の棚内が濡れる水漏れについて原因や修理方法、修理業者の料金相場について解説していきます。
基本的に洗面台はどこの家庭にもあるのでいつ自分の身に起こるか分かりませんので最後までご覧くださいね。
目次
洗面器は手や顔を洗ったり歯を磨いたりお化粧をしたりということがメインの使い方になると思いますが用途は同じでも洗面台にはいくつかの種類があります。
ここでは洗面台、洗面水栓、洗面排水の各タイプについて見て行きましょう。
主な洗面台のタイプは以下の通りです。
洗面台タイプ | 設備・特徴 | 大きさ |
---|---|---|
壁掛け洗面台 | 洗面ボウル・水栓・鏡・排水管 ※シンプルなタイプ |
小さい |
ユニット洗面化粧台 | 洗面ボウル・水栓・鏡・排水管・照明・洗面ボウル下収納・コンセント ※据え置き型で、一番一般的なタイプ |
中くらい 間口は60㎝、75㎝、90㎝のサイズがある |
システム洗面化粧台 | 洗面ボウル・水栓・鏡・排水管・照明・洗面ボウル下収納・コンセント ※洗面ボウルや鏡など、デザインを自由に選ぶことが出来るタイプ |
大きい 間口は90㎝以上の物が多い |
※間口とは洗面台の横幅のこと
主な洗面水栓のタイプは以下の通りです。
洗面水栓タイプ | 機能 | 洗面台への接続型 | 止水栓への接続 |
---|---|---|---|
シングルレバー混合水栓 | シャワー(真っすぐの吐水とシャワーの切り替えができる、ホースが伸びる) | 台付1つ穴 | 水栓のホースで接続している |
台付2つ穴 | |||
ノーマル(真っすぐの吐水のみ) | 台付1つ穴 | ||
台付2つ穴※ | フレキ管orなまし管で接続している | ||
2ハンドル混合水栓 | ノーマル(真っすぐの吐水のみ) | 台付2つ穴※ | |
単水栓 | ノーマル(真っすぐの吐水のみ) | 台付1つ穴※ |
※の付いた水栓は穴の口径が小さい
主な洗面排水のタイプは以下の通りです。
洗面排水タイプ | 形状 | 排水管への接続 | 材質 |
---|---|---|---|
Sトラップ | アルファベットの「S」のような形状をしている | 床の排水管に接続している | 樹脂、金属 |
Pトラップ | アルファベットの「P」のような形状をしている | 壁の排水管に接続している | 樹脂、金属 |
洗面排水トラップを新しくする時に今でも金属製を使用すると言うところは商業施設などが多いようです。
洗面所蛇口の先端から水漏れするのと違って床が濡れるという水漏れはリスクがあります。
またそのリスクを少なくする為に必要な「応急処置」というものもあります。
ここでは床への水漏れはどのようなリスクがあってどのような応急処置をするのが良いのかを解説して行きます。
水漏れが蛇口から洗面器内に水漏れした場合であれば排水口に流れて行きますので大きなリスクはありません。
強いて言えば漏れ続けてると水道料金が上がってしまうということはありますが止水栓を閉めればこれも回避できます。
しかし洗面器から床に水漏れした場合のリスクは建物への被害が考えられます。
酷い場合は下の階に水が漏れる「階下漏水」が起きてしまいます。
下の階に水が漏れるということは洗面台の床材や下の階の天井材が水浸しになってしまうということです。
床のクッションフロアが剥がれたり天井ボードの陥落、天井・壁面クロスの染みや水漏れ箇所のカビ発生等々の様々は二次被害が出るでしょう。
しかし一戸建ての家であればこれでもまだ最悪の状態ではないのです。
一番大変なのがマンションやアパートで階下漏水が起きてしまった場合です。
特に下の階に住人が居る場合には大きなトラブルになりかねません。
これは洗面所だけではなく床への水漏れ全てに通ずるものです。
床への水漏れはこのようなリスクがあるということをしっかりと覚えておいてください。
床への水漏れに気付いてまず大事になるのが応急処置です。
発見時期にもよりますが応急処置ができれば上で解説したリスクを大幅に下げることができるかもしれません。
水漏れに気付いたら行うべき初期対応は2つです。
洗面器まわりの床への水漏れは給水・排水のどちらとも考えられますが元栓を一旦閉めましょう。
給水にしても排水にしても元栓を閉めればそれ以上の水漏れは起こらなくなります。
新たな水漏れが防げれば被害の拡大が防げるという訳です。
床や収納内に漏れた水はすぐにタオルなどで拭き取りましょう。
一番やってはいけないのが放置することです。
床や棚内の水は少しずつ確実に染み込んでいき漏れた水の量が多ければ下へ流れて行くスピードも速いです。
もし収納内の床面に点検口が付いている場合は点検口を取り外して中も拭くと良いでしょう。
床や棚内への水漏れを発見したらまずこの2つの応急処置を行いましょう。
タオルで拭いていく内に何処から水漏れしているか分かるかもしれません
(拭いている最中に水漏れ箇所を目視出来たり、いつまで拭いても特定箇所が濡れていたりなど)
洗面シャワー水栓は先端が伸びるようにシャワーホースが付いています。
シャワーホースは洗面ボウル下の水受けに収納されているケースが多いです。
洗面台の種類によってはペンケースのような小さな水受けがシャワーホース下の床に設置されていることもあります。
シャワー水栓はシャワー使用時にホースに付いた水滴が収納内の床に垂れないよう水受けが設置されています。
シャワーホースが破損すると水を出した時にシャワーホースの切れた部分から水が漏れ出します。
しかし洗面収納棚内にあるのでこまめに見ていないと水漏れしていても気付かない事が多く受け皿が満水になって洗面器下の収納部から床への水漏れして気付かれる事もあるようです。
洗面水栓土台からの水漏れは水栓固定ナットの緩みが原因で洗面水栓の下や水栓のホースや接続管を伝って収納棚内の床に水漏れする症状です。
洗面水栓は手や顔を洗った時に濡れたままレバーを触ると思いますが水栓固定ナットが緩んでいると土台と水栓の間に隙間が出来てしまいレバーを伝った水がその隙間から下へと漏れ出すのです。
もし水栓本体がグラグラしてるようであれば下に水が漏れている危険性があるので注意しましょう。
接続管からの水漏れは洗面水栓との接続部や止水栓との接続部からよく起きます。
水漏れの原因は接続パッキンの劣化か接続部破損(特になまし管)です。
もし起こった場合は洗面水栓を使用してなくてもずっと漏れ続けます。
このケースの場合は床にじんわりと漏れ出してくることが多くて収納棚内か棚下をよく見ないと水漏れしていても気付かないことが良くあります。
まず化粧管とは壁中や床下の給水管・給湯管と止水栓を結ぶ接続管のことです。
洗面止水栓と化粧管からの水漏れは止水栓のカバーナット部、化粧管は給水管・給湯管との接続部か止水栓との接続部からよく起きます。
止水栓の水漏れ原因は三角パッキンの劣化が多いですが、化粧管は給水管・給湯管と止水栓をシールテープで巻いたネジの締め込みで接続しています。
基本的に良く起きる水漏れではありませんが化粧管の接続部からの水漏れは不用意に触ると化粧管が折れて水が噴き出す可能性があるので気をつけて下さい。
洗面所床上排水管のSトラップ・Pトラップからの水漏れは接続部パッキンの劣化か接続ナットやトラップ部の破損が原因です。
パッキンの劣化であれば水漏れは少量ですが接続ナットやトラップ部が破損している場合は大量の水が出てくることもあります。
まずオーバーフローとは何かというと一言で言えば「溢れない為の仕組み」です。
洗面器の側面上部に穴が付いていて洗面ボウル内が満水になってもその穴に水が流れて外側に溢れ出さないという仕組みになっています。
洗面器のオーバーフローには2つのタイプがあります。
Aタイプ:洗面器が二層になっていてオーバーフローの穴に入った水はその層の間を流れ、排水口に側面から流れ出てくるというタイプです。
Bタイプ:洗面器が一層でオーバーフローの穴に入った水は洗面器下に露出で取り付けられているオーバーフロー管を流れて排水管に流れるタイプです。
洗面器から繋がる排水トラップと排水管の接続部は防臭パッキンというゴムで接続されていることが多いです。
この防臭パッキンは名前の通り「臭いを防ぐ」目的の物であり水を密閉することは出来ません。
床下の排水管で詰まりが発生している状態で水を使い続けると排水管の接続部から水が溢れてしまう事があります。
詰まりの原因は歯みがき粉・石鹸などと汚れや髪の毛などが合わさってヘドロ状になった物が多いでしょうか。
洗面器まわりの水漏れで床が濡れる症状の修理方法を見て行きましょう。
まずは修理に必要な工具と道具をご紹介します。
水漏れのケースによっては使用しない工具や道具もありますので全てを揃える必要はありません。
自分で出来そうな修理の工具をご用意ください。
洗面台の棚内は暗いのでライトか懐中電灯は必ずご用意ください。
「薄暗いけど何とか見えるかなぁ」とライト無しで作業をすると作業中や作業後に微細な水漏れがあった場合に見落としてしまいます。
ティッシュペーパーは作業後の水漏れ確認に使います。
最後の確認では目視だけではなくティッシュペーパーで修理箇所を拭くことで微細な水漏れの有無を確認出来ます。
微細な水漏れの場合は目視だけでは確認しにくいということをぜひ知っておいてください。
まず修理の前に交換用のシャワーホースを準備する必要があります。
部品の特定はメーカーに問い合わせて確認するのが一番確実です。
ネットでも調べられますがその場合は間違って合わないシャワーホースを選ばないようにご注意ください。
※洗面水栓のシャワーホースはメーカーや型番によって接続方法が大分違いますので一括り説明することができません。
ここでは大まかな交換修理の流れをご説明します。
・止水栓を閉めたら水栓レバーを動かし、止水出来ているかの確認と残り水の水抜きを行います。
・フックで固定されていたり、ナットで固定されていたりと接続は様々です。
作業前にメーカーに確認しましょう。
・棚内の作業になりますので、棚内の荷物は出しておきましょう。
・洗面水栓下の管とシャワーホースの接続を外します。
ナット固定されていることが多くその場合はモンキーレンチを2つ使い1つで固定してもう1つでナットを緩めて取り外します。
・取り外す時と逆の作業です。
・取り外す時と逆の作業です。ナット固定の場合は接続パッキンは小さく落としやすいので気を付けましょう。
・通水して動作確認を行なって水漏れや不具合が無ければ交換修理完了です。
ナット締付工具(大)を使います。
・念の為に止水栓は閉めておきましょう。
・棚内に潜り込んでの作業になります。棚内の荷物などは出しておきましょう。
・水栓と土台部分の水は完全に拭き取ってから作業を行うようにしましょう。
・ナット締付工具(大)を固定ナットにセットし時計回りに回して締め込みます。
※締め込む時に水栓が動いてしまわないように注意してください。
・通水して動作確認を行いグラつきや水漏れが無ければ修理完了です。
ユニオンパッキンを2つ準備します。
工具はナット締付工具(小)とモンキーレンチを使います。
・止水栓を閉めたら水栓レバーを動かし止水出来ているかの確認と残り水の水抜きを行います。
・フレキナットを緩めて取り外します。
下側はモンキーレンチを上側はナット締付工具(小)を反時計回りに回して緩めます。
・ユニオンパッキンが洗面水栓側に固着している場合もありますので取り忘れの無いようご注意ください。
各接続部はタオルや雑巾できれいに拭きパッキンのカスが残らないようにしましょう。
・パッキンをセットしてフレキナットを締めます。
下側はモンキーレンチを上側はナット締付工具(小)を時計回りに回して締めます。
取り付け時に上側のパッキンが落ちないように気を付けましょう。
・通水して動作確認を行い水漏れが無ければ交換修理完了です。
三角パッキンを準備します。
工具はモンキーレンチ、ウォーターポンププライヤー、マイナスドライバーを使います。
・元栓を閉めたら水栓レバーを動かして止水出来ているかの確認と残り水の水抜きを行いましょう。
・ウォーターポンププライヤーでカラービスを挟み反時計回りに回して緩めます。
・カラービスが外れたらハンドルを手前に引っ張って取り外します。
※ハンドルタイプではなくマイナスドライバーを差し込んで止水栓の開閉を行うタイプは2)の項目は不要です。
・モンキーレンチでカバーナットを反時計回りに回して緩めます。
・カバーナットが外れたら三角パッキンが剥き出しになっているので取り外しましょう
(上手く取れない場合は三角パッキン下にマイナスドライバーの先端を差し込んで取り外します)
古い三角パッキンが取り外せたら新しい三角パッキンを取り付けます。
・モンキーレンチでカバーナットを時計回りに回して締めます。
・強く締め過ぎると止水栓のスピンドル部が重くなり動かしにくくなりますのでご注意ください。
最低1/4回転分は遊びを作りましょう。
・ハンドルをスピンドルに差し込みカラービスを取り付けます。
カラービスは時計回りに回して付けます。
最初は手で付けて固くなったらウォーターポンププライヤーで締めましょう。
・通水して動作確認を行い水漏れや不具合が無ければ交換修理完了です。
※化粧管からの水漏れは作業難易度やリスクが高いので触らずに水道業者に依頼しましょう。
トラップパッキンを準備します。
工具は必要に応じてウォーターポンププライヤーを使います。
・手で反時計回りに回して緩めます。固くて手で緩められない場合はウォーターポンププライヤーを使って緩めましょう。
・2ヶ所の接続ナットを緩めたらトラップ部を取り外します。トラップ部の水はバケツの中に入れましょう。
・古いトラップパッキンを取り外し新しいトラップパッキンをセットします。
・トラップ部を排水管に差し込みナットを締めます。差し込みが浅いと外れやすくなってしまいますので、深く差し込みましょう。
・パッキンが斜めにならないように気を付けてください。
・取り付けが完了したら水を流して水漏れのチェックをします。
※ちなみにオーバーフロー管からの水漏れの場合は作業難易度やリスクが高いので触らずに水道業者に依頼しましょう。
工具はパイプクリーナーと必要に応じてウォーターポンププライヤーを使います。
・トラップだけでなくトラップから床下排水管に繋がっている管も取り外します。
基本ナットは手で緩めますがナットが固く手で緩められない場合はウォーターポンププライヤーで緩めましょう。
・パイククリーナーのワイヤーを洗う為のバケツに水を入れて準備しておきましょう。
・パイプクリーナーの先端を床下排水管の中に入れ止まる所までワイヤーを送り入れましょう。
・ワイヤーが入らなくなったらワイヤーを固定してハンドルを回します。
・3分~5分位ハンドルを回したら一度ワイヤーを引き抜きましょう。ワイヤーの先端をバケツの中で洗い汚れを落とします。
・詰まりが取れた感覚があったら繰り返さなくて大丈夫です。
・取り付けが完了したら水を流して水漏れのチェックをしましょう。
水は少しずつ流すのがポイントです。
一気に流して詰まりが改善していなかった場合に水が溢れてきますのでご注意ください。
※パイプクリーナーでの作業は絶対に無理やり押し込むような事はしないように気をつけて下さい。
もし抜けなくなってしまうと取り出すのに大掛かりな工事が必要になってしまう場合もあります。
洗面器まわりの水漏れには様々なケースがあります。
ここでは水漏れ修理を水道業者に頼んだ場合の料金目安をケースごとにご紹介します。
修理内容 | 概算の料金目安 |
---|---|
パッキン交換 | 4,000円~ |
フレキ管交換 | 6,000円~ |
洗面排水トラップ交換 | 6,000円~ |
シャワーホース交換 | 6,000円~ |
水栓のグラつき修理 | 6,000円~ |
軽度のつまり除去作業 | 5,000円~ |
トラップ脱着+高圧洗浄作業 | 20,000円~ |
※洗面器の設備状況によっては行なう内容が変わってくる場合もありますので必ず見積もりを貰って内容を確認してから依頼するようにしましょう。
ご自身ではパッキン交換程度で直ると思っていたら排水トラップが古くて分解すると破損してしまう可能性が高い状況などもあったりします。
また水道業者に依頼する際は何社か相見積りを取ったりしてから修理を依頼すると安心でしょう。
今回は洗面器まわりの床への水漏れを中心に紹介してきましたがその中でも床への水漏れで怖いのが「階下漏水」です。
床への水漏れを発見したら初期対応の「元栓を閉めるや床や棚内の水をタオルで拭き取る」という2つの事は必ず行うようにしましょう。
自分で水漏れの修理をするにしても水道業者に依頼するにしても決断や行動をするのは応急処置の後で良いでしょう。
また水漏れの修理は無理に行わないことが大事なポイントです。
無理をすると症状を悪化させてしまう恐れもありますので気を付けましょう。
水漏れ修理は「大丈夫だろう」で行うと大体失敗します。「〇〇かもしれない」とリスクを考えて進めていくことが大切です。
車の運転と同じですが「だろう作業」はやめて「かもしれない作業」を心がけてみてください。
自分で修理してみて改善出来なかったりご自身で修理するのに不安があるなどの場合は専門の水道業者にお任せください。