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家庭で使用した水は、排水管を通りやがて外の下水管に流れていきます。 下水管で詰まりを起こしやすい場所として下水管内はもちろん、下水枡での詰まりも考えられます。 下水管が詰まると素人では修理が難しく、また業者に依頼したとしても大掛かりな工事になりがちです。
戸建てならまだましですが、集合住宅の場合は近隣へ迷惑をかけることにもなるので、下水つまりを起こさない普段の意識が重要です。 ここでの記事のポイントは以下になります。
下水が溢れると様々な被害が起こるので、溢れる前に予防や対処方法を把握しておきましょう。
目次
しかし、いつどこのお宅でも起こりえる事なんです。 水を使って排水する限り、絶対にない事ではありません。
水回りで使用した水は、排水口から排水管に流されて、下水管を通り、道路の本下水管まで流れていきます。
家の中で下水管といえば、床下の配管の事です。
排水管は通常、S字トラップ管や、蛇腹ホース等を使用していて、太さ約3~4cm程度のパイプが使用されています。 しかし、その排水管が床や壁で接続している下水管は、台所や浴室等の生活雑排水管では、4~5cm、トイレ等の汚水管ですと、7.5~10cmの太さの管を使用しています。
排水管 | S字トラップ管、蛇腹ホース等 太さ約3~4cm程度のパイプ |
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下水管 | 台所や浴室等の生活雑排水管は4~5cm トイレ等の汚水管は7~10cm |
この下水管の中や下水管が合流する場所に通常設けられている下水枡で、下水つまりは起こるのです。
生活雑排水管を流れてくるのは基本、水です。
しかしこの水に、
・台所から流れる油分や脂分
・洗面所や浴室から流れる髪の毛や石鹸等の油分
・洗濯場から流れる繊維ゴミや洗剤の油分
等がまざって流れていき、詰まりの原因となります。
またトイレの汚水には、排せつ物やトイレットペーパーが含まれている為、まれにあるケースでは、下水管の勾配がゆるく、常に水が少し残ってしまう状況になっていると、そこに尿が残り、残った尿が時間をかけて、尿石となり、下水管内のスペースを狭くしたり、スムーズに流れにくくしてしまったりします。
これは、台所の油分や脂分でも同じ事が言えます。
台所では、流れる物の代表は、油分と脂分です。
それに野菜等の食材ゴミや食材カス、まれに食材が入っていた袋やパッケージの切クズ等が流れて行くこともあり、相まって詰まりの原因になります。
ちょっと大変ですが、結構みなさん行っている様ですね。 しかし、油分や脂分は流す時には水と混ざっている為にあまり意識をせずに流してしまいます。 ドレッシングの残りやラーメンの残り汁等、紙で吸い取って捨てるなんて、ちょっとできませんよね。
これらはどうしても、排水口に流してしまいます。
ただ、ラーメンの残り汁等は、そのまま排水口ではなく、一度、三角コーナーなどの穴あき袋を通して流せば、細い食材ゴミは流れずに予防方法の一つになるでしょう。 豚肉等の茹でたお湯やカレーライスを作った時のお鍋はきれいに拭き取ってから洗う事は可能でしょうが、豚肉等の茹でたお湯を冷やして、ラード(脂)をすくって捨てるなんて、毎度、毎度やってられません。
これらの予防方法としては、少しでも流さないのが一番ですが、それ以外にも、洗い物が終わったあとに、お鍋に数杯のお湯を流します。
食材ゴミは大きな物から小さな物まで色々ですが、大きな物は、排水口にトラップが付いていれば、そうそう流れてはいきません。
問題は、細い食材ゴミです。
小さいから大丈夫だろう、細いから大丈夫だろう、と思って流してしまうと、それが実は流れきっていなくて、油分や脂分のドロドロ汚れと合体し、しっかりと詰まりの原因になってしまうのです。
位に考えていた方が、予防方法としては良いと思えます。
この様にして、洗い物をしていると、「気を付けるから大丈夫」と言っていながら、大きな食材ゴミが流れたり、食材袋やパッケージの切りクズ、洗剤やペットボトル、調味料のフタ等、中にはスプーンやフォーク、お箸が流れ落ちてしまう事もあります。
これらを考えて、絶対にゴミ受けカゴやトラップ蓋を外して、台所を使用しないと言うのも予防方法の一つです。ゴミ受けカゴを付けたままだと流れが悪い場合は、ゴミ受けカゴの網目に汚れが溜まっているので掃除して使用するようにしましょう。
浴室詰まりの主な原因になる髪の毛。
髪の毛を絶対に流さない様にする事は無理ですが、少しでも少なくする努力は出来ます。
シャンプーやコンディショナーは、さらさらな液体の物は良いのですが、外国製品等で見られるドロドロの液体のものは粘度が強く、排水管や排水口に付着しやすい物です。 しかし、ご自分のお気に入りの物を使ってはいけません、というわけにはいかないでしょう。 使用する場合、使用後にしっかり多めにお湯を流して少しでも下水管内に残らない様にすることが大切です。それでも完全には流れないでしょうが、流すのと流さないのとでは、大きな違いになると思います。
洗面所でも、主に流れるものは髪の毛です。 整髪する時に落ちる髪の毛は必ず拾い取りましょう。
髪の毛を拾わず、当たり前の様に流してしまえば、それが詰まりの原因になります。
排水口にヘアキャッチャーを取り付けるのも予防方法としては効果的です。 しかし、そのヘアキャッチャーをこまめに掃除しなければ、そこが詰まりの原因になってしまいます。
髪の毛が詰まりの主な原因になりますが、その髪の毛を排水管の中で止めてしまうのが排水口から落としてしまった物です。
ヘアピン、歯間ブラシ、綿棒、ヘアゴム、イアリングやピアス 等・・・もその原因となります。
知らないうちに流してしまったならまだしも落としてしまった事に気づいていたら、必ず取り出しましょう。
そのまま流れていってはくれません。必ず詰まりの原因になります。
排泄物の量は調整できません。 量が多い時も、固い時も注意ですが、そんな時はトイレットペーパーを使用する前に一度流してしまいましょう。 それだけで充分予防になります。
また、トイレットペーパーの使用量が多くなってしまった時も同様です。
途中で1回流してしまえば、流すものの量は調整できるのです。
流せるタイプのお掃除シート等は、流しても良いのです。
しかし、一度に何枚もまとめて流せば詰まりの原因になるのです。
商品の使用上の注意には、「一枚で流してください」と通常は書かれています。
基本トイレは、溶けないペーパー類は、流せません。
箱ティッシュ、ペーパータオル、キッチンペーパー 等、確実に詰まりの原因になります。
トイレの詰まりでは、トイレ内に置いてあった物や身に付けていた物を間違って、流してしまった事による詰まりも多くあります。
通常は便器内で止まってくれるのですが、うまく便器から出てしまうと、下水管の途中で止まってしまう事もあります。 こうなると、やっかいです。 戸建てならまだしも、集合住宅の場合は大事になってしまいます。
無意識に流れていってしまったものはしょうがありませんが、落としたのを分かっていて、汚いから拾うのがいやだと流してしまうのだけはやめて下さい。
古くなったコンクリート桝。
桝と下水管のつなぎ目が割れたり、隙間ができていたり、又、段差ができている場合は要注意です。
流れてきた汚物がそこで止まり、どんどん詰まって、しまいには溢れ出してしまいます。 戸建てでは、
他の家にも迷惑をかけてしまう桝からの溢れ、定期的に桝の蓋を開けて確認していれば気付く事ですし、防げる事です。
以上の様に、水回りでは各所で予防する方法はいくらでもあります。 日常の生活の中でちょっとした事を面倒くさがらずに行う事によって、つまりは予防できるのです。
では、いざ詰まって溢れてしまった時はどうすれば良いのでしょうか? こちらも各所、ご説明しましょう。
ラバーカップ(すっぽん)を使って直します。
ただし、排水管が蛇腹ホース等でつないでいる場合は、避けた方が良いでしょう。
ラバーカップ(すっぽん)を押した時の圧で、排水管と下水管の接続部分から漏水する危険性があるからです。
シンク下の排水栓(排水口)から床下の下水管まで直で間違いなくつながっている時は、ラバーカップ(すっぽん)を使用しても良いでしょう。
ピーピースルー等の薬品を併用するのも良いでしょう。
下水管口から市販のワイヤーを入れてみるのも一つの方法ですが、ワイヤーが抜けなくなった、挿入されている様で実は入っていなかった等、直せない場合が多々ありますので、おすすめはしません。
また、ピーピースルー等の薬品を使用する場合でも無理に入れすぎて、気分が悪くなったりしない様に気を付けてください。 薬品のみで直すのは難しいです。
万一、行う場合、排水トラップ管と下水管の接続部分が必ず見える状態で行ってください。
ピーピースルー(薬品)は、管内洗浄薬品です。
パイプ洗浄液のパイプユニッシュよりは多少効果はありますが、完全に直すのは、なかなか難しいでしょう。 ピーピースルーを使用する際は、ラバーカップ(すっぽん)と併用すると良いでしょう。
集合住宅の場合は、わりと近い場所で生活雑排水の下水管は合流しています。 また中にはトイレの汚水管が合流している場合もあります。
合流先の下水管で詰まりが発生した場合、トイレや台所を流すと、低い位置の排水口(浴室や洗濯場)から溢れてくることがあります。
中に溜まっている毛ゴミを取り除いてしまえば、直ってしまうケースもあります。 しかし、外してみても毛ゴミがまったくない、または毛ゴミを取り除いても直らない場合もあります。
毛ゴミが少し下水管に入り込んでるくらいなら、直る場合もあります。
しかし、何度行っても直らない時は、合流地点より先での詰まりですのでラバーカップ(すっぽん)の力は、届かないでしょう。 それ以上無理には行わないでください。
集合住宅ではアパート等、可能な場合も有りますが、基本は戸建の場合です。
意外とトイレつまりではなく、屋外の下水桝つまりも多くあります。 また、桝内での詰まりの場合は、意外と単純に直ってしまうケースもありますので、まず桝の蓋を開けて詰まっているかを確認してみましょう。
トイレつまりの場合、まず手にするのがラバーカップ(すっぽん)ですね。
トイレは無理に水を流したりしなければ、汚水が床に溢れる事はありません。
まずは落ち着いてラバーカップ(すっぽん)を使って直してみましょう。
ただし、メガネや消臭剤の蓋などの固形物を流してつまった場合はラバーカップを使用しないでください。
以上の様に直し方についても各所様々です。 しかしご自分で直そうとする場合、まずは状況をしっかりと把握して、無理せずに修繕を行ってください。
ご自分で直すのが無理な場合は、専門の水道修理業者に依頼すると良いでしょう。
下水管つまりの場合、水道業者は管内にトーラー機を使用し、ワイヤーを挿入して直します。
トーラー機 | ||
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トーラー機には、電動・手動がある | ||
電動で回転するワイヤーがつまっている所を崩し、水の流れを確保する | ||
油分による台所詰まりや汚物による下水つまりを解消・修繕できる |
又、修繕後には高圧洗浄機により、高圧の水で管内及び桝内を洗浄します。
業者によって費用はそれぞれ違い、それぞれの業者によって費用の設定があります。 したがって、必ずしもこの費用でというのはありませんが、一般的な価格は以下を参考にしてください。
トーラーでの修繕 | 10,000~20,000円位 |
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高圧洗浄機の修繕 | 20,000~40,000円位 |
しかし、詰まりの場合、状況によって、作業によって時間がかかる場合もあります。 作業時間によってはプラスαする場合もあるでしょう。
いくら費用が安くても、作業がともなわなければ、皆さんが納得するものではないでしょう。