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水道代がいつもより高い場合、それはトイレの「チョロチョロ水漏れ」が原因かもしれません。
タンクや便器からわずかな水が流れ続けるだけでも、月に数千円~数万円の水道代が発生するケースがあります。
この記事では、トイレの水漏れによる水道代の目安や、漏れ方ごとの水量などを解説し、さらに「水道局の減免制度は使えるのか?」「賃貸やアパートでは誰が負担するのか?」など、気になる費用負担の疑問も解消します。水漏れを早期発見するためのポイントも紹介しています。
水道代が気になる方は、ぜひ参考にしてください。
目次
トイレの水漏れは、少量でも放置すれば月に数千円~数万円の水道代の増加につながります。
ここでは、水漏れ時の水道代の実態と計算方法、漏れを止める応急処置について解説します。
トイレや水栓からの水漏れは「ちょっと水が出ているかな」と見過ごされがちですが、実際には想像以上の水が流れ出ている場合があり、水道代に大きく影響します。
「チョロチョロ」「ポタポタ」といったわずかな漏れでも、1か月単位で見ると数千円~数万円の請求額増になることも考えられます。
以下は、見た目の漏水量と水道料金の目安をまとめた一覧表です。
漏れの状況 | 漏れ方の目安 | 月間漏水量(約) | 水道料金の増加目安 |
---|---|---|---|
水栓からの糸状の漏れ(1mm) | スーッと細い水が流れる | 6㎥ | 約1,800円 |
水栓からの糸状の漏れ(2mm) | マッチ棒程度の太さの水が流れる | 16㎥ | 約5,500円 |
便器前部からチョロチョロ | 箸の先程度の水流 | 20㎥ | 約7,000円 |
便器内の水面がわずかに動く | 見た目にはわかりにくいが常に流れている | 150㎥ | 約69,000円 |
※数値は東京都水道局より引用
ポタポタと断続的に落ちる水漏れでは、月間0.9㎥で約300円 とわずかですが、放置は厳禁です。
いずれのケースでも、流れ続けると大きな水道代の負担になってしまいます。
次に、水漏れを放置した場合の水道代を、計算してみましょう。
トイレの水漏れは、ほんのわずかに見えるため、つい「たいしたことない」と見過ごされがちです。
上記表の、「便器前部からチョロチョロ」水が流れている場合を例にとってみましょう。
このケースは、1分間に0.5リットル の水が漏れているケースです。
東京都水道局の料金体系(口径20mm、一般家庭用)を基に、この21.6㎥の漏水でどれほど水道代が増えるのかを計算します。
■東京都の水道料金(一般用口径20mm)
基本料金(1,170円) | 1㎥~5㎥ | 6㎥~10㎥ | 11㎥~20㎥ | 21㎥~30㎥ | 31㎥~50㎥ | 51㎥~100㎥ |
---|---|---|---|---|---|---|
1㎥あたりの料金 | 0円 | 22円 | 128円 | 163円 | 202円 | 213円 |
※東京都水道局:「水道料金(1か月分)」の表から一般用口径20mmのみを引用
1)4人家族の平均的な使用量は約23.1㎥/月 です。これに漏水分21.6㎥が加わると、合計使用量は44.7㎥になります。
2)通常の23.1㎥まではいつもの料金なので計算から除外し、超過分21.6㎥にかかる水道代は以下のとおりです。
・23.2~30㎥:6.8㎥ × 163円 = 1,108円
・31~44.7㎥:13.7㎥ × 202円 = 2,767円
▶ 水道料金の増加合計:3,875円
見落とされがちですが、水道を使えば「下水道使用料」も請求されます。
東京都の下水道料金(一般家庭用)で同様に計算すると
■東京都の下水道料金(一般汚水)
料率区分 | 0㎥~8㎥ | 9㎥~20㎥ | 21㎥~30㎥ | 31㎥~50㎥ | 51㎥~100㎥ | 101㎥~200㎥ |
---|---|---|---|---|---|---|
料金 | 560円 | 1㎥あたり110円 | 1㎥あたり140円 | 1㎥あたり170円 | 1㎥あたり200円 | 1㎥あたり230円 |
※東京都水道局:「下水道料金(1か月分)」の表から計算に使う部分のみを引用
・23.2~30㎥:6.8㎥ × 140円 = 952円
・31~44.7㎥:13.7㎥ × 170円 = 2,329円
▶ 下水道料金の増加分合計:3,281円
これらを合算すると、水漏れによって1か月で支払う余分な料金は7,156円にもなります。
しかも、家庭用水道代の請求は「2か月ごと」です。
2か月チョロチョロ水漏れを放置したら、いつもの水道代より14,312円も多い請求が届くことになってしまいます。
「便器内のわずかな水面の動き」は、チョロチョロ水漏れより気が付きにくいかもしれません。
しかし、水漏れ量が多いため、水道代は1か月で7万円近い額になります。
これがトイレの水漏れの怖さです。
日頃のチェックと、いつもと違うと感じたときは放置しないことが、無駄な出費を防ぐためにできることです。
トイレの水漏れに気が付いたときには、何をすればいいかを理解しておきましょう。
応急処置は、まずトイレ横の止水栓(マイナスドライバー式が多い)を時計回りに回し、水を止めるのが基本です。
実際の原因は、浮き玉やボールタップの破損やずれが考えられます。
よくわからない場合は、無理に修理しようとするとかえって悪化する可能性もあるため、早めに専門業者へ相談がおすすめです。
トイレの水漏れは、漏れ方によって水道代の負担が大きく異なります。
ここでは「ポタポタ」や「チョロチョロ」など、漏水状態ごとの水量と費用の目安、考えられる漏れの原因を紹介します。
ポタポタと水が滴る程度の軽微な水漏れでも、1か月続けば数百円~1,000円近い水道代が無駄になります。
水滴が断続的に落ち続けると、月間で0.9~3㎥程度の水が無駄になり、300円~1,000円程度の負担になることも。
壁や床にある止水栓やタンク上の手洗いには、便器まで水が流れる経路になります。
内部にはゴム製のパッキンやコマといった部品があり、これらの劣化がポタポタ漏れの主な原因です。
放置して自然に治ることはまずありません。
早めの部品交換や修理が必要です。
タンク上部の手洗い栓から「スーッ」と細く水が流れ続けている状態は、タンク内に水が常に供給され、オーバーフロー管を通じて常時便器内へと流れている状況です。
この結果が、便器内の「チョロチョロ水漏れ」の状態になります。
これを放置すれば、1か月で数千円~1万円近い水道代の増加になるかもしれません。
原因は、タンク内部のパッキンやボールタップの劣化が考えられます。
手洗い栓から細く流れる水漏れを放置すると、便器内へ水が流れる「チョロチョロ水漏れ」の状態になります。
この現象は、タンク内部の部品のボールタップやフロートバルブのずれや劣化が原因です。
音や見た目で気づきにくいですが、水漏れ量は月に20㎥前後、水道代は約7,000円増になる可能性があり、部品の劣化やずれ方がひどくなれば水漏れはさらに増加します。
早めの修理対応が無駄な水道代を抑えるポイントになります。
便器内部の水面がわずかに揺れている場合は、タンクから水が常時流れ込んでいる可能性があります。
この状態では、1か月に150㎥を超える大量の水漏れも考えられ、水道代が数万円単位で増えるケースになります 。
注意が必要なトイレは、手洗いなしのタンクやタンクレストイレです。
手洗い付きの場合は、手洗い栓から水が出続けるため気が付きます。
しかし、手洗いなしやタンクレストイレの場合は水の流れが外から見えないため、便器内のわずかな水面の揺れが唯一のサインです。
原因は、タンクがある場合は、ボールタップやフロートバルブのずれや劣化が原因の可能性が高いといえます。
タンクレストイレではフラッシュバルブに不具合が起きている可能性が考えられます。
どちらの場合も、早めの修理がおすすめです。
ウォシュレットは、トイレ内の止水栓から給水ホースを通じて本体へ水が供給される仕組みです。
ホースの接続部分や、ホース自体の劣化が原因で水がにじみ出すケースが考えられるでしょう。
漏水の量はじんわりと落ちるポタッポタッ程度でも、1か月続けば約0.5~1㎥(100円~200円)の水道代が無駄にかかってしまいます。
放置するとホースの破損が悪化する可能性もありますし、トイレの床が濡れっぱなしになり、大掛かりな修理になる可能性も出てきます。
漏れる量は少ないかもしれませんが、早めの気づきと修理が必要なケースです。
水漏れで水道代が急増した場合に、自治体によっては減額や減免の制度が設けられています。
ただし、トイレの水漏れは対象外となる場合が通常です。
水漏れによる水道料金が増加した際に、減額や減免制度を思い起こす方があるかもしれませんが、トイレの水漏れは減免の対象外とされる場合が一般的です。
たとえば、東京都水道局では、「敷地内の水道設備は個人の財産であり、その管理責任は利用者が負う」としています。
そのため、トイレの水漏れによる料金増加は、原則として利用者の負担です。
ただし、壁の中や床下など、発見が難しいか所での水漏れは減免の対象となる場合があります。
トイレの水漏れでも、壁の中や床下など、目視できない場所からの漏水の場合は、自治体によっては減免対象となる場合があります。
下記は主な適用条件です。
注意点としては、修理を依頼する業者は自治体の「指定給水装置工事事業者」による修理が必須になることです。
減免が適用される場合は、工事店や水道局へ確認して、申請タイミングを外さないようにしましょう。
トイレの気づきにくい水漏れは、発見が遅れると高額な水道代につながります。
ここでは、日常的にできるチェック方法や、漏水を見つけるポイントを紹介します。
トイレの水漏れを確認するには、水道メーターのチェックが確実でわかりやすいといえます。
以下の手順で確認してみましょう。
アナログメーターは回転で、デジタル式は点滅 で漏水を知らせてくれます。
どちらも「蛇口をすべて閉め、水を使用していないのに反応している」場合は、水が漏れている可能性が高いため早めの対応をとりましょう。
トイレの水漏れは、音や水面の動きで気づくことがあります。
以下のような点に注意してみましょう。
チェックポイント | 注意すべき現象 |
---|---|
音 | 使用していないのに「チョロチョロ」と水音がする |
便器内 | 水面がわずかに揺れている |
床 | ウォシュレット周辺が濡れている |
手洗いの蛇口 | ポタポタ漏れや、細く水が出ている状態 |
掃除の際は、使わない状態で、便器の中や床に気を配るチャンスです。
低い位置から確認できるため、気が付きやすいでしょう。
掃除の際には、上記のポイントを確認するのを習慣にしましょう。
また、クレジット支払いや銀行引き落としになっている場合に、料金を確認していないケースもあります。
水道代は必ず確認しましょう。
早期発見が被害額を抑えることにつながります。
賃貸物件でトイレの水漏れが発生した場合は、誰が料金を負担するかが気になるところです。
対応と注意点を表にしました。
対応 | ポイント |
---|---|
増えた水道代の負担 | 賃貸契約書の内容によるため、契約書の確認が重要 |
【貸主(大家)が負担のケース】契約時に特約がなく、経年劣化などが原因の場合 | |
【借主負担のケース】水漏れの原因(破損や過失)が住居人にある場合 | |
被害状況を記録する | 写真や動画で水漏れ状況を撮影しておくと、後からでも客観的な状況の確認ができる。修理業者に状況を説明する際にも役立つ |
連絡前の応急処置 | 1)止水栓を止める 2)ウォシュレットの水漏れの場合は、電源プラグを抜く 3)床に滴っている場合は、床を拭く |
貸主に伝えるポイント | ・建物名、部屋番号 ・水漏れの箇所・程度・気が付いた日時 ・被害があれば伝える |
賃貸物件でのトイレの水漏れは、適切な対応が必要です。
トイレに異常を感じたら早めに管理会社や大家さんに相談することが、トラブルを最小限に抑えるポイントです。
トイレの水漏れで水道代が高くなる被害について解説しました。
チョロチョロという音や、便器の水面のわずかな揺れなどの、水漏れのサインは見逃さないようにしましょう。
放置すれば、月に数千円~数万円の水道代が発生するリスクがあります。
少しでも異変を感じたら、まずは確認して止水栓を閉め、水道業者に相談することが大切です。
トイレの水漏れは、早めのチェックと対応で無駄な出費を防ぐことができます。