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家の中で使われている排水溝がつまりを起こした場合、業者を呼ぶ前に自分で修理をすることもできます。
ただしつまりが起きた場所によっては、自分で直せるときと直せない場合があります。
そのため、混同しやすい排水口と排水溝や、排水管と下水管の違いについて知っておきましょう。
また、台所や浴室、洗面所のつまりを修理するための道具について便利なアイテムを紹介します。
今回はつまりに関する以下の疑問を持つ方にぴったりの内容になっています。
ラバーカップやパイプクリーナー(真空式)はホームセンターやネット通販で購入出来ます。
一つ家庭に備えておくと便利なので参考にしてみてください。
目次
皆さんのお宅の排水口はちゃんと流れていますか?
なんて事になっていませんか?
放っておくとどんどん状況は悪化してしまいます。
なんて事もあります。
住宅には台所、浴室、洗面所、洗濯場、トイレ、その他屋外の排水口や排水溝など、家の中や外には様々な排水口や排水溝があります。
実際に詰まりは排水口や排水溝で詰まったり、排水管内や下水管内で詰まったりします。
排水口は各所水回り、台所シンクや洗面ボウル等の排水口、浴室洗い場や浴槽内の排水口、洗濯排水ホースの差込口等を指します。
排水口 |
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各所水回り |
台所シンク |
洗面ボウル |
浴室洗い場 |
浴槽内 |
洗濯排水ホースの差込口 |
排水溝は台所などで見られる「ワントラップ」と呼ばれる排水口で、中を覗くとドーナツ型に水が溜まっている部のことを指します。
尚、ワントラップの「ワン」は「1」ではなく「お椀」のことで、お椀を逆さまにしてかぶせた構造のトラップです。
又はタイル地の浴槽で銀色の横な長い蓋が付き、蓋を取ると水が流れる溝が切ってある部分、又屋外で檻の様な鉄柵の蓋がしてある溝を排水溝と呼びます。
排水溝 |
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台所シンクのワントラップ (中を覗くとドーナツ型に水が溜まっている部分) |
浴槽の、銀色の横な長い蓋が付き、蓋を取ると水が流れる溝が切ってある部分 |
屋外で檻の様な鉄柵の蓋がしてある溝 |
通常この排水口や排水溝に水が溜まり、流れなくなり詰まってしまった事に気が付きます。
排水管は台所の収納扉を開けると見える蛇腹ホースや、排水トラップパイプ、洗面所の収納扉を開けると見えるS字型のトラップパイプ等を指します。
排水管 |
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台所 収納扉内の蛇腹ホース |
排水トラップパイプ |
洗面所 収納扉内のS字型のトラップパイプ |
下水管は上記の排水管が接続する床下や壁中の管を指し、この床下、壁中から家の下を通り、土中から本管までの管を下水管と呼びます。
ちなみに「配管」と呼ばれる物は給水管の事で、給水本管より各家庭のメーター部まで水を配る管を指します。
屋内の排水は、台所、浴室、洗面所、洗濯場等の生活雑排水と、トイレ等の汚水に分けられます。
屋内の排水 | |
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生活雑排水 | 台所 |
浴室 | |
洗面所 | |
洗濯場 | |
汚水 | トイレ等 |
ちなみに下水管を排水管と言っても間違いではありませんが、排水管のことを下水管とは言いません。
こんな時にまず皆さんが、行わなければならない事は状況を把握、確認する事です。
直せない詰まりを無理に直そうとすれば被害が拡大して、とりかえしのつかない状況になってしまうかもしれません。
詰まりの原因が下水管であれば、排水管との接続部より水漏れする場合があります。
ケースが起こりやすいのは、台所と洗面所です。
を確認しましょう。
この時に収納内の蛇腹ホース、排水パイプなどには触らないで下さい。
万が一、蛇腹ホースや排水パイプに触ることによって、下水管との接続部がゆるみ水漏れしてしまう場合があるからです。
排水口の入り口で詰まりが確認出来ても、排水管、下水管の中までは見えません。
しかし、だいたいこの辺りかな? という確認をする事は可能です。
戸建住宅の場合は詰まりの発生した場所の近辺のマスに詰まりがあるのか確認します。
マスは点検口のことで、基本的に各水回りの近辺にあります(トイレはトイレ裏、台所は台所裏等)
例えば、台所が流れなくなっている場合、屋外に出て台所に一番近いマスの蓋を開けます。
マス内に水が溜まっている | 屋外で詰まりが発生 |
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マスに水が溜まっていない | 屋内のどこかで詰まりが発生 |
マス内に水が溜まっていれば屋外で詰まりが発生しています。
マスに水が溜まっていなければ屋内のどこかで詰まっていると考えられます。
集合住宅の場合、基本生活雑排水の管は屋内で合流している場合が多いので、近辺の水回りが流れているのか同じ様に流れていないのかは重要です。
又、集合住宅の場合、屋外のマスで確認することが難しい場合が多いので、屋内のみで確認することになります。
専門業者は詰まり直しの「三種の神器」を持参し、駆けつけてくれるでしょう。
台所の詰まりは油、脂などの固着によるものが多いです。
油、脂は付着し始めは柔らかい状態ですが、年数が経つと固い物体へと変化していきます。
これらが詰まりの原因になる場合が多く、この固着物で細く流れにくくなってしまった下水管に食材ゴミやその他異物が流れ込んでしまうと、さらにそれらが詰まりの原因となってしまいます。
浴室、洗面所の詰まりは毛ゴミに石鹸(ソープ、シャンプー等)に身体の皮脂、口からの排泄物(歯磨き粉、痰等)などの物体が合わさり、詰まりの原因になります。
また洗面所では小さな物(歯間ブラシ、ヘアピン、綿棒等)を排水口に落とし、それがU字トラップ管等で止まりそこに上記の毛ゴミ等の物体が絡まり、詰まりの原因になってしまう場合もあります。
専門の水道業者の場合、まず詰まりの原因、詰まりが発生している場所を調べます。
詰まりの原因や状況、状態によって直す道具を使い分けるからです。
この時に三種の神器を使用します。
専門業者が詰まり直しに使用する三種の神器は・・・
水道業者の「三種の神器」 |
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トーラー(電動又は手動ワイヤー) |
ローポンプ(吸引加圧ポンプ) |
パイプ用洗浄剤 |
となります。
また詰まりが直った後に、さらに管内の異物を除去する目的や管内を清掃する目的で、高圧洗浄機を使用する場合もあります。
高圧の水を使い洗浄する高圧洗浄機も、管内を清掃するものとしては有効な道具になります。
ちなみに台所の詰まりで、固形物化した油・脂が原因の場合は高圧洗浄を使用しないと除去することができません。
私が考えるには「ラバーカップ(すっぽん)」又はホームセンター等で市販されているパイプクリーナー(真空式)、「市販の洗浄液」、そして皆さんの「手」でしょう。
家庭での「三種の神器」 |
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ラバーカップ(すっぽん) or パイプクリーナー(真空式) |
洗浄液 |
自分の手 |
まず詰まりが確実に排水口、排水管であって下水管の詰まりで無い場合は、ラバーカップ(すっぽん)やパイプクリーナー(真空式)を使用してみても良いでしょう。
ワイヤーは逆に管内に挿入したが抜けなくなってしまった事例も、多々あるようです。
ちなみに、ラバーカップ(すっぽん)やパイプクリーナー(真空式)を使用する上で大事なことは、「密閉すること」と「引く時に力を入れること」です。
パイプクリーナー(真空式)もラバーカップも排水口にゴムの部分を付けて密閉することによって、引いた時に詰まりが動き、流れるようになるのです。
排水口とゴムの間に隙間が空いていると、効果は半減します。
特にラバーカップは先端のゴム部の形状が排水口に合っていないと全く意味を成さないので気を付けましょう。
2つ目の洗浄液は、軽度の詰まり以外を直すのはなかなか難しいでしょう。
ドラッグストアなどで購入出来る市販されている洗浄剤は、専門の水道業者が使用する洗浄剤よりは効力が弱く、完全に詰まって流れないような時は逆に使用しない方が良いでしょう。
何故かと言うと、全く流れず水が溜まっている所に洗浄液を入れても、入れた洗浄液がそこに留まるだけで塩素臭だけが空気中に漂い、換気をしていないと気分が悪くなってしまったりするからです。
湯は50度前後の温度がオススメです。
ただし水が溜まっている所では、効果はほとんど期待出来ません。重曹と酢を使う場合は溜まった水を抜いてから行う必要があります。
また重曹を入れ数回繰り返しても改善しない場合や、逆に流れが遅くなってしまう場合は、無理に重曹を使わないで下さい。
3つ目は手です。詰まりは見た目で判断するのがなかなか難しいものです。
その時に最も便利で自由に自分の言うことを聞いてくれる道具は手です。
台所や洗面所の詰まりには、以外にも単純なものも多くあります。
よくある例をあげてみると、
台所 | ・排水口の中にキッチンタオルが入っていた ・調味料容器の蓋が排水口の中の口を塞いでいた ・小さなお皿が排水口の中で蓋をしていた |
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洗面所 | ・排水口のヘアキャッチャーに髪の毛が溜まって流れなくなっているだけ ・化粧品の小さな蓋が排水口にはまって流れなくなっているだけ |
など、これらは全て、流れなくなった排水口に手を入れてみれば分かることですね。
詰まりを経験したことのない方であれば慌ててしまい、すぐに業者を呼んで直して貰わなければと考えてしまうのは、仕方のない事でしょうがまずは落ち着いて詰まりの原因を手でも探ってみて下さい。
ただし、くれぐれも素手で行わないようにしましょう。
汚い水に手を入れて確認するのは衛生的にお勧めしません。
必ずゴム手袋を装着して行いましょう。
また浴室の詰まりの場合、手だけで直せるケースもご説明しましょう。
ユニットバス等排水口がトラップになっている場合です。
ユニットバスの排水口の多くはBOX型のトラップになっていて、水を常に溜めておく事によって下水の臭気や虫が屋内に入り込まない様な仕組みになっています。
浴室の詰まりの場合、単純にこの排水口に毛ゴミがごっそり溜まっていて流れないケースも多くあります。
大半は若干回してみると外れるはずです。
排水口の中央にある小さな4つの突起に指をかけて、反時計回りに回転させます。
通常は2~3cm回せばロックが外れ、筒状のトラップを上に持ち上げられます。
固くて回らない場合、手以外のもので無理に回そうとしないで下さい。筒状の排水トラップが破損する恐れもあります。
破損するぐらいならまだ良いのですが、破損せずに排水トラップの土台ごと回ってしまうと階下に漏水しますので、絶対に無理に回さないで下さい。
また、汚れでヌルヌルして滑ってしまう場合も無理をしないようにしましょう。無理をすると指を痛めることがありますのでご注意ください。
これでスッと水が流れ詰まりが直ってしまう場合もあります。
この様に皆さんの三種の神器の一つである手を有効に使い、詰まりを直してみて下さい。
手を使うのは汚い・気持ち悪いなんて言わないで下さいね。
ゴム手袋を用意しておけば済む事ですよ。
なぜ詰まるのか、詰まったらどうやって直すのかをメインに説明してきましたが、詰まらせない為の「予防」も大切なことです。
しっかり予防をしていれば詰まりにくく、詰まっても軽度で済むことがあります。
では、それぞれの場所の予防方法をご紹介して行きます。
台所の主な詰まりは、油・脂が固形物化して、排水口や排水溝、排水管や下水管に堆積することによって起こります。
油・脂は熱で緩みますので、熱いお湯を使った予防方法をご紹介します。
・給湯器の設定温度を60度にします。
・シンクの排水口に手拭いなど長めのタオルなどを入れて栓をします。タオルの端はシンクの外に出しておきましょう。
・お湯を出して、シンクの半分位まで溜めます。
・お湯が溜まったら、端に出してあるタオルを引いて排水口の栓を外し、お湯を流します。
・給湯器の設定温度を60度にします。
・お湯を約5分間流し続けます。
①、②共に大量のお湯を使って油脂の塊りを溶かす、もしくは柔らかくして流すという予防方法です。
どちらの方法でもいいので月に1回くらい行うと効果的です。
また、この予防方法をした後は、給湯器の設定温度を通常温度に戻し忘れないようご注意ください。
浴室の詰まりは、毛ゴミや石鹸(ソープやシャンプー等)、身体の皮脂汚れが合わさって起こります。
ポイントは毛ゴミと石鹸汚れです。
お風呂に入って髪の毛を洗うと、自分が思っている以上に髪の毛は抜けて行くものです。
浴室の目皿掃除は、他の水回りの目皿掃除よりも頻度を上げて行うと良いでしょう。
目皿掃除の目安は2週間に1回位がお勧めです。
※髪の毛は汚れと違って、そうそう溶けるものではありません。
少量であれば市販されている薬品でも溶けると思いますが、まとまった髪の毛を溶かすほどの力はありません。
直接取り除くことが最も効果的な予防です。
石鹸汚れも冷水では固くなり、温水では柔らかくなります。台所の予防方法②と同じ要領で行います。
①、②は内容が違うので、両方行うとより良い予防になります。
洗面所の詰まりは、毛ゴミや石鹸、身体の皮脂汚れ、口からの排泄物(歯磨き粉や痰等)が合わさって起こります。
他には小さな物落とし(歯間ブラシ、ヘアピン、綿棒等)による詰まりもあります。
洗面台はタイプによって目皿が元々付いている物と付いていない物があります。
また、目皿が付いていても目が粗く、小さな物が簡単に通り抜けてしまうような物もあります。
小さな物落としは、目の細かい目皿を設置することで回避できます。
100均などでも購入出来るので、目皿が無い、もしくは目皿が粗い場合は、目の細かい目皿を準備して取り付けましょう。
※浴室の②と同じ
三種の神器の使い方と併せて、台所、浴室、洗面所の予防方法も知っておくと、より詰まりのトラブル回避になります。
専門の水道業者が使用するトーラー、ローポンプ、薬剤又は高圧洗浄目的の高圧洗浄機はプロの三種の神器ですが、皆さんは身近にある三種の神器を使い日頃からゴミ、汚れ、油又は髪の毛等を取り除く努力をして下さい。
そして身近な三種の神器で直せないと判断された時は、専門の水道修理業者に相談してみて下さい。