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家の洗面排水の部分を見てもらえば分かるように、洗面所の排水溝は非常に小さいので、水が流れない詰まりは起きやすい箇所と言えます。
排水管の詰まりや接続部分の劣化であれば、交換や修理で自分で簡単に解消することができます。
ただし注意点があり、洗面台に使われているトラップや排水管は各家庭によって素材や形状が異なります。
それによって修理方法も若干変わってきますので、素材や形状別の対応方法についてお教えします。
今回の記事は、洗面台で詰まりが起きやすい以下の箇所を中心に、修理方法をまとめています。
素材の特徴を記載し、それによって修理をする時に注意してほしい点もプロの目線で解説します。
目次
「あれ?水が流れない!」
朝から気分台無し!!
朝から洗面台に水が溜まって流れない。
歯を磨いて、顔を洗ってスッキリ!・・なんてしないですよね。
皆さん、洗面所では以外に色々な物を流しているんですね。通常、髪の毛、ハンドソープ、石鹸、歯磨き粉、化粧品、整髪料、他に、汚れてしまった物(例えば、ホコリだらけの物や泥だらけになった物等、中には気分が悪くなって嘔吐する時、トイレではなく洗面所で・・・酔っ払っている時なんかは、心当たりのある方もいらっしゃると思います。
また、水に溶ける物だから大丈夫だろうと、いらなくなった洗濯石鹸や粘度の強い液体(ソープや化粧品)を流したり、排水口のお掃除をしてドロドロヘドロをそのまま流してる方もいらっしゃいます。
物落としも多いですね。
物落としの両横綱はヘアピンと歯間ブラシです。U字管に落ちて止まったこの2つに、髪の毛やドロドロヘドロが付着して詰まりの原因になり流れなくなる事が大変多いです。
これ以外にも、コンタクトレンズ、アクセサリー(指輪、イヤリング、ネックレス等)、化粧品のフタや輪ゴム、ヘアゴム、楊枝、一回用歯磨き粉入れ、タバコのフィルター・・・
出てくる、出てくる、色々な物がでてきます。
これらの物が通常直径約3cm程のパイプの中に止まってつまりの原因となります。
また、物を落としてなくても排水管内の汚れだけでビッシリ!水の通る隙間もないくらい永年の蓄積でつまってしまいます。
(永年といっても、中には5〜6年のお宅もあります。)
まずは、物を落とさないようにするのが第一ですが、経年の汚れ詰まりは日頃のお掃除と髪の毛を極力流さない様にする事で予防していくしか方法は、ありません。
ここからはまず、排水管のタイプ別のつまり解消法をご説明します。
樹脂製のトラップパイプはU字管の取り外しをする場合、基本的に工具を使わないので、皆さんが落ちてしまった物をご自分で取ったり、汚れを除去するには、扱いやすいタイプです。
また、U字管の下に掃除口がついているタイプもあるので、さらにお掃除をするには便利です。
但し、古くなり劣化すると、ちょっとした外圧などで折れてしまったりします。
金属製トラップパイプは取り外しをする場合など、必ず工具を使用します。
ただ、金属製の為、古くなるとサビ等の腐食により、穴が開いて水漏れするケースが多く見られます。
この様に金属が劣化する場合、工具を使って取り外そうとしても、ナットが固着して簡単には回らず、無理に回そうとすると弱くなっているパイプがいとも簡単に折れてしまいます。(これは、専門の水道業者が行っても同じです)
基本、パイプに穴が開いたり、亀裂が入った場合は交換する事をお勧めします。
このS字に見えるS字型トラップは床排水の場合に使用されます。
排水栓+U字管+ステッキ管(杖の形に見える為)、3点の組み合わせになっています。
U字管は、封水機能(家の中に下水の臭気や虫が入ってこないようにする為のもの)の為、常に水が溜まっています。
パイプユニッシュの様な液体排水管内洗浄剤はこの部分の汚れ落としには効力があります。
このP字に見えるP字型トラップは壁排水の場合に使用されます。
排水栓+P字管+キセル管(タバコのキセルパイプの型に見える為)、3点の組み合わせになっています。
古いトイレ(特に和式や小便器)などで、たまに見かける事があります。
小さな手洗器に使用しているパイプです。
このパイプには水を溜める部分が無く、トラップ無しタイプです。
床下の下水管や外のマスでトラップを作っている場合、使われる事があります。
アパートやマンションで多く見られる、浴室内に洗面器が取り付けてある2点ユニットやトイレも一緒に取り付けられている3点ユニットで多く見られるタイプです。
床に取り付けられている排水口がトラップになっていて、浴槽排水も洗面排水もこのトラップを経由して下水管に流れ出る為、洗面器下の排水管は、トラップになっていません。
このタイプは汚れが床のトラップまで流れていってしまう為、洗面器下のパイプではあまりつまる事はありません。
排水栓の排水口にゴム栓をつけて水を溜め流すタイプ。通常、最も多く使用されているタイプです。
蛇口や洗面台に引き棒がついていて、その引き棒を引くと排水口のフタが閉じ水を溜め、引き棒を押すと排水口のフタが開いて水を流す仕組みになっています。
このタイプは、引き棒と交差する横棒が排水口のフタに接続されている為、排水口のフタが外れなく、物を落としてしまう可能性は低いのですが排水フタの中に毛ゴミが絡みつき汚れが付着してしまうので排水口でつまってしまう事が多いのが特徴です。
最近では、製造しなくなったメーカーもあります。
ポップアップタイプに代わって最近多く使用されているのがこのプッシュアップタイプです。
蛇口や洗面台についている突起やボタンを押すと排水口のフタが閉まり水を溜め、もう一度押すと開いて水を流す仕組みになっています。
このタイプは、排水口のフタが簡単に外れるのでお掃除をするには楽ですが、フタの下にヘアキャッチャーがついているので、外したまま使っていると物を落としU字管まで行ってしまうのが特徴です。
以上のように、排水管(排水トラップ)には、素材別、形状別、機能別と色々なタイプがあり、この3つのタイプの組み合わせにより、つまりの解消法もそれぞれ異なってきます。
このタイプの排水トラップは、多くの洗面所の洗面化粧台で使われています。
樹脂製の為、U字管上下のナットは必ず手で緩めたり締めたりしてください。
どうしても男性の力でも緩められない場合や滑り止めのゴムを使っても回らない場合は、工具を使用しますが樹脂製の為、新品でも無理な力を加えると破損しますのでご注意下さい。
まずは、洗面器、又はタッパ等、ゴム手袋、雑巾、又はあれば吸水シートを用意。
付いていないU字管は下側のナットを緩めます。
緩めると水が出てきます。ゆっくり緩めたまま水の出が弱くなるまで待ちます。
水が出きったらナットを上下緩めてU字管を外します。
排水口を上から覗き込みゴミが溜まっていたら取り除きます。
U字型の中もゴミが溜まっていたら取り除きます。
注意!下水管のつまりの場合、ステッキパイプの中にたっぷり水が入っています。
ステッキパイプを動かして差込口から水がにじみ出てきたら、時間をかけて雑巾や吸水シートで水を吸い取りながらステッキパイプを外してください。
ダメな場合は無理をせずに中断して専門の水道業者に連絡して下さい。
また、ステッキパイプが外れたが、下水管の中に水が溜まっていたら、下水でのつまりですので専門の水道業者に専用の道具でつまりを除去してもらいましょう。
ステッキパイプを取り付けるときは、防臭ゴムを下水管にしっかり取り付けます。
隙間が出来ているとあとで悪臭の原因となります。
のみこみが中途半端にならないようにしっかり差込み、手締めでしっかり締めて下さい。
水漏れが無ければ終了です。
このタイプは、ある程度年数のたった戸建、マンション等の洗面台、カウンター式洗面台(特に間口の広い物)で使われています。
まずは、割り箸、洗面器、又はタッパ等、ゴム手袋、雑巾、又はあれば吸水シートを用意。
※以下の手順で排水口のフタを外しゴミを除去します。
取り付けてあった穴の位置を必ず覚えておいて下さい。
フタの下にある小さな穴に横棒が差込まれますので、下の横棒を差し込みながら排水口のフタが連動する事を確認し、横棒のネジを手締めで取り付けます。
この時に横棒の取り付けネジの所に水漏れが無いか必ず確認して下さい。
以上、最も多い洗面排水トラップ2例で、つまりの解消方法をご説明いたしました。
ここで紹介しなかった、Pトラップに関しては、壁排水の為、排水管を動かすことによって壁の差し込み口から水漏れする可能性がありますので、ご自分では無理に行わない方が良いでしょう。
また、すっぽん(ラバーカップ)等を使用してつまりを直す際は、排水管と下水管の差し込み口から漏水する危険性がありますので、すっぽんを使用する際は必ず確認をしながら無理をせずに行って下さい。
洗面所のつまりは簡単に直せるケースもありますが、無理をすればパイプの破損や漏水につながります。簡単に直らない場合は無理をせずに専門の水道業者にご相談下さい。