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単水栓の場合はシンプルな構造ですが、混合水栓はお湯と水が一つの蛇口で操作できるので、水漏れが起きた時の修理に戸惑いがちです。
しかしコツをつかめば自分でも修理や交換をすることができるので、試してみましょう。
また単水栓にはない混合水栓ならではの、不具合の出方があります。
上記のように様々な不具合が出たら、部品の寿命や本体の寿命がきているかもしれません。
一般的なシングルレバー混合水栓と、サーモスタット混合水栓の修理方法について記載しました。
注意点を踏まえて交換を行ってみましょう。
無理だと判断した時は、水道業者を頼ってください。
目次
「台所や洗面所はシングルレバー混合水栓」
「浴室はサーモスタット混合水栓」
最近のお宅の水道はこんな光景が当たり前のようになってきました。
以前は2つのハンドルをグルグル回して出したり、止めたり 。
温度の微妙な調整も面倒でしたね。
しかし、今のようにシングルレバー混合水栓やサーモスタット混合水栓になって、ちょっと熱くしたい、ちょっとだけ冷たい水を出したい、なんて事が手元ですぐに出来てしまい、とても便利になりました。
しかし、その反面、
「今までの蛇口は自分でパッキン交換が出来たのに・・今の蛇口はどうやってパッキン交換をするの?」
「使うのは便利になったけど、前みたいに自分で直せないの?」
「そんなに難しい構造になってしまったの?」
皆さんのこんな声が多くなったのも確かです。
まず、台所や洗面所で多く見られるシングルレバー混合水栓。
新しいと思われがちですが、最初に出始めてからもう約50年の歴史になります。
以前はレバーを下げて吐水するタイプが主でしたが、1995年の起きた関西の震災を境に下げ吐水のシングルレバー混合水栓は今の上げ吐水タイプに代わって行きました。
主な理由として、レバーを下げて出す下げ吐水は、「落ちてきた物がレバーにぶつかると水が止まらなくなる」ということがあるからです。
この二次被害が関西の震災の時に頻発してしまったので、そのようなリスク回避も含めて今の上げ吐水となっているのです。
皆さんもよくご存知の通り、基本、レバーを上げると湯水が吐水され、下げると止水し、右に動かすと水に、左に動かすとお湯になります。
この出し止め、湯水切替を全て行なっているのが「カートリッジ」と言われる部品です。
次に、浴室で多く見られるサーモスタット混合水栓。
実はこちらも歴史は古く、元は商業施設(ホテル等)で見られましたが、約40年前頃には一般のご家庭にも普及して来ました。
水栓のタイプは色々ありますが、基本、横又は前方についたハンドルで「シャワー」と「カラン」に切替える事によって同時に開閉も機能し、湯水がシャワーもしくはカランより吐水されます。
この機能を全て行なっているのが「切替開閉バルブ」です。
この切替開閉バルブは樹脂製のものと金属製のものがあり、本体部に挿入されていてハンドル部と接続され、ハンドルを前後もしくは左右に動かす事によって切替開閉が行われます。
また、もう一方のハンドルは温度調節機能(これがサーモスタット)になっていて吐水される湯水を一定に調節する機能になっています。
現在は、給湯温度を給湯器のリモコンで設定する家が多いと思います。
そして、サーモスタット水栓の温度調整部には温度の表記があり、どの水栓でも40℃以上出せるようになっています。
ここで注意していただきたいのは、「給湯器の設定温度以上のお湯は、水栓からは出ない」ということです。
例えば給湯器の設定温度が40℃の場合、サーモスタット水栓の温度調節部を42℃の所にしても40℃のお湯しか出ません。
42℃のお湯を出す為には、給湯器の設定温度を42℃以上にしてからサーモスタット水栓の温度調節部を42℃にする必要があります。
この点を知らないと、「蛇口の温度が上がらない、故障した?」と勘違いしたり、蛇口の交換をした場合、「温度が上がらないから不良品だ!」と誤った判断をしたりする恐れがありますので、気を付けましょう。
これはほぼカートリッジ不良が原因です。
これはほぼ切替開閉バルブの不良です。
レバーを上げても、又、バルブをシャワーにしてもカランにしても水が出ない。(吐水しない)
※電気温水器を使用している場合、まれに減圧弁不良により湯水が出ない場合もあります。
通常この時はレバーハンドルやバルブハンドルの動きも固くて動きづらくなります。これも、カートリッジ不良にて起こる場合がほとんどです。
これらもほぼ原因はカートリッジ又は切替開閉バルブの不良です。
※以上、2の水が出ない、3の異音は、水漏れではありませんが、原因の大半はカートリッジや切替開閉バルブの不良によるものです。
※シングルレバーカートリッジはその蛇口によって合うものが決まっています。(切替開閉バルブも同様です)色々種類がありますが、必ず使用している蛇口の品番を調べて、適合する部品を取り付けて下さい。同じメーカーでも複数の種類があるので、間違えないように気を付けましょう。
似てるから大丈夫だろうと簡単に考えて取付てしまうと、後で大変な漏水になるかもしれませんので、くれぐれもご注意下さい。
止水栓や元栓を閉めた後はレバーを動かし、水がしっかり止まっていることを確認して下さい。
また、水が止まり切っていない状態では作業を進めないでください。
「止まり切っていないけど少量だから問題ないだろう」と楽観的に作業を進めてしまうと、交換出来ず、元にも戻せず、悲惨な結果になります。
少量であっても水が出たままでは、交換作業は出来ないと思っておいてください。
レバーハンドルはネジ止め式とはめ込み式があります。
はめ込み式の場合はネジ接続していないので上に引き上げると外れますが、無理はせずにゆっくり外して下さい。
恐いのははめ込み式とネジ止め式を間違ってしまった場合です。ネジ止め式なのにはめ込み式と思い、力任せに引っ張って結局蛇口を壊してしまう、とならないように気を付けてください。
台付ワンホールシングルレバー混合水栓の場合、本体を必ず固定しながら行なって下さい。本体ごと回ってしまうと台下の給水、給湯管がねじれて外れたり、切れたりして大変な漏水を起こしてしまいます。
一部、 TOTOやKVKなどのメーカーは専用の固定具を用意しています。
専用の工具が使えない時、プライヤーやパイプレンチなどを使うと蛇口に傷がつきますのでご注意下さい。
また、傷をつけないように作業するゴムを使った工具もあります。
ただし、絶対に無理はしないでください。
特に集合住宅の方は、下のお部屋にも被害がいきますのでくれぐれもご注意下さい。
無理な場合は専門の水道業者に相談して下さい。
※カートリッジを取り付ける時の為に向きなどを確認しておいて下さい。
新しいカートリッジを交換したら、後は「元に戻すだけ」ですが、意外とあれはどうだったっけ、これはどうだったっけとなることがあります。
なので都度、スマホで写真を撮っておくことをおススメします。
頭で覚えておこうと思っても、作業をしているとつい忘れてしまうものです。
そんな時に写真があれば、どのような状態だったかがすぐわかります。
バルブはネジ止め式とはめ込み式があります。
取り外したネジが排水口に落ちて行かない様に注意しましょう。
モンキーレンチ又は、モーターレンチで外して下さい。
ガイドは固くて回らない場合があります。壁付き水栓の場合、そのまま無理に力を入れて行うと、壁中の給水、給湯管を破損してしまうことがあるかもしれません。固くて外れないような時は、偏心管はそのまま残して本体のみを外し、作業を行なって下さい。
また、本体のみを外す場合は接続の偏心管パッキンも新しい物に交換しましょう。
古いパッキンの使用は水漏れリスクを各段に高めますのでご注意ください。
表示に合わせて向きを確認しながら取付て下さい。ネジ止めする前に正常に動くか確認します。最後にネジ止めして下さい。
この様な場合や部品を交換しても直らない場合、くれぐれも無理をせずに、専門の水道業者にご相談下さい。
水漏れ修理は早期修理であればあるほど、部品交換で直る可能性が高くなります。
水漏れの症状が軽度だからといって放置し、症状が酷くなってから部品交換をしようとすると、部品交換で済まないこともあります。