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トイレで使われてる「フラッシュバルブ」という部品に聞き覚えがないという方も多いのではないでしょうか。
しかし、多くの方がトイレに設置されてるフラッシュバルブという物を一度は目にしたことがあると思います。
今回、フラッシュバルブの故障した際の不具合のケース、修理や交換方法、水道業者に依頼した場合の費用相場の目安について紹介をしていきます。
ぜひ最後までご覧くださいね。
目次
フラッシュバルブはトイレにある器具なので、まずトイレの種類を見ていきたいと思います。
大便器 | 小便器 | |
---|---|---|
和式 | 洋式 | |
●墨付きタンクトイレ | ●ロータンク式トイレ | ●フラッシュバルブタイプ |
●フラッシュバルブタイプ |
●平付きタンク式 | |
●墨付きタンク式 | ||
●タンクレストイレ →リモコン洗浄タイプ →フラッシュバルブタイプ |
このように和式、洋式、小便器問わずフラッシュバルブはいろいろな形状の便器に使用されています。
ただ、ご家庭で使われるトイレ全体の設置数でみるとフラッシュバルブタイプの設置数は少ない方でしょう。
なぜ少ないのかというと設置環境や設置場所に特徴があるからです。
最初に、フラッシュバルブはどのような部品で、どのような場所に設置されているのか、どのような種類があるのか等をご紹介していきます。
トイレに設置されてるフラッシュバルブは、簡単に言うとトイレに水を流す為の装置です。
代表的な物は小便器の上の部分や洋式トイレの後ろ部分に付いているボタンやレバーと言えば分かりやすいでしょうか?
他にも和式便器やタンクレストイレ等でも使われているでしょう。
フラッシュバルブはどのような場所のトイレに設置されている事が多いのか、設置されている場所や施設などをご紹介します。
商業施設はデパートや遊園地など、行政機関は市役所・区役所や運転免許試験場等になります。
また、どの施設でも小便器の場合はそのほとんどがフラッシュバルブタイプです。
以上のような場所に設置されている事が多いフラッシュバルブ付きトイレですが、必ず設置されているという訳でなく、古い建物に設置されていることが多いでしょう。
近年では上記の設置場所でもタンクレスのリモコン洗浄タイプのトイレ(TOTOネオレスト、LIXILサティス、パナソニック アラウーノ等)も増えてきていますね。
このようにフラッシュバルブタイプのトイレは家の外でトイレを使用する時に見かけることが多いでしょう。
フラッシュバルブは大きく分けると以下の3つのタイプに分けられます。
レバータイプ | ボタンタイプ | センタータイプ (人感センサー) |
---|---|---|
レバーを動かして水を流す | ボタンを押して水を流す | 手をかざしたり、人が離れたりする事によってセンサーが感知して水を流す |
主に和式、洋式トイレに使用されてる。 | 小便器、洋式トイレで使用されてる。 | 小便器、洋式トイレで使用されてる。 |
水の流し方に違いがあっても、どのタイプも汚水、汚物を水で流すというのは同じですね。
ロータンク式のトイレはレバーをひねってタンク内の水を流すのに対して、フラッシュバルブ式のトイレは、給水管から直接水を便器に水を流します。
給水管から水を直接流す為、タンク式より水圧が強いのでフラッシュバルブ式は水の勢いが強いということが大きな特徴の一つとなっています。
フラッシュバルブはどのような仕組みで水が出て、止まるのか知っておきましょう。
フラッシュバルブは、レバーやボタンを押すことにより、中にあるピストンバルブが上に上がって、給水管から水が便器に流れて行きます。
ピストンバルブにはストレーナーというゴミ受けがあり、そこを通った水がピストンバルブ上部に溜まって行き、ピストンバルブが水によって押し下げられることで自動的に止まる仕組みとなっています。
また、水の勢いは止水栓で調整でき、基本的に流した際に水が跳ねないように調整されてます。
特に小便器フラッシュバルブは水の勢いが強いと上から下に流れる構造の兼合いでかなり跳ねてしまう為、弱めに設定されているでしょう。
では、フラッシュバルブで起きる不具合にはどのようなものがあるのでしょうか。
代表的なものをご紹介します。
故障やトラブルの症状 | 原因 |
---|---|
レバー、ボタン付近からの水漏れ | レバー、ボタン部の破損 接続パッキンの劣化 ピストンバルブの故障 |
トイレの水が止まらなくなる | ピストンバルブの故障 |
流した時の水圧が弱い、水が出なくなる | ストレーナーの詰まり ピストンバルブの故障 止水栓の故障 |
便器の水圧が強くなる | ピストンバルブの故障 止水栓の故障 |
見ていただいてわかるように、ピストンバルブは上記のどの症状でも不具合の原因の可能性を秘めています。
フラッシュバルブにおいてピストンバルブは心臓部であり、メインの部品であるということを知っておきましょう。
また、ストレーナーはピストンバルブに付いているゴミ受けのフィルターである為、目詰まりを起こすと水圧が弱くなったり、水が出なくったりするなどの症状が現れます。
タンクが必要ないので、圧迫感がなく多少狭いスペースでもトイレを設置する事もできる。
高い水圧を利用して水を流すので排水管内の詰まりが発生しにくい。
また便器内の汚れも落ちやすい。
水を溜める必要が無いので、すぐに何度も水を流す事できます。
その為、不特定多数の人が使う公共のトイレに向いている。
以上のようなメリットがあり、フラッシュバルブは一般家庭よりも、駅や商業施設などの公共のトイレに向いているのです。
また、センサータイプの場合は水を流す時に手で触れなくても良いという衛生面のメリットもあります。
フラッシュバルブのトイレを設置するには一定以上の水圧が必要となります。
また地域の水圧に問題がなくても建物の関係で水圧が弱まる事があり、水圧が弱まるとしっかり流せず詰まりが起こる可能性もある。
高い水圧を利用して水を流すので、基本的には給水管経が25Aなければなりません。
25Aという大きさは、一般家庭の給水管より大きいサイズとなります。ちなみに一般家庭の基本的な給水管の大きさは13(mm)です。
タンクの部品交換と比べてフラッシュバルブの修理は構造が複雑な為、作業難易度が高くなっています。
地域の水圧や給水管の規格など、現地環境の問題で設置の可否があるというのが特徴的です。
また部品構造の複雑さだけでなく、そもそも水道修理というものは水道管が大きくなればなるほど作業が難しくなるものなのです。
尚、小便器に関しては強い水圧が必須でない為、給水管の大きさは問題ないようです。
フラッシュバルブの耐用年数は10年から15年程と言われてます。
これは、台所や洗面所の水栓などと同じで、水回りで水を出したり止めたりする機能のある物は、10年から15年が耐用年数となっていることが多いので参考にしてみてください。
※使ってる設備の状況や使用頻度などによっては変わってくるので
必ずしも耐用年数までトラブルが起こらないとは限りません。
実は洋式便器のフラッシュバルブより和式便器のフラッシュバルブの方が壊れやすいのです。
何故かというと、それには「使い方」が大きく関わってきます。
洋式便器のフラッシュバルブは洋式便器の上にフラッシュバルブのレバーが付いているタイプが多く、立った状態の時に手で操作して流すのに丁度良い高さになっていることが多いですが、和式便器の場合、便器のすぐ近くにフラッシュバルブのレバーがありますね。
しゃがんだ状態なら手で流しやすい位置ではあるのですが、フラッシュバルブのレバーは比較的に固めなことが多く、一度立ってしまうとレバーが低い位置になって足でレバーを操作して流してしまいがちです。
また、不特定多数の人が使う公共トイレに設置されていることが多いので、衛生面の観点も加わり、余計に足でレバーを踏んで流してしまう方が多いようです。
手に比べて足は力も強く、微妙な力加減も難しい為、レバーの接続部に過負荷がかかり、壊れやすくなってしまうのです。
ここでは、修理・交換方法の説明と水道業者を選ぶ基準や費用の目安についてみていきたいと思います。
故障したフラッシュバルブの修理には下記の工具が必要になりますので、事前に用意してから行いましょう。
不具合症状ごとの修理方法を見ていきましょう。
水圧が弱くなったり、水が出なくなったりした場合、まず疑うのがストレーナーの詰まりでしょう。尚、ストレーナーとはゴミ受けの目皿のような製品です。
フラッシュバルブの手前にある止水栓をマイナスドライバーで閉める。
※小便器など止水栓が無い場合は元栓を閉めます。
ウォーターポンププライヤーを使ってカバーを外します。
※フラッシュバルブは金属製の物が多い為、この時にカバーの表面を傷つけない様に注意しましょう。
モンキーレンチで内部のフタを取り外す。
※止水栓を閉めてもフラッシュバルブ内に残り水があるので、そのままフタを外すと漏れ出してきたりします。
フタを外す前にレバー及びボタンを押して配管内の水を逃がしましょう。
フタを外すとピストンバルブが見えるので、ピストンバルブを取り外す。
ピストンバルブのストレーナーを歯ブラシなどでキレイにする。
※網目になっている部分がストレーナーでゴミを受け止める部分です。
ゴミが溜まっていたらキレイに取除きましょう。
ピストンバルブ → 内部フタ → 本体カバーの順で取り付け直しましょう。
ゆっくりと止水栓を開いて、水がちゃんと流れるか、フラッシュバルブ周辺から水漏れしてないかをチェックします。
止水栓で水の勢いを調整する。
※水の勢いは強すぎても弱すぎても使う上で不便ですね。
使った時に水が跳ねたりするほど止水栓を開けたままにしたり、節水の為と弱くし過ぎたりしないように注意して調整しましょう。
※ストレーナーを綺麗にしても、水圧が弱いままや水が出ない場合はピストンバルブの故障が考えられます。
便器の水が止まらなくなった、水圧が強なったなどの場合、ピストンバルブが故障している可能性が高いです。
その場合はピストンバルブを交換してみましょう。
※ピストンバルブの交換方法は上の項目と手順は同じで、ストレーナー清掃の④ピストンバルブを取り出す時に新しい物に交換するだけです。
部品を用意する際は対応する型番をしっかり確認して、メーカーのホームページかネットショップ等で対象のピストンバルブを購入しましょう。
型番はフラッシュバルブに貼ってあるシールや取扱説明書などで調べるか、どうしても分からない場合はメーカーに問合せてみましょう。
TOTOやLIXIL(INAX)など、どこのメーカーかもわからない場合は水道業者に一度見てもらって調べてもらった方が良いでしょう。
レバー付近から水漏れしてきた場合、レバーの破損か接続パッキンの劣化が考えられます。
ここではレバー、及び接続パッキンの交換手順を紹介します。
フラッシュバルブの手前にある止水栓をマイナスドライバーで閉める。
こちらも止水栓がない場合は元栓を閉めてから作業を始めてください。
ウォーターポンププライヤーかモンキーレンチで接続ナットを外す。
止水栓を閉めて接続ナットを外す前にレバーを押して残り水を逃がしてから外すようしましょう。
レバーと接続部品を取り外す。
この時にバネなどの小さな部品がありますので、無くさないように注意しましょう。
新しいレバー、または接続パッキンを取り付ける。
※型番をしっかり確認し、対応してるレバーや接続パッキンを探して購入してください。
特に規格の合わないものだと取付られなかったり、取付けられたとしても水漏れしたりしてしまう可能性があります。
まずは止水栓を少し開いて、レバーの動作と水漏れが直っているか確認しましょう。
問題が無ければ水圧を調整して修理は完了です。
最後に小便器のフラッシュバルブ本体の交換方法を見ていきましょう。
元栓を閉めたら、ボタンを押して水抜きを行ないます。
元栓からフラッシュバルブまでは給水管の距離がある為、しっかり水抜きをしないと、外した際に大量の残り水が出てくる恐れがあります。
下にある接続管のナットを外し、パイプレンチで本体を取り外します。反時計回りに回して外します。
※無理に力を入れて給水管が一緒に回ってしまうと破損させてしまう恐れがあるので、固くて回らない場合は水道業者を呼びましょう。
壁にある給水管の接続部をタオルやマイナスドライバーを使ってキレイにしましょう。
接続部に古いシールテープのカスが残っていると、新しく取り付けた時に水漏れする危険性があります。
新しいフラッシュバルブの接続部にシールテープを巻きます。
シールテープは時計回りで5、6回ほど巻けば大丈夫です。
※巻いてる途中で上手く巻けず外れてしまった場合は、取り外して最初から巻き直しましょう。水分は滑りの元なので、ティッシュペーパーかトイレットペーパーで溝の部分を良く拭いておきましょう(特に巻き直しの時は)
壁の給水管に新しいフラッシュバルブを取り付けます。時計回りに回し締めこんでいきます。
シールテープがしっかり咬んでいると締め込んで行く内に段々重くなってきます。
※軽いままの場合はシールテープがしっかり咬んでいない可能性があるので、取り外してシールテープを巻く所からやり直しましょう。
小便器とフラッシュバルブの間の接続管を取り付けます。
※給水パッキンは新しい物に必ず替えましょう。
取り付けが完了したら、ゆっくり元栓を開いて水漏れや動作確認を忘れずに行なってください。
以上がフラッシュバルブの修理や交換方法となります。
専門工具がないとご自身で行なうのは難しい作業なので、用意したり自分で直したりする事が不安と感じた場合は水道修理のプロに任せたほうが安心でしょう。
水道業者に依頼する場合、どんな業者を選ぶのが良いのでしょうか。
相見積もりを取るにしても、闇雲に業者を探して呼んで見積もりしてもらっていたら時間が勿体ないですよね。
また、選ぶ基準が分からないと悪質な水道業者呼んでしまうかもしれません。
そうならない為にも、業者を選ぶポイントをいくつかご紹介いたします。
まず水道業者を探す際はホームページをしっかりと確認しましょう。
特に見積もりを取る為に業者を呼んで、見積もりに出張費や見積り料などがかかる業者を呼んでしまわないように気をつけましょう。
この辺りの料金はホームページに記載されてる事が多いですが書いていない場合や、書いてあってもわかりにくい表記をしていることもあるようですので、依頼する際に電話で良く確認しましょう。
また、「見積りまでにかかる費用がありますか」と聞いた時に、「状況によります」といった曖昧な返事をする業者は、避けた方が良いかもしれませんね。
依頼をする水道業者を決めたら、まずは見積もりに来てもらいましょう。
その時のスタッフの対応を良く見ておきましょう。
注意したい点はここ!
見積もりを口頭で言って作業内訳を説明してくれない場合は気をつけた方が良いかもしれません。
必ず書面で見積書を作成してもらいましょう!
皆さんの疑問にしっかり受け答えしてくれるかも大事な要素です。
フラッシュバルブのトラブルは、経験の浅い作業員では対応できないこともあるようです。
水道業者を選ぶ際は比較的に営業実績の多い会社を選ぶと良いかもしれません。
修理料金は業者を選ぶ上でとても大事ですよね。相見積りを取って対応や修理費用に納得できる業者に依頼しましょう
次項で見積り費用の目安も紹介しますので、業者を選ぶ上での参考にしてみてください。
修理内容 | 概算の工賃目安 |
---|---|
接続パッキン交換 | 6,000円前後~ |
レバー交換 | 10,000円前後~ |
ストレーナー清掃 | 10,000円前後~ |
ピストンバルブ交換 | 10,000円前後~ |
フラッシュバルブ本体交換 | 20,000円前後~ |
※こちらはレバー、ボタンタイプのフラッシュバルブ修理費用の目安ですが、設備の状況によって変わる可能性があるので事前の見積りでしっかり確認するようにしましょう。
またセンサータイプの場合は様々な種類があり、設置している形式や設置状況によって作業内容が大きく変わることから、ひとくくりにすることは出来ません。
センサータイプの不具合も相見積もりを取って判断するようにしましょう。
フラッシュバルブには様々な種類がある為、フラッシュバルブの本体、及びピストンバルブやレバーなどの部品を常時、在庫として保有している水道業者は多くありません。
なので、水道業者に修理依頼をした場合、早くて数日、遅いと1、2週間後に修理となってしまう事もあるようなので注意しましょう。
トイレのフラッシュバルブの仕組みや設置されている場所、修理方法や業者に依頼した場合の費用目安について解説いたしました。
自分で修理を行う方法もご案内しましたが、ご自身で修理する際は専門工具と部品を準備してから手順をしっかり確認した上で行うようにしましょう。
工具がない場合や作業が不安な場合は、無理をせずに水道業者に依頼することをおすすめします。