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水道トラブルの中でもよくあるパイプの詰まり。
つまりが起きると水道が使えなくなってしまうどころか状況によっては水漏れが起こって色々な被害が出る事もありえます。
水道はライフラインの中でも重要な項目です。水道トラブルが発生した時は、生活に支障が出ることが多いので、このように詰まりが発生するというトラブルは極力、事前に回避できるようにしたいですよね。
ただし、日ごろの掃除にひと手間加えることで、パイプの詰まりを予防することもできます。
今回紹介する予防法は、専用の道具が必要なのではなく、身近にある物を使って行うことができるので、いつものお手入れや緊急時の一時処置にも役に立ちます。
詰まりを解消するために必要な道具と方法、さらにどうしても困った時に業者を呼ぶタイミングと適切な選び方についても併せて紹介します。
目次
パイプとは英語で管という意味ですが、一般家庭の水道で言われるパイプというのは主に次の2種類を指します。
続いて、家の中にある代表的な水回りの場所を5つ挙げましょう。
パイプと水回りを定義づけたところで、次に給・排水管の各々について、さらに詳細な特徴を説明しましょう。
給水パイプは、屋外の地中を通っている公共の水道管と家の各場所に付いている蛇口をつなぐ役割をしている水道管です。
また給湯パイプの場合は、給湯器と蛇口をつなぐ役割をしている水道管で、温められたお湯を供給しているので、浴室や台所、洗面所で蛇口を使うとすぐに温かいお湯が出てきます。
外観的特徴は給水管の場合、塩化ビニール製か古い建物だと鉄製の管を使っていていることがあります。
また、近年では十数年前からポリ管(ポリブデン、ポリエチレン等の材質)と呼ばれるものが出てきて主流になって来ています。
どの管も排水管と比べて細いのが特徴です。給湯管の場合は、銅製か塩化ビニール製の管を使っていることが多く、給水管同様、近年の主流はポリ管になってきています。
大きさも給水管と同じくらいの大きさです。
管内は常に水、お湯で満たされ水圧がかかっていて、蛇口に近づく程、小さくなって行きます。
ちなみに、なぜポリ管が主流になって来ているかというと、加工のし易さ、柔軟性が塩ビ管よりも優れているからです。耐久性も塩ビ管と同等かそれ以上とも言われている為、多くの場面で使用されています。
排水管は、生活する上で出てくる使用済みの生活排水を外部の下水道まで流す為の管です。普段は空洞で、この中を排水が流れていきます。
管は塩化ビニール製(一部のものは金属製)で給水管よりも太く、洗面所や台所では、真ん中の部分でS字型(またはP字型)に曲がっているトラップタイプのものもあります。
排水管は排水口から遠くに行くほど大きくなるのが特徴で、途中で小さくなるということはありません。何故かというと途中で小さくなってしまうと、詰まりやすくなってしまうからです。
給水、排水それぞれの役割をする2種類のパイプは、一般的には水回りごとに次のような場所に設置されています。
次に、2種類のパイプが詰まる原因を解明してみましょう。
給水は排水と違って、パイプを通る水きれいなことや、常に水圧がかかっていて流動的なこともあり、詰まることはそれ程多くありません。
しかし、まれに詰まることもあるので、詰まりの主な原因トップ3を紹介します。
詰まりの前兆としては、次のような現象が頻繁に起こります。
5つの水回りではいずれにおいても、給水管は外からきれいな水が送られている点が共通しています。
そのため、詰まる原因に大きな違いはほとんどありません。
排水パイプが詰まる原因は色々とあります。
主な原因物質のトップ3を、水回り別にまとめました。
水回り場所 | 第1位 | 第2位 | 第3位 |
---|---|---|---|
台所 | 油、脂成分 | 食物や調味料、食器用洗剤のカスや残留物 | つまようじ、食器などの異物 |
お風呂場 | 髪の毛 | 皮脂汚れや水垢、カビ、シャンプーやボディーソープ、石鹸の汚れ水 | シャンプーのふたなどの異物 |
洗面所 | 髪の毛 | 石鹸や歯みがき粉の排水がヘドロ化 | 指輪や容器のキャップなどの異物 |
洗濯機 | 糸くず | 排水に含まれる洗剤の残留成分 | ヘアピン、コイン、砂等の異物 |
トイレ | 便及びトイレットペーパー | 排泄物や嘔吐物、尿石(小便器の場合)など | スマートフォンや子供のおもちゃなどの異物 |
また、詰まりの前兆には以下のようなものがよく見られます。
これらの現象が表れたら、すみやかに対処して予防しましょう。
一概に排水パイプでといっても、場所ごとに水の使用目的が異なるため、詰まりの状況が変わってくるのです。
たとえば汚れの性質でいえば、台所の油汚れ、お風呂場やトイレで人体から出る汚れは中性から酸性寄りですが、トイレ詰まりにある尿石などはアンモニア臭から分かるようにアルカリ性寄りです。
また髪の毛、紙類、糸くずなど、ものの硬さや形状も違うので、予防対策もそれぞれの場所に合った方法があります。
水道の排水パイプは日ごろの掃除にひと手間加えるだけで、簡単に詰まり予防ができます。
その方法について、場所ごとに適したものを紹介しましょう。
台所のパイプ詰まりの1番の原因は油汚れ、これを除去するために有効な道具は以下の方法です。
パイプクリーナーはよく使われている定番のお手入れ方法の一つで、流すだけで手軽、さらに手を汚さないというメリットは大きいですね。
しかし液の性質が強いため、酸性の商品と混ぜると有毒の塩素ガスを発生させるなど危険も伴います。
また強いアルカリ性ゆえにパイプに使われている金属パーツや塩化ビニール素材の劣化を早めるので、使用頻度は多くても週に1回程度にしましょう。
一方、タオルとお湯を使う方法は、実際に大手キッチンメーカーでも推奨されています。
お湯の熱で油汚れを柔らかくして詰まりを流していく方法で、この方法を知っていると予防だけでなく、いざという時の応急処置になる事もあります。
道具は古タオル1本とお湯だけ、以下の手順で行いますのでぜひマスターしましょう。
なお注意点もありますので、作業する前にしっかり頭に入れておきましょう。
お風呂場の詰まりで圧倒的に多いのが髪の毛、日頃はこれをできるだけ取り除くことがパイプ詰まりを予防する方法でしょう。
詰まり気味の時に有効なのが以下の道具を使うやり方です。
お風呂場でもパイプクリーナーは髪の毛を溶かす効果があるので重宝されています。
他には、ワイヤーハンガーに少し手を加えて排水管内に挿入し、動かしながら髪の毛を絡め取る方法もあります。
材料はハンガーとペンチだけ、これも予防と緊急時どちらにも役に立つので知っていると便利です。
なお、この方法にも作業前に頭に入れるべき注意点があります。
※ワイヤーが管内でひっかかって抜けなくなる事がありますので十分注意して下さい。奥深くに入れる必要はなく、排水口から10cm位までで充分です。
力任せにやり、管を傷つけると髪の毛や汚れが引っかかりやすくなり、詰まりやすい状態になってしまう恐れがあるということを忘れずにいましょう。
洗面所のパイプ詰まりの原因もまた髪の毛が多いですが、この他にも手洗いや洗顔の時に出た皮脂汚れ、微量の泥などがヌメリとなってヘドロ状にこびりつきます。
また、石鹸や洗顔液、歯みがき粉などの成分も排水パイプ内に残ると詰まりの元になります。
このような汚れには以下のものを使うことがおすすめです。
ここでもまたパイプクリーナーが活躍、液体を流すだけでヌメリを溶かし、さらに防カビや消臭効果にも期待が持てるので、やはり便利です。
しかし洗面所には毎日立つので、使用している限り髪の毛やヌメリは日々溜まっていきます。
また洗面所はお風呂場に併設されていることが多く、湿度も高いので、カビやヌメリが発生しやすい環境となっています。
パイプクリーナーを使わない場合は天然素材の重曹を使ってみるとカビの予防にも効果が期待されます。
以下の手順で行いましょう。
注意点はお酢のにおいが残りやすいので、作業が終わるまでしっかり換気をすることです。また液体パイプクリーナーと混ざらないように細心の注意を払うことも必要です。
他の観点から見てみると、洗面所の排水口にはゴミ受けの目皿がなかったり、あっても目が大きかったりということがよくあります。
なので、髪の毛などが直接、排水管に行ってしまいます。
この予防は100均などのお店で目の細かい小さな目皿が販売していますので、それを買って取り付けることが簡単で効果的です。
洗濯機本体から出ていて排水口まで繋がっている排水ホースは潰れたり、折れ曲がったりしていない限り、そこで詰まることは滅多にありません。
詰まりが発生するのは排水口か、その先の排水管です。
今回は排水口掃除のおすすめの方法を紹介します。
手順
トイレのパイプ詰まりはトイレットペーパーやお掃除シート、または排泄物などが原因になることもあります。
トイレの詰まりの初期段階を改善するためには、以下の方法を使うのがおすすめです。
上記の方法についてそれぞれ手順を紹介しましょう。
トイレットペーパーなど水溶性の紙類がつまった時に有効です。
お湯の温度で紙類を柔らかくし、流れやすくするためです。。
用意するものは次の3つです。
以下の手順で行いましょう。
この方法の最大の注意点はお湯の温度、熱湯は便器の陶器素材を破損させるおそれがあり大変危険です。
またバケツでお湯や水を入れる時は少しずつ入れることがポイント。一気に入れると詰まりが改善しなかった場合、溢れ出す危険性があります。
重曹とお酢を使う方法は洗面所の方法でも紹介しました。
トイレ詰まりでは、以下のものを用意し、次の手順で行います。
用意するもの
普段の掃除の延長でできて、かつ身近な道具を使った詰まり解消方法を紹介してきましたが、さらに効果的なのは詰まり除去に特化した専用道具を使うことです。
家庭で使える道具には主に以下のものがあります。
これらの道具が一つあると、万が一詰まった時でもあわてずに済みます。
購入先はホームセンターの他、インターネットでも扱っているので手軽に入手できます。
気になる費用相場はメーカーにもよるため価格帯に幅がありますが、ここでは販売数の多いものをピックアップしその平均をまとめました。
道具名 | 平均価格帯 |
---|---|
ラバーカップ | 1,000円 |
真空式パイプクリーナー | 3,000円~5,000円 |
ワイヤーブラシ | 3,000円~6,000円 |
家庭用高圧洗浄機 | 15,000円~100,000円 |
この金額はあくまでも平均値のため、実際にはさらに安価な商品も数多くあります。しかし安いものはやはり壊れやすい傾向があり、平均的な金額の方が作りはしっかりしているので壊れにくいです。
また高圧洗浄機について少し説明をすると、今回紹介した家庭用高圧洗浄機と水道業者の高圧洗浄機は大きく違います。
パワーの違いと思われがちですが、そうではなく使用方法が違うのです。
良くある家庭用高圧洗浄機はガンタイプ(銃タイプ)で、銃口部分から直線的に水を噴射するのに対し、水道業者の高圧洗浄機はワイヤー上になっていて放射状に噴射します。
家庭用高圧洗浄機は便器内の排水口付近に詰まっている場合のみ効果がありますが、便器内の奥の詰まりやその先の排水管で詰まっている場合には効果がありません。
一方、水道業者の高圧洗浄機はワイヤー形状なので排水管の曲がりがあってもどんどん中に入っていき、詰まってる物体に直接噴射できるという違いがあります。
高圧洗浄機は使い方を間違えたり制御できなかったりすると、トイレ内を水浸しにするリスクもあるので、実際に使用するよりも情報として留めておく位が良いでしょう。
今回紹介した方法は、日常の掃除にプラスして行なうことで詰まりの予防ができ、軽度の詰まりであれば、道具がなくても身近なものを使って解消できるというものです。
しかし次のような状況では、専門業者の力が必要です。
排水管にプラスティックや金属などの固形物を誤って流してしまったという話は、比較的によく耳にする失敗談ですね。
落としてしまった時に、手を伸ばしても届かない、目に見えない場所に落ちてしまったという時は、あえて手を加えないようにしましょう。
無理に作業して失敗すると、詰まりが悪化する危険性もあります。
地中に埋まっている排水管は水回りの器具の中で耐用年数が長い方でしょう。
ただし、台所や洗面所の扉内にある排水パイプは、寿命が近づくとパイプ本体だけでなく、接続に使われているパッキンなどの部品も劣化してきます。
さらに使用年数の長いパイプほど内部の汚れが沈着していたり、鉄管であれば錆びてもろくなっていたりすることがあります。
自己判断でワイヤーブラシを使って傷つけてしまうと、水漏れの原因にもなるので、そのような時はプロの技術に任せることがおすすめです。
いつも小まめにお手入れしているにも関わらず、頻繁に詰まるようになった場合もまた、水道業者に相談するタイミングです。
詰まりの原因になっているのが物の場合、一般の人に取り除けるのは軽度の詰まり量か、目に見える場所に限ります。
しかし、目の届かないパイプの深い部分も同様に汚れは溜まっています。
このような場所は基本的に目視できず、経験や工具が無いと原因を調べたり予測したりする事は難しいでしょう。
詰まりの原因が分からないときほど、専門業者の的確な判断が求められます。
排水パイプの詰まり予防については、DIYでメンテナンスできる方法がいくつもありますが、給水管が詰まった場合は無理に手を加えず水道業者に依頼することをおすすめします。
その理由は水道水を安全に使うためです。
給水管が排水管と比べて自分で直しにくいのは以下の要因が挙げられます。
排水管の場合はパイプの内部を掃除すれば解決できることが多いですが、給水管の場合は水がきれいな状態で使えなければなりません。
そのためにも、給水管が詰まった時は専門知識に基づいた修理方法が必要になる為、業者に依頼した方が良いです。
水道工事を専門業者に依頼する場合、費用が気になる人は数多くいます。
確かに今では専用の道具も市販されているので、作業方法さえ知っていれば自分で直してしまう事もできる場合があります。
しかしパイプの詰まりは放置したままで自然に直ることはほとんどありません。
それどころか、よりひどくなって水漏れや管の破損を起こしてしまう危険性もあり、そうなると余計に費用がかかってしまいます。
パイプ詰まりで業者が行う主な作業内容とその料金相場をまとめました。
修理工法 | 作業内容詳細 | 料金相場 |
---|---|---|
基本の作業 | 管の内部にこびりついた汚れを業務用の薬剤を使って溶かす、専用の道具は使用しない | 5,000円~8,000円 |
ローポンプ | ローポンプという業務用ポンプを使って詰まりを吸引して除去する | 10,000円~20,000円 |
トーラー | ワイヤーの先端に洗浄ブラシのついた業務用専用器具で管内部にこびりついた詰まりを粉砕する | 15,000円~30,000円 |
高圧洗浄機 | 業務仕様の出力の大きい高圧洗浄機を使い、高水圧の水を放射状に噴射して詰まりを取る | 20,000円~50,000円 |
なお、次の場合には料金加算されるケースもあるので注意しましょう。
また状況に応じて、以下のような別途費用が発生する場合もあります。
依頼の電話をする前に修理費の相場を知っていると、その業者が適正価格なのか判断材料になります。
なお水道工事は実際に進めていく中で修理箇所が見つかると、見積もりの金額より増える場合もあると念頭に置きましょう。
水道工事の専門業者は、広告などをみても大きな違いが少なく、一般消費者の目線ではなかなか良し悪しの見分けがつきにくいです。
少しでも良い業者を見つけるためには、以下のような方法で慎重に探しましょう。
突然の水道トラブルを目にすると慌ててしまいますが、そんな時こそ落ち着いて対処することで水道トラブルの被害と出費を最小限に押さえるために大事な事です。
詰まりが発生したら、まず自分でできる方法を試して一時的に処置をします。
その間に業者の比較や検討を行っておくと、より早く解決できます。
パイプの詰まりの原因は、給水管と排水管、さらに使う場所によって詰まる物質の性質が異なります。
そのため、詰まり解消のやり方も場所によって適切な方法がそれぞれあります。
ただ排水管の詰まり対策には、日常の掃除の時にひと手間加えることによって予防ができます。
そして、身近な道具を使ってできるため、余計な出費もかさみません。さらに、いざという時のために専用道具を一つ持っているとより安心です。
しかし、水に溶けないものを流した場合、パイプの使用年数が長い場合や詰まりが頻繁に起きる場合には専門業者の力が必要です。
適切な修理方法を施さない限り、改善は難しいでしょう。
気になる費用は簡単な作業であれば1万円程度から可能ですが、相場を知って見積もりをとり、慎重に比較検討して優良な業者を見つけましょう。