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それでは、なぜピーピースルーは汚れが落ちるのか、何処で買えるのか、正しく効果的な使い方と注意点は…等、ピーピースルーを使用する上で重要なポイントを見て行きましょう。
目次
ピーピースルーとは、排水口や排水管に溜まった汚れを除去する為の洗浄剤です。
和協産業という会社が製造・販売しているもので、プロの水道業者も使用している強力な洗浄剤です。
水酸化カリウムやオルトけい酸ナトリウム、水酸化ナトリウムを主成分としている為、ピーピースルーを投入した液体はアルカリ性になり、ヌルヌルした細菌性スライムや毛髪、油脂タンパク汚物を溶解し、汚れや悪臭を除去します。
ピーピースルーにもいくつか種類はありますが、主なピーピースルーは固体で「フレーク状」や「粉末状」の物があります。
中には「医薬用外劇物」に指定されているものもあり、購入する場合は所定の手続きが必要になる物もあります。
水酸化カリウムも水酸化ナトリウムも強いアルカリ性で、水に溶けることにより高濃度のアルカリ性溶液となります。
この溶液がキッチンや洗面所などの排水口、排水管にこびりついた汚れを分解して除去します。
また、水に溶ける際は反応熱で一時高温になり、刺激臭も発生します。
代表的なピーピースルーの種類を3つご紹介します。
ピーピースルーシリーズの中でも一番強力な物。
強力な為、汚れの除去能力は高いが使用方法を間違えると人体に悪影響が及ぼす恐れがある為、「医薬用外劇物」に指定されていて、購入には所定の手続きが必要。
水道業者の多くがこのタイプを使用している。
ピーピースルーKは「水専用」であり、お湯での使用は不可。
ピーピースルーKと洗浄力は変わらず、強力なタイプ。
一番の特徴は「温水専用」とうこと。
40℃前後のお湯に溶かして使用する。
ピーピースルーK同様、「医薬用外劇物」に指定されている為、購入には所定の手続きが必要。
ピーピースルーKやFと比べて出荷数は少ない。
ピーピースルーK、温水用よりは洗浄力が落ちるが医薬用外劇物に指定されていないので皆さんでも購入、使用しやすいかもしれません。
他のタイプと比べて洗浄力は落ちますが、その他に市販されている洗浄剤の中ではトップクラスの洗浄力があるでしょう。
※尚、ピーピースルーFは大便器の詰まりや小便器の尿石には効果が期待できませんので、使用しないようにしましょう。
それでは、もう少し具体的な違いを見て行きましょう。
種類 | ボトルの キャップ |
固体の形状 | 洗浄力 | 有効成分濃度 (使用時)※ |
医薬用外劇物 | 作業時間 |
---|---|---|---|---|---|---|
ピーピースルーK | 緑色 | フレーク状 | 強 | 25% | 〇 | 5分~10分 |
ピーピースルー(温水用) | 赤色 | フレーク状 | 強 | 20% | 〇 | 5~10分 |
ピーピースルーF | 青色 | 粉末状 | 中 | 4% | × | 30分~60分 |
※一般的なパイプクリーナーの場合、有効成分濃度は1~3%程度です(水酸化カルシウム)
同じピーピースルーという名称なので見分けにくいですが、一番簡単な判別方法はボトルのキャップの色です。
ちなみに、ボトルに「ピーピースルー」と表記してある色もキャップの色と同じです。
ピーピースルーは高濃度のアルカリ溶液を生成して汚れを分解していきます。
そして、アルカリ溶液で効果的な化学反応が起きるのは油脂類、ぬめり、毛髪、その他有機質汚れ等です。
それではどこの排水汚れに効果的なのかを見て行きましょう。
その他、ぬめりやヘドロ化した汚れにも効果的です。
以上のように、ピーピースルーの使用に向いているのは主に「雑排水」と言われる「台所・洗面所・浴室・洗濯場の排水口、及び排水管」ですが、トイレが排泄物などで詰まった場合にも効果があります。
ピーピースルーはどこで購入出来るのでしょうか。
ピーピースルーKや温水用はもちろんのこと、ピーピースルーFであっても業務用の排水管洗浄剤なので、身近にあるドラッグストアなどには基本的に置いていません。
まずピーピースルーFであれば、ホームセンターやネット通販で簡単に購入出来ます。
価格は1本(600g)1,500円~2,000円程です。
尚、医薬用外劇物に指定されているピーピースルーKや温水用は、ホームセンターでは取り扱っていません。
ネット通販では取り扱ってるお店もあるようなので、皆さんが購入するのであればネット通販が良いでしょう。
しかし購入には書類(劇物譲り受け書)の提出が必要になります。
商品を注文して必要な提出書類(医薬用外劇物譲受書、本人確認書類等)に問題が無ければ商品が発送されます。
ちなみに価格は1本(1kg)2,000円~3000円程度でしょう。
購入に手間がかかるということは、それだけ取り扱いも注意が必要であるということです。
ピーピースルーは正しい使い方をしないと効果が無いだけでなく、人体に悪影響を及ぼす危険性があります。ここでは、ピーピースルーKとピーピースルーFの正しい使い方、効果的な使い方と使用上の注意点を説明して行きます。
ピーピースルーは強力な洗浄剤です。
作業する上での準備をしっかりとしなければいけません。作業前の注意事項は以下の通りです。
絶対に素手では行わないでください。
ピーピースルーは高濃度のアルカリ性である為、直接肌や粘膜に触れると「痣・失明・火傷」などが起こる恐れもあります。
具体的には、
・肌に直接付いて皮膚が腐食し、痣になる
・目に入り、失明する
・反応熱で火傷する
等です。
もし、身体にピーピースルーが付いてしまった場合は、すぐに水で洗い流しましょう。
必ずゴム手袋を着用してください。使い捨ての薄い物だと破れることもあるので、厚手のゴム手袋を使いましょう。
以下のようなゴム手袋がおすすめなので参考にしてみてください。
また、マスクや保護メガネを付けるとより安全度は高まります。
ピーピースルーは水と合わさる時に反応熱が起こり、同時に「刺激臭」も発生します。
空気が滞留していると体調が悪くなることもあるので、必ず換気をするようにしましょう。
・台所でピーピースルーを使う場合・・・
台所の換気扇を回す、台所の窓を開ける
・洗面所でピーピースルーを使う場合・・・
脱衣所・浴室の窓を開ける、浴室の換気扇を回す
・浴室でピーピースルーを使う場合・・・
浴室の換気扇を回す、脱衣所・浴室の窓を開ける
・洗濯場でピーピースルーを使う場合・・・
脱衣所・浴室の窓を開ける、浴室の換気扇を回す
浴室に窓が無い、洗面所や洗濯場が脱衣所に無いなど、家によって違いはありますが、とにかく一番近い換気扇と窓を開けて換気するようにしましょう。
ピーピースルーの高濃度アルカリ性溶液はアルミ製品を腐食させてしまいます。
作業場所の近くにアルミ製品がある場合は、必ず避けておきましょう。
特に台所は調理器具や食器などアルミ製の物がありますので、よく確認して避けておきましょう。
※ピーピースルーの保管は高温、多湿な場所は避けましょう。そして、必ず密閉し、子供の手の届かない所に保管するようにしましょう。
作業前の準備が出来たら、作業を進めて行きます。
・ピーピースルーを水に入れると「ジュー」という音と共に反応熱と刺激臭が発生します。
決して顔は近づけないようにしましょう。
・かき混ぜてピーピースルーを溶かしましょう。
・ゆっくりと注ぎ入れましょう。
※注意点は上の4.と同じです。
※注意点は上の5.と同じです。
※改善しない時は、もう一度繰り返してみましょう。
ピーピースルーK、ピーピースルーF共に前項の使い方で、キッチン、お風呂、洗面所、洗濯場の排水口、排水管汚れを除去出来ますが、同じ雑排水でもそれぞれ特徴があるので、使用場所ごとに使い方のポイントを見て行きましょう。
使用場所 | 使い方のポイント |
---|---|
キッチン | ・排水口のトラップは必ず外し、トラップ内に溜まっている水も灯油ポンプで取り除く ・排水口周りに撒く、バケツで溶液を作って流す、どちらでも可。 ・排水口周りに撒く場合、シンクの残り水を拭き取っておく(撒いている最中に残り水で反応熱、刺激臭が発生しないように) ・床下排水管も詰まってる場合は絶対に使用しない(溶液が床下排水管と蛇腹ホースの接続部から溢れ出す危険性がある) |
お風呂 | ・排水口のトラップは必ず外し、トラップ内に溜まっている水も灯油ポンプで取り除く ・お風呂の排水口は壁付近にあることが多い為、周りに撒くのは向かないのでバケツで溶液を作って流す方が効果的でしょう。 ・床が乾いている時に行う(床の残り水がある場合、拭いても良いが広いので大変な為) ・お風呂は排水口の位置が低いので、溶液を流す時や撒いた薬剤に水を流す時に高い位置から流すと飛び散る危険性があるので低い位置からゆっくり流す。 |
洗面所 | ・排水口の目皿、ゴミ受けは必ず外す。 ・排水口周りに撒く、バケツで溶液を作って流す、どちらでも可。 ・排水口周りに撒く場合、洗面ボウルの残り水を拭き取っておく(撒いている最中に残り水で反応熱、刺激臭が発生しないように) ・排水口が小さいので、薬剤がフレーク状・粉末状のまま入ると詰まりになる恐れがある。 ・キッチンと同様に床下排水管に詰まりがある場合は絶対に使用しない |
洗濯場 | ・排水口のトラップは必ず外し、トラップ内に溜まっている水も灯油ポンプで取り除く ・洗濯場の排水口は洗濯防水パン、洗濯機の関係でスペースが無く、洗濯機がある状態では周りに撒くのもバケツで溶液を作って流すのも大変なので、洗濯機を移動させてから行う。 ・排水口は洗濯防水パンの縁付近にあることが多い為、周りに撒くのは向かないのでバケツで溶液を作って流す方が効果的です。 ・洗濯場の排水口も位置が低いので、溶液を流す時は飛び散らないように低い位置からゆっくり流す。 |
ピーピースルーは強力な薬品なので使い方を間違えると「汚れが落ちない・詰まりが改善しない」というだけでなく、人体や排水設備、器具に悪影響を及ぼす恐れがあります。
ピーピースルーを使用する時は、以下の内容をよく把握して行うことが大切です。
繰り返しになる部分もありますが、特に大事なのでしっかり見ておきましょう。
・厚手のゴム手袋を着用して行いましょう。保護メガネやマスクも付けるとより安全です。
※高濃度のアルカリ性溶液は人体に悪影響を及ぼします。絶対に素手で行わないでください。
・もし人体に付いてしまった場合はすぐに水で洗い流しましょう。
・使用した後のゴム手袋は良く洗って、付いた溶液を流しましょう。
・ピーピースルーKにお湯(熱湯含む)の使用はNGです。急激な反応を起こす恐れがあります。普通に水道水を使えば大丈夫です。
・逆にピーピースルーFに冷水の使用はNGです。冷水だと溶けにくくなるので、40~50度のお湯を使いましょう。薬剤が溶けてない状態まま流してしまうと、詰まる恐れもありますので気を付けましょう。
・ピーピースルーが水に溶ける時に反応熱と共に「刺激臭」が上がって来ます。換気をしていないと体調が悪くなる恐れがあります。
・換気扇を回すだけでなく、近くの窓も開けるようにしましょう。
・薬剤を使う時は決して水の近くに顔を近づけないでください。
・ピーピースルーはアルミ製品を腐食させるので避けて作業を行います。アルミかどうかわからない時は、銀色の物を全て避けておくようにしましょう。
・ピーピースルーは排水口周囲に撒くか溶かして流すかのどちらかです。「ピーピースルーを排水口に直接入れて詰まった」という話もよく耳にします。排水口には直接投入しないようにしてください。
また直接投入するとキッチンの蛇腹ホースや洗面所のトラップ排水管を変形させてしまうこともあるのでお気を付けください。
・溶液はヌルヌルとしています。洗い流す時にヌルヌルが無くなるまでしっかりと洗い流しましょう。
正しい使い方ができればとても効果的な薬品です。ここで紹介したポイントはよく覚えておいてください。
「予防」は「詰まりが起きないようにする」為の行為です。
そして、予防を行う上で大切なのはタイミングです。
それでは、ピーピースルーの予防方法を見て行きましょう。
ピーピースルーは詰まりの改善にも使えますが、一番効果的な使い方は「予防」です。
正しい使い方で定期的にピーピースルーを投入していれば、詰まりが起きる確率をとても低くすることができるでしょう。
ピーピースルーは強力な薬剤ですが、万能と言う訳ではありません。
排水詰まりの原因によっては効果がなく改善出来ないケースも多くあります。
また強力な薬剤は使い方を誤ると大変危険でもあるので、皆さんが使用するのであれば必ず注意書きをしっかりと確認して正しく使う事が大切となります。
もし水まわりの詰まりや悪臭のトラブルでピーピースルーを試しても改善しない場合は、専門の水道業者に依頼しましょう。