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水回りの修理や工事の中でトップクラスに大掛かりなのが「水道管工事」です。
蛇口の交換などの作業とは違って数時間で終わらず費用も大幅に掛かってしまう事が多いでしょう。
今回はそんな水道管工事について給水管工事をメインに工事はどのように行なっていくのか?
水道業者はどこに頼めば良いのか?費用の相場はいくら位なのか?等の疑問を詳しく解説いたしますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
家周りの水道は大きく分けると「上水道」と「下水道」に分けられます。
ちなみに水道料金も内訳は上水道と下水道に分けられています。
上水道はキレイな水を供給しているもので下水道は使用した排水(汚い水)を流すものです。
今回は水道管の種類や耐用年数から給水管の工事内容(全引き直し、一部引き直し)について見て行きましょう。
水道管は上水道と下水道に分かれていますが上水道は更に2種類に分けられます。
それは「給水管」と「給湯管」です。下水道は1種類で「排水管」と呼ばれています。
ではそれぞれの内容を見て行きましょう。
水道管の種類 | 内容 |
---|---|
給水管 | 「水」を通している水道管で水道メーターからそれぞれの水栓やトイレ等に繋がっている。 |
給湯管 | 「お湯」を通している水道管で給湯器からそれぞれの水栓等に繋がっている。 |
排水管 | 「使用済みの水やお湯」を流す為の水道管でそれぞれの水回りから公共の下水管に繋がっている。 |
これは一戸建て・マンション・アパート等の家の形式が違っても基本的に備わっている設備です(瞬間湯沸かし器・バランス釜を使用している家の場合は給湯管が無い場合もあります)
給水管の耐用年数は20~30年と言われています。
しかし水道管は一カ所だけにあるわけではなく元栓の所から家の水周りに配管されてるので箇所や状況によっては10年~20年位で穴が空いたり破損したりすることも稀にあります。
穴が空いたり破損したりした部分は一部引き直しで改善することが出来ます。
ただし場所によっては一部引き直しが出来ないこともありその場合は全体的な引き直しが必要になることもあります。
全引き直しとは「今ある水道管を全て新しい水道管に変える」というものです。
例えば「給水管全引き直し」の場合は既存の給水管を全て新しい給水管に変えるということです。
それに対して一部引き直しとは「破損した部分を新しい給水管に変える」という部分補修ですね。
それでは全引き直しが必要な場合と一部引き直しで対応可能な場合はどこに違いがあるのでしょうか。
主なポイントは作業スペースの有無と設置年数です。
・破損している箇所に作業できるスペースがあり設置年数が20年未満の場合
・破損している箇所に作業できるスペースがない場合
・破損している箇所に作業できるスペースがあっても設置年数が20年以上の場合
給水管は壁中、床下、地中などに埋設されてる事が多いです。
水の漏れている場所が壁中だった場合は壁を開口して作業スペースがあれば給水管の一部引き直しができるでしょう。
ただし壁を開口しても給水管の漏水箇所辺りに作業スペースが無い場合は全体的な引き直しをしないと難しい場合もあります。
また作業スペースがあっても設置年数が20年以上経っている場合は全引き直しをした方が良いです。
20年以上経っていた場合は一カ所直しても他の箇所からも水漏れする危険性が高いからです。
設置場所によって強度の強い所や弱い所はあると思いますが同じ素材の物を同じ年月設置していることに変わりはありません。
一回目の水漏れの時に部分的に一部引き直してもまた漏れてきたら直してと続けていって一回目の時に全引き直ししておけば良かったとなる事もあります。
給水管と給湯管の全引き直しについて「同じ上水道だし同じような物でしょ?」と思われる方もいると思いますが違います。
何が違うのかというと「経路」と「距離」が違いますのでその部分を解説して行きます。
水道メーターから台所、洗面所、浴室、洗濯場、トイレ、外水栓、給湯器まで繋がっている給水管を全て新しく引き直します。
家中の水回りに配管するので距離が長いです。
一般的に給湯器から台所、洗面所、浴室まで繋がっている給湯管を全て新しく引き直します。
※洗濯場が混合水栓の場合は洗濯場へも配管します。
給水管に比べて設置距離が短いです。
給水管は壁中、床下、地中などに埋設されています。
古い給水管を撤去して新しい給水管を設置しようとした場合に大きく壁や床を開口したり外部も大々的に掘り起こさなければなりません。
そうなると費用も工期も大きくかかってしまいます。
なので給水管や給湯管の全引き直しを行う場合は「既存の管は埋設したままにして別系統で新しい管を新設する」という工法が基本的なものになっています。
そうすることで費用も工期も大幅に縮小できるようになっています。
それでは水道管工事の流れを給水管全引き直し工事を例にしてスケジュールや作業の流れなどを見て行きたいと思います。
水道業者を呼んでから給水管全引き直し工事が完了するまでのスケジュール例をご紹介します。
※この時に工事期間や配管経路などの説明があるでしょう
基本的にはこのようなスケジュールになるでしょう。
この時に注意したいのは見積もり金額を言われないまま工事を進めるような水道業者に気をつけましょう。
家の広さや水道メーターからの距離から外壁の素材などの様々な要因で工期の差が出てしまい実際にはケースバイケースとなります。
家の規模によって職人が2人で作業して1~2日間で終わる場合もあれば4日間かかる場合もあります。
給水管全引き直し工事では外壁に穴を開けますが外壁の素材が固く厚い場合(コンクリート等)はそれ以外の素材に比べて時間が掛かる可能性があります。
また作業の時間は朝9時頃から夕方18時位までの日中に行われ夜間に行われることはほとんどないでしょう。
給水管全引き直し工事を行う上での作業項目と作業内容をご紹介します。
知っておくと見積書が読みやすくなります。
ただし項目の書き方は業者によって違うかもしれないので一例として覚えておいてくださいね。
作業項目 | 作業内容 |
---|---|
穿孔(せんこう)作業 | 壁に給水管を通す穴を開ける作業です。イメージとしてはゴルフボール位の大きさの穴を開けます。 |
穴掘り、穴埋め作業 | 土の部分に穴を掘ったり埋めたりする作業です。 |
斫り(はつり)作業 | 地面のコンクリートを壊す作業です。作業時はかなり音が出ます。 |
モルタル仕上げ作業 | 斫ったコンクリートの部分をモルタルで仕上げます。雨の日には出来ない作業です。 |
支持固定金具取付作業 | 外壁に沿って給水管を新設する時に所々に付けて給水管を支持固定する金具の取り付け作業です。 |
保温材・キャンパス作業 | 外壁に沿って新設した給水管を覆うように保温材・キャンパスを取り付ける作業です。給水管や給湯管の保護・凍結防止の効果があります。 |
モール・リフォームダクト作業 | 室内に露出している給水管等を目立たせないように被せるカバーです。 |
床、天井点検口新設作業 | 室内に給水管を新設する際に床下や天井裏を通す為の点検口を設けます。 |
メーターシモク切替作業 | メーターシモクは水道メーターと給水管の接続部材でその切り替えを行います。 |
各所止水栓or水栓脱着作業 | 古い給水管から新し給水管に切り替える為に各所の止水栓や水栓の脱着作業を行います。 |
給水管新設作業 | 新しい給水管を新設して行きます。近年ではポリブデン管かHIVP管のものが多いです。 |
コーキング仕上げ作業 | 外壁に開けた穴に給水管を通した後に隙間を埋める為に使用したりします。 |
一般家庭の給水管の大きさは口径13mmや20mmが主流になっています。
メーターから水栓に近づいて行くほど口径は小さくなります。各水回りの水栓付近はほとんどが13mmの給水管です。
給水管全引き直し工事の作業例をご紹介します。
全ての工事がこの流れになる訳ではありませんので一例として捉えてくださいね。
※は必要に応じで行う作業ですので家の状況や工事内容よっては行わない場合があります。
現場の状況によっては順番が入れ替わったり違う工程が出てくる場合もありますので見積もりの際にしっかり説明を聞きましょう。
水道管の工事をDIYで行うことは出来ません。
理由としては専門の工具や知識・資格が必要になるからです。なので水道業者に依頼をすることになると思います。
給水管の工事は指定給水装置工事事業者でないと行なう事が出来ません。
給水装置工事主任技術者の資格を有し水道局の基準を満たしてると認定された水道工事業者となり、これがいわゆる「水道局指定工事店」というものです。
お住まいの地域ごとに各地域管轄の水道局に登録が必要となります。
水道局のHPなどで確認ができますので依頼する前にチェックしてみましょう。
自分の住んでいる地域の水道局の指定工事店であるかどうかが重要です。
ホームページや電話問い合わせの際に忘れずに確認しましょう。
水道局指定工事店であっても施工事例が少なかったりすると不安な部分があるでしょう。
ホームページやネットの口コミでも確認してみるのも良いですがまずは電話で聞いてみるのが良いでしょう。
水道管の引き直し工事は安くても数十万円は掛かるケースが多いですがその中で少しでも安く抑えたいと思う方が多いでしょう。
しかし見積り時の作業員の対応や説明が丁寧で皆さんにも分かり易く話してくれるかは重要なポイントとなります。
給水管工事は金額の大きい工事ですので1社で即決せず2~3社は相見積もりを取る事をおすすめします。
ただし見積もり最安値のところに決めるのが必ずベストであるとは限りません。
見積もりは最安値で無かったとしても皆さんが任せたいと思う説明や対応をしてくれる業者に依頼するのが良いでしょう。
給水管工事は家の壁に穴を開けたり地面を壊したりする工事ですので安心して任せられる水道業者に任せたいですよね。
給水管工事は家の環境によって費用が大きく変わりますので台所水栓水漏れ修理の費用相場やトイレ詰まり修理の費用相場と比べて金額の幅は広くなります。
ただし全く料金の想像が出来ないという方には一つの目安にはなると思いますしそのような方は意外と多いと思います。
それでは給水管一部引き直し工事と給水管全引き直し工事の概算の費用相場を見て行きましょう。
工事内容 | 環 境 | 概算の費用相場 |
---|---|---|
給水管一部引き直し | 露出部、保温材・キャンパス取付有り | 20,000円~40,000円 |
天井・壁開口有り | 50,000円~80,000円 | |
給水管全引き直し | 一戸建て | 300,000円~500,000円 |
マンション・アパート | 200,000円~400,000円 |
先述したように配管距離が長かったり掘削や斫り箇所が多い、高所での作業が必要などの場合もあって概算の費用相場以上の金額になってしまう事もあり得ますので水管全引き直し工事は相見積りが重要です。
他には給水管全引き直し工事のタイミングで調子が悪くて年月が経っている蛇口も一緒に交換するという方もいます。
何十万円も出して給水管の全引き直し工事をしたのに数日後に蛇口から水漏れがしたら嫌ですよね。
「当分は水のトラブルが起きてほしくないのに」と思うはずです。
このような心境もあり一緒に蛇口を変える方も多いようです。
水道工事後は全ての水回りを流してみて異変が無いかを確認しましょう。
基本的には水道業者が説明してくれながら各所の通水確認をしますがご自身でもしっかりとチェックしましょう。
特に水道メーターを見て使ってない時はちゃんと止まってるか?その他の場所も自分の目視による確認は大切です。
施工の不備を見つけたらその場で改善してもらいましょう(特に仕上げたモルタルに足跡が付いていたり水栓が斜めに付いていたりした場合など)また後日であっても何か不備や気になる所を見つけたら必ずすぐに工事した水道業者に連絡しましょう。
水道管が一部引き直しで対応できる場合と全体的に引き直し工事が必要となる判断ポイントは破損している箇所が判明していて作業ができる状態かどうかと設置年数が20年以上経っているか等です。
特に古くなった水道管の一部修繕ができたとしても他の箇所からすぐ水漏れが起こるリスクがある事を忘れてはいけないでしょう。
また水道管工事は資格が必要であるのでDIYで行うことはできませんのでお住まいの地域の水道局指定工事店の業者に依頼するようにしましょう。
水道管の水漏れと言う事で焦ってしまう状況ではありますが2~3社は相見積もりを取って作業員の対応や見積り等を見ながら依頼するか判断しましょう。
そして水道管の水漏れを発見しましたら専門の水道業者までお気軽にご相談ください。