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止水ハンドルやレバーを閉めているのにも関わらず、水道の蛇口の先端部分からポタポタと水が滴り落ちる。
このような水漏れトラブルにお困りではありませんか?
水漏れトラブルには、本体や接続部分、給水管からの水漏れなど様々なケースがありますが、その中でも蛇口先端部分からのポタポタ水漏れは、最も起こりやすい症状です。
これは水やお湯などの流量や止水を調節する水栓、いわゆるカランに原因があると考えられます。
現在、一般家庭には様々な種類のカランが普及しています。
ハンドルをひねるタイプのもの、レバーを上下に動かすもの、手をかざすとセンサーが反応するタッチレス水栓など、操作方法もさることながら、多機能なものも増えてきました。
どのタイプのカランでも、蛇口からのポタポタ水漏れは起こり得ます。
水漏れは不具合が生じているパーツを交換することで治まるでしょう。
しかし、どれも構造や内臓パーツが異なるため、対象のカランに合った修理方法を習得しておかなければなりません。
そこで今回は、水道の蛇口からポタポタと水漏れするときの直し方についてご紹介します。
問題のパーツの特定方法や交換方法の手順等についてお伝えしますので、水漏れの症状にお困りの方は是非ご参考ください。
目次
カランには用途に応じていくつかの種類があり、全て構造や使用されている部品が異なります。
ご自身が使用しているカランを正しく把握するため、まずは種類と特徴、自己修理の可否についてみていきましょう。
カランには、大きく分けて下記5つの種類があります。
それぞれの特徴について簡単にご説明します。
単水栓とは、1つのハンドルに対して1つの吐水口が付いたタイプのカランです。
外水栓や公園の水飲み場にあるような水栓器具をイメージしてみてください。
このタイプは水またはお湯のどちらか一方しか吐水されないため、現在、一般家庭の水回りで使われることは少なくなってきました。
構造は多数あるカランの中で最もシンプルとなっています。
2ハンドル混合栓とは、2つのハンドルに対して1つの吐水口があるタイプのカランです。
水と湯それぞれのハンドルがあり、ハンドルのひねり具合で吐水量を調節して、吐水温度を調節します。
シングルレバー混合栓が普及したことにより一時下火となっていましたが、ハンドル部分にデザイン性をもたせた製品が出回り、現在は再度注目を集めています。
こちらも単水栓と同じくシンプルな構造となっています。
シングルレバー混合栓とは、レバーハンドルで流量や温度を調節するタイプのカランです。
レバーの上下で吐水量を、左右に動かすと温度を調節できます。
シンプルなデザインと抜群の操作性により、現在はキッチンや洗面所など一般家庭の水回りで最も普及しているカランとなっています。
カラン内部に水と湯の流量を調節するパーツが内蔵されているなど、その構造は単水栓よりもやや複雑です。
サーモスタット式混合栓は、自動温度調節機能が付いたタイプのカランです。
一般的には本体向かって左側に温度調節ハンドル、右側に止水と吐水切り替えハンドルがあり、一定の温度が蛇口やシャワーから吐水されます。
住宅の水回りでは浴室に設置されることが多いタイプとなります。
カラン内部の構造は複雑で、特に温度調節機能に不具合が生じた場合の修理は難しいものとなるでしょう。
タッチレス水栓とはその名の通り、水栓に手を触れることなく止水が出来るタイプのカランです。
多くはカランに赤外線センサーが付いており、手を近づけるとセンサーが反応して水を出すことができます。
手が汚れているときでもカラン自体を汚すことなく操作できるため、機能性はもちろん衛生的にも優れた水栓として注目を集めています。
ご自宅のカランがどの種類かお分かりいただけましたでしょうか。
では次に、水道の蛇口からポタポタと水漏れしたときに自分で修理できるのかについて、下記表をご覧ください。
カランの種類 | 自己修理の可否 |
---|---|
単水栓 | ◎ |
2ハンドル混合栓 | ◎ |
シングルレバー混合栓 | ○ |
サーモスタット式混合栓 | △ |
タッチレス水栓 | × |
単水栓、2ハンドル混合栓、シングルレバー混合栓、サーモスタット式混合栓は、構造の違いにより多少難易度は異なりますが、自己修理可能です。
ただし、タッチレス水栓は自己修理できないでしょう。
タッチレス水栓の場合は急に水が出なくなるといったトラブルが多く報告されますが、その原因は内部にある電磁弁の不具合などが考えられます。
とても機能性が高いものではありますが、構造は非常に繊細で複雑。
素人が誤った方法で修理してしまうとカランそのものの故障につながりかねません。
タッチレス水栓に不具合が生じた場合は、メーカー又は専門の水道業者に修理を依頼することをおすすめします。
単水栓と2ハンドル混合栓の構造はほぼ同じですので、一緒にご説明します。
このタイプの蛇口からポタポタと水漏れするのは、
カランの中にあるコマ(ケレップ)と呼ばれる部品についているパッキンの不具合が原因だと考えられます。
この部品は、ハンドル内にあるスピンドルの下についているものです。
ハンドルを回すとスピンドルが上下して、コマが湯水の流量の調節を行う仕組みとなっています。
ハンドルを完全に閉めるとコマについているパッキンが隙間を塞ぐため、蛇口から水がでることはありません。
しかしゴムが劣化して固くなったり亀裂が生じていたりすると、その部分から水が漏れ、蛇口へと流れ出てしまうのです。
この問題はコマパッキンを交換することで解決可能です。
単水栓と2ハンドル混合栓は上からビス→ハンドル→カバーナット→三角パッキン→パッキン受→スピンドル→コマ(ケレップ)→コマパッキン→ナットの順で構成されています。
蛇口からの水漏れはこの中の、コマパッキンにあると考えられます。
このタイプのカランのパーツには互換性がありますので、お近くのホームセンターにて手に入れられるでしょう。
水回りのパーツを扱うネット通販サイトでも購入可能です。
パッキンだけでも販売されていますが、コマ自体も劣化している恐れがありますので、どちらも交換するとよいでしょう。
水道用ゴム付きケレップやツリコマと記されているものを選びましょう。
パッキンの種類やサイズを間違えないようお気を付けください。
それではパッキンの交換手順についてみていきましょう。
まずは作業に必要な道具について下記をご確認ください。
用意するもの
ハンドルを分解する際、中に溜まっている水が圧によって噴き出すおそれがありますので雑巾等を用意しておくと安心です。
部品を元に戻す際には順番を間違わないように気を付けましょう。
カバーナットをきつく締め過ぎるとハンドルを操作しづらくなりますので、調整してください。
シングルレバー混合栓の蛇口からポタポタと水漏れするのは、カラン内部にあるバルブカートリッジというパーツに不具合が起きているのが原因だと考えられます。
このパーツはシングルレバー混合栓の心臓部といわれるほど重要な役割をもつものです。
2ハンドル混合栓と違い、このタイプのカランは一つのハンドルで水と湯の調節を行います。
バルブカートリッジは、水と湯の流量を調節する役割があるのです。
このパーツの不具合によるトラブルは水漏れだけではありません。
ハンドル操作が固くなったり、ギーギーと異音がしたりすることもあります。
重要な役割をもつ部品ゆえ、摩耗による劣化が起きやすく、耐用年数はおよそ10年程度と言われています。
水漏れを放置しておくと水が止まらなくなる恐れがありますので、早急に修理しましょう。
バルブカートリッジには互換性がありませんので、お使いのカランに合うものを購入する必要があります。
メーカーや品番はカランに貼られているシール、または購入時の取扱説明書をみてご確認ください。
購入先はメーカーの公式HP、水回りのパーツを扱うネットショップ等があります。
カランの種類によってはバルブカートリッジ交換修理時に専用工具が必要になるタイプもありますので、購入時に確認しましょう。
シングルレバー混合栓は、上からハンドル→カートリッジ押さえ→バルブカートリッジ→スパウトの順で構成されています。
バルブカートリッジを交換する場合は、ハンドルを取り外して分解する必要があります。
作業を始める前に、下記の道具を用意しましょう。
先述した通り、カランのタイプによっては専用工具が必要になるものがあります。
専用工具がないと、カートリッジ押さえを外す際に、カウンター下の給水管まで捻じれ、大規模な水漏れが起きてしまうかもしれません。
特に台付き混合栓に必要になる場合が多いため、修理前に専用工具の必要有無について必ず確認してください。
カートリッジ押さえが固着して外しにくくなっている可能性があります。
その場合、無理に回そうとするとカラン自体が傷ついたり給水管に捻じれが生じたりする恐れがあります。
作業を進めるのが難しいと感じたら中断し、水道修理業者に相談しましょう。
サーモスタット式混合栓の蛇口からポタポタと水漏れするのは、カラン内部にある切替弁ユニット(切替開閉バルブ)の不具合が原因だと考えられます。
このパーツは、カランに向かって右側の切替ハンドル(蛇口とシャワーの切り替えや、吐水量の調節を行うハンドル)の中に内蔵されているものです。
切替弁ユニットは、シングルレバー混合栓のバルブカートリッジと同じく、吐水に関する重要な働きをする部品です。
しかしながらこちらも、摩耗によって劣化しやすく、水漏れや止水調節不良の原因となります。
切替弁ユニットには互換性がありませんので、お使いのカランに合うものを購入する必要があります。
メーカーや品番はカランに貼られているシール、または購入時の取扱説明書をみてご確認ください。
購入先はメーカーの公式HP、水回りのパーツを扱うネットショップ等があります。
ただし、使用期間が10年以上経っているものですと製品の生産自体が終了しており、部品を手に入れられない可能性があります。
その場合はカラン自体の交換を検討しましょう。
自動温度調節機能がついているカランを自分で修理できるの?と不安に思われるかもしれませんが、切替ハンドル側の修理であればそれ程難しくありません。
切替ハンドルは外側からハンドル→固定ナット→切替弁ユニットの順で構成されているため、これを分解すればよいだけです。
ただし、風呂場のカランはキッチンや洗面台のカランに比べ石鹸カス等が付着しやすいため、部品が固着している可能性があります。
スムーズに作業できるよう、下記道具を揃えてから取り掛かりましょう。
用意するもの
ウォーターポンププライヤーを使っても切替弁ユニットが引き抜けない場合は、
こちらの手順をお試しください。
一気に引き抜こうとすると抜けた反動で怪我をする恐れがありますので、徐々に力を加えていくようにしましょう。
前項まで、蛇口の水漏れ修理方法についてお伝えしましたが、やむを得ず業者に修理を依頼しなければならない時もあるでしょう。
水道修理に関しては、悪徳業者につかまってしまい必要のないオプションを付けられた、ぼったくりにあってしまったという声も未だ多く聞かれます。
このようなトラルに巻き込まれないためには、ユーザー自身が費用の相場や業者の見極め方に関して正しい知識を持っておかなければなりません。
ここからは、水漏れが起きたとき業者に修理を依頼するときにかかる費用や業者の選び方についてお伝えしていきます。
業者に水漏れ修理を依頼した場合にかかる費用の目安について下記表をご確認ください。
修理内容 | 修理費用の相場(総額) |
---|---|
キッチン蛇口のパッキン・部品交換 | 7,000円~20,000円程度 |
キッチン混合栓本体交換 | 30,000円~60,000円程度 |
洗面台蛇口のパッキン・部品交換 | 7,000円~20,000円程度 |
洗面台混合栓本体交換 | 25,000円~50,000円程度 |
浴室蛇口のパッキン・部品交換 | 7,000円~20,000円程度 |
浴室混合栓本体交換 | 40,000円~60,000円程度 |
一般的に水道修理業者の修理費用は、基本料金+作業料金+部品代+(出張費+時間外料金+見積り料+特殊作業費等)となります。
パッキン交換であれば、基本料金4000円~+作業料金3000円~+部品代数百円=7000円~となるのが通常です。
バルブカートリッジや切替弁ユニットであれば部品代はパッキンよりも高くなりますので、総額はもう少しだけ高くなるでしょう。
カラン自体が故障している、すでに生産終了している製品で代替部品が無い場合は、カランの交換となります。
水栓器具の交換は作業料金が2万5000円程度で、交換用カランの金額によって総額が大きく変わります。
やはり料金が大事になりますが、水道修理に限らずいくつかの業者のから一社を選択するとき、多くの人は何社かを比較して選ぶことでしょう。
それぞれの対応や料金を比較し、最も良さそうなところを選ぶのが通常です。
水道修理業者を選ぶときにもこの方法を行うことが出来ればよいのですが、あまり現実的ではありません。
なぜなら、そのほとんどが現地見積りとなるからです。
水道修理業者の何社かに見積もりを依頼して比較するとなると、それぞれに出向いてもらう必要があるため日を跨ぐ可能性があります。
すぐにでも水漏れを解消してほしい場合、この方法は適切ではないでしょう。
それに、修理費用とは別に、見積り料金と出張料金を別途請求される場合もあり、費用が多くかかってしまう可能性もあります。
そこでおすすめなのが、電話連絡の際におおよその修理費用を聞いてみることです。
ただし、そのためにはユーザー自身が水漏れの状況をしっかりと把握し、正しく伝える必要があります。
これらを伝えると、業者は作業を想定できるため、おおよその費用も把握することができます。
あくまでも費用目安ではありますが、この方法で数社の費用を比較できるでしょう。
ここまで、水道の蛇口からポタポタと水漏れするときの直し方についてお伝えしてきました。
水道の蛇口からポタポタと水が漏れるという症状は、最も多い水漏れの症状です。
水漏れの度合い的には軽度のため、自身で修理できるでしょう。
しかし、カランの種類によって水漏れの原因や自己修理の可否、修理方法は異なります。
まずはお使いのカランがどの種類であるかを確かめることが重要です。
単水栓と2ハンドル混合栓はコマパッキン(ケレップ)、シングルレバー混合栓はバルブカートリッジ、サーモスタット式混合栓は切替弁ユニットの不具合が原因であると考えられます。
交換用部品は互換性のあるものとないものがあります。
いずれの場合もカランに合うタイプのものを探し、購入しましょう。
交換修理ではカランを分解しますので、事前に道具を揃え、手順をよく確認しておきましょう。
カランに無理な力を加えるとカランの損傷や他の部分の水漏れなど二次被害のリスクが高まります。
自身での作業が難しいと感じた場合はすぐに作業を中断し、水道修理業者に相談しましょう。
修理を依頼する際は、一般的な費用相場と照らし合わせることが大切です。
電話連絡の際に現在の状況やカランのメーカー等を分かりやすく伝えると、おおよその修理費用を教えてもらえるでしょう。