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温水洗浄便座を使っていて便座が温まらなくなってしまったら「故障した」と思い水道業者に修理を依頼したり新しい温水洗浄便座を購入したりするという方も多いのではないでしょうか?でもちょっと待ってください!
便座が温まらなくなってしまった時に見るべきポイントがいくつかあるのです。
見るべきポイントをチェックして改善法を実施すれば業者やメーカーに修理を依頼することや新しい温水洗浄便座を購入することなく復旧できるケースもあるようです。
今回は温水洗浄便座が温まらない場合に見るべきポイントと改善法を主要メーカー毎にご紹介します。
目次
現在では温水洗浄便座はトイレの基本設備と言っても良いくらい多くのトイレに設置されています。
まずは「温水洗浄便座」というものについて名称・タイプ・寿命などを解説して行きます。
「ウォシュレット」という呼び名で広く知れ渡っている温水洗浄便座ですが実は「ウォシュレット」という名前はTOTOの商標名であり温水専用便座の正式名称や総称ではないのです。
ちなみに「シャワートイレ」という名前はLIXIL(INAX)の商標名です。
なのでどこのメーカーでも使える総称は「温水洗浄便座」なのです。
メーカー | 温水洗浄便座の名称 |
---|---|
TOTO | ウォシュレット |
LIXIL(INAX) | シャワートイレ |
ちなみに水は出てきませんが便座を温めるだけの機能がある「暖房便座」という商品もあります。
これはTOTOでは「ウォームレット」という商標名にしています。
2011年にINAX・サンウェーブ工業・トステム・新日軽・東洋エクステリアの5社が経営統合して「LIXIL」になりました。
特に水回りの商品や部品で多いINAXは現在でもINAXのメーカー名で出ているものもありますが問い合わせる場合はLIXILになります。
なので端的にまとめるとINAX=LIXILということなのです。
温水洗浄便座は水回りの商品ですが電化製品でもあります。
なので電機メーカーとして有名な「東芝」や「Panasonic」なども温水洗浄便座を製造・販売しています。
温水洗浄便座は大きく分けると2つのタイプがあります。
それは「壁リモコンタイプ」と「袖リモコンタイプ」です。
それではそれぞれの特徴を見て行きましょう。
タイプ | 形状 | 見た目 | 価格 |
---|---|---|---|
壁リモコンタイプ | 壁面に操作リモコンが付いている | スマート(便器の外枠と同じ幅) | 高め |
袖リモコンタイプ | 便座の右袖に操作リモコンが付いている | 横にかさ張る | 安め |
壁リモコンタイプの中にはタンクレスタイプのトイレやリモコン洗浄が出来るタイプのトイレもあります。
ちなみにリモコン洗浄とは壁リモコンのボタンでトイレの水が流せるというという機能のことです。
さらに温水洗浄便座のお湯の作り方にも2つのタイプがあります。それは「貯湯式」と「瞬間式」です。
それでは貯湯式と瞬間式の違いを見て行きましょう。
タイプ | お湯の作り方 | 見た目 | 連続使用 | 価格 |
---|---|---|---|---|
貯湯式 | 内蔵されたタンクの中に水を溜め、 それを温めてお湯にして出す |
タンクを内蔵しているので 本体に厚みが出てスペースを取る |
連続使用に向かない。 タンクのお湯を使い切ると水になってしまう。 |
初期費用は安めだが 瞬間式より電気代がかかる |
瞬間式 | 瞬時に水を沸かし、お湯にして出す | スマートでコンパクト | 連続使用に向いている。 安定してお湯を出せるので家族が多くても問題なし。 |
貯湯式より本体代が高い。 初期費用は高めだが貯湯式より電気代が抑えられる |
貯湯式よりも瞬間式の方が金額高い事もあり機能が多い傾向にあります。
以上の2種類ですがガスは給湯器・バランス釜などで電気は温水洗浄便座・電気温水器などです。
賃貸にお住まいの方の中には元々は普通便座が付いていたけど温水洗浄便座に付け替えたという方もたくさん居るのではないでしょうか。
トイレ室にコンセントがあれば普通便座から温水洗浄便座に付け替えることは比較的簡単に行えます。
しかし忘れてはいけないのが賃貸物件には「原状回復義務」があるということです。
原状回復義務とは賃貸契約において借主が賃貸契約終了時に物件を入居前の状態に戻す義務のことです(経年劣化や通常の生活で生じた損耗は対象外)
なので普通便座から温水洗浄便座に変えた場合は退去時に普通便座に戻さなければいけないと言うことです。
間違っても取り外した普通便座や接続管などを廃棄しないようにお気を付けください。
トイレの温水洗浄便座が冷たいままで温かくならない原因は何なのか?考えられる原因をTOTO、リクシルというメーカー別に見て行きましょう。
対象となるウォシュレット:アプリコットF、ネオレストAH、ネオレストPH等
TOTO製品の便座が温まらない原因は以下の通りです。
・コンセントから電源プラグが外れている
※電源プラグが外れているともちろん便座は温まりませんし水も出てきません。
・コンセントに差している電源プラグの「切表示ランプ」が点いている
・ウォシュレット本体表示部の「運転ランプ」が点いていない
・「タイマー節電中」になっている
※タイマー節電をしている時間帯にはウォシュレット本体・表示部の緑色の「節電」ランプが点灯してヒーターを切って節電しており便座は温まっていません。
・「おまかせ節電中」になっている
※おまかせ節電している時間帯はウォシュレット本体・表示部のオレンジ色の「節電」ランプが点灯して自動で便座の温度を下げて節電しています。
・温度設定が「切」もしくは低くなっている
※温度設定を不用意にいじってしまうと意図せずに温度設定を「切」にしていたり低くしてしまう事もあります。
・便座・便フタカバーによってセンサーが反応しない
※便座・便フタカバーがセンサーにかかっているとセンサーは反応しなくなります。センサーが反応しないと便座は温まりませんしセンサーの部分が汚れているとセンサーは反応しづらくなります。
・60分以上座っている。
※着座のセンサーが60分連続で検知すると安全装置が働いて便座ヒーターがOFFになります(着座センサーが本体中央にあるタイプ)
対象となるウォシュレット:PASSO、サティス等
LIXIL(INAX)製品の便座が温まらない原因は以下の通りです。
・コンセントから電源プラグが外れている
※電源プラグが外れているともちろん便座は温まりませんし水も出てきません。
・節電モードになっている
・便座ヒーターオートOFF機能が作動している
・温度設定が「切」もしくは低くなっている
※温度設定を不用意にいじってしまうと知らないうちに温度設定を「切」にしていたり低くしていたりということがあります。
・便座カバー・フタカバーによってセンサーが反応しない
※便座・便フタカバーがセンサーにかかっているとセンサーは反応しなくなります。
またセンサーが汚れなどにより誤検知を起こすと正常に作動しない場合があります。
・60分以上座っている
※低温火傷防止で60分以上着座状態を検知し続けると暖房便座が自動的に「切」の状態になります。
TOTO製、LIXIL(INAX)製共に詳細に違いはあっても大まかな項目は同じですね。
便座が温まらない時には見るべきポイントが5つあります。
これはTOTO製、LIXIL(INAX)製に限らずどのメーカーの物であっても見るべき5つのポイントは同じです。
TOTO製品の便座が温まらない時の改善法を見て行きましょう。
・コンセントから電源プラグが外れている場合はしっかりと差し込みましょう。
・コンセントに差している電源プラグの「切表示ランプ」が点灯している時は「入(リセット)」ボタンを押すと消灯します。
ウォシュレット本体表示部の「運転ランプ」が点灯していない時はウォシュレット本体操作部の「運転入/切」ボタンを押すと点灯します。
アプリコットのみですが点滅している時はウォシュレット本体をベースプレートの「カチッ」と音がするまで押し込んでください
・「タイマー節電中」「おまかせ節電中」等の節電状態になっている場合は節電を解除しましょう。
・温度設定が「切」もしくは低くなっていたら高い側に調整しましょう。
着座センサーに汚れやカバーのかぶさりがないかを確認する
・便座・便フタカバーがセンサーにかぶっているようなら一度取り外して温かくなるかを確認してください。
・着座センサーを柔らかい布で水拭き掃除をしてください。
・20分間程度座り続けると温度が下がり約1時間以上経つとヒーターがOFFになります。
長時間座っていた時は一度立ち上がり座り直しましょう。
LIXIL(INAX)製品の便座が温まらない時の改善法を見て行きましょう。
・コンセントから電源プラグが外れている場合はしっかりと差し込みましょう。
・節電モードになっていた場合は節電スイッチを押して本体の節電ランプが消灯したことを確認してください。
・便座ヒーターオートOFF機能を解除してください。
<サティスGの例>
・設定リモコンの[節電 入/切]を押すたびに「入」「切」が切り替わりますので「切」にしましょう。
・温度設定が「切」もしくは低くなっていた場合は「温度設定」を押し適温に調整します。
温度が低いと感じていた場合は一度一番高い温度に設定してみてください。
熱くなることが確認出来てから適温に調整しましょう。
・便座カバー便フタカバーを取り外してください。この状態で温度が上がって来るかを確認しましょう。
・着座センサーを柔らかい布で水拭き掃除をしてください。
・60分以上座っていた場合は暖房便座が自動的に「切」の状態になっていますので一度立ち上がり座り直しましょう。
便座の温度トラブルの改善法については、他の機種や他のメーカーの場合も取扱説明書に記載されていることが多いです。
温水洗浄便座は便座の部分全てが温かくなる訳ではありません。
温かくなるのは便座の上面(座る面)だけで側面は温かくなりません。
側面を触って「温かくなっていないから故障している」というような早とちりをしないように気をつけましょう。
トイレの便座ヒーターや基盤が故障した場合の修理費用はいくら位なのでしょうか?
TOTOとLIXIL(INAX)を例にご説明します。
・TOTOの場合
修理内容 | 料金目安 | |
---|---|---|
ウォシュレット(通常タイプ) | ネオレスト(タンクレス) | |
ヒーター修理、交換 | 21,000円~ | 21,000円~ |
基盤修理、交換 | 19,000円~ | 24,000円~ |
・LIXIL(INAX)の場合
修理内容 | 料金目安 |
---|---|
ヒーター修理、交換 | 16,000円~57,000円 |
基盤修理、交換 | 19,000円~50,000円 |
ヒーターや基盤の修理、交換は水道業者で対応するよりもメーカーに依頼して対応してもらうことが多いようです。
今回ご紹介した料金目安は各メーカーより提示されている料金目安です。
もし使用年数が10年以上経っての故障の場合は温水洗浄便座の交換も視野に入れた方がお得かもしれませんね。
便座が温まらない時に見るべき5つのポイントの「①電源がちゃんと入っているかを確認する②節電状態になっていないかを確認する③温度設定を確認する④着座センサーに汚れやカバーのかぶさりがないかを確認する⑤長時間便座に座っていなかったかを確認する」はとても大事なポイントです。
特に使い始めてから10年未満の温水洗浄便座であればこのチェックにより改善することがあるかもしれません。
もし温水洗浄便座が温まらないという症状が起きた時は思い出してみてください。
それでも改善しない場合や他にも水漏れなどの症状がある場合は水道業者にお気軽にご連絡ください。