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お風呂のシャワーの水圧が弱い、キッチンの水道がちょろちょろしか出ない等、水圧が弱くなった場合はとても使いにくくストレスがかかりますね。この水圧が弱くなるというトラブルが何故起こるのかと言うと原因は一つではなく、様々な原因が考えられます。今回は水圧が弱くなった時に考えられる原因や改善方法について、詳しく解説して行きます。水圧が弱くなって困っている方はもちろんのこと、特に水圧は弱くなっていないという方でも、この水圧低下という不具合はどの家庭でも起こる可能性のあるトラブルなのでぜひ参考にしてみてください。
目次
水圧が弱いという状態には元々水圧が弱いという状態と以前より徐々に、又は急に水圧が弱くなったという状態があります。
ではこの2つは何が違うのかを見て行きましょう。
元々水圧が弱いという状態は、住んだ時からずっと水圧が弱いということになります。
この状態のポイントは以下の2点が考えられます。
浄水場から供給される水道管の水圧は、地上3階位の高さが限度となります。
重力が働いているので高くなればなるほど水圧は弱くなります。
4階以上のマンションなどは給水ポンプを使って水圧を確保していますが、
3階建ての場合は給水ポンプを使わないケースもあり、水圧が弱くなることもあります。
また、高台にある様な住宅は家の位置が高くなるので、水圧が弱くなることもあります。
他にも地域自体の水圧が低い場合もあります。
このように立地や環境によって水圧が低くなっている場合は簡単に水圧を強くすることはできません、改善には給水ポンプの新設か増設が必要になるでしょう。
新築に住んだのに水圧が弱かったら愕然としますよね。
ただし、新築の住宅の場合は簡単な方法で改善できるかもしれません。
新築の水圧が低い場合はメーターバルブが絞られている可能性があります。
メーターバルブは元栓とも言い、水道メーターの横に設置されているバルブのことを言います。
本来、メーターバルブは常時全開にしますが、工事作業員の感覚で「水圧が強い」「水を使用する時に跳ねてしまう」などと感じた場合はメーターバルブを絞っていることがあります。
徐々に、又は急に水圧が弱くなったという状態ですが、水回りのトラブルとしてはこのケースの方が圧倒的に多いので、ここからは水圧が弱くなったケースに付いて詳しく解説して行きます。
水圧が弱くなる原因には数多くのものがありますので、まずはどのような原因があるのかを見て行きましょう。
またどの住宅で起こる可能性があるのかも見て行きましょう。
古い住宅では鉄製の給水管(鉄管)を使っていることがあります。
鉄管は経年の劣化でサビが発生しやすくなり、そのサビが大きくなると水の通り道を狭めます。
給水管内が狭くなることによって流量が少なくなり、水圧が弱くなります。
給水管内を目視することはないのでイメージしにくいかもしれませんが、酷い場合は給水管の口径の半分位の大きなサビとなります。
家全体の水圧が弱くなっている時は、メーターバルブ(元栓)が全開になっていないことも理由の一つとして考えられます。
ただし、メーターバルブは普段触る場所では無いので、直近で水道修理を行っていた場合は可能性が高くなります。
またキッチンだけ、洗面所だけという様に1ヶ所だけの水圧が弱くなっている場合は止水栓が全開になっていない可能性があります。
蛇口、トイレタンク、シャワーヘッドにはストレーナーが付いているタイプもあります。ストレーナーとはゴミ受けのことで、金属の目皿でゴミを受ける為の部品です。
ストレーナーに溜まるゴミのほとんどが小さなサビで、サビがストレーナーに溜まると水の通りが悪くなるので水圧は弱くなります。
ちなみに給水管が塩ビ管でも、止水栓や接続管、化粧管等、所々で金属部品を使っているので、年数が経っている場合はこの症状が起こることもあります。
場所限定で水圧が弱くなる場合、蛇口やトイレタンクの内部部品が故障して起こることもあります。
蛇口で言えばカートリッジ、開閉バルブ、トイレタンクで言えばボールタップ、ダイヤフラム等の部品が故障する、もしくは故障しかけていると水の出が弱くなることもあります。
給湯器も本体内部部品が故障すると水圧が弱くなったり不安定になったりします。
水の出が弱くなると流量を感知できず、お湯にならないというトラブルが併発することもあります。
このような給湯器内部部品の故障の改善は、給湯器本体の交換になることが多いようです。
補足として、給湯器はある程度の流量が無いとセンサーが感知しない為、壊れていなくても少ない水量ではお湯になりません。
給湯器は容量に応じて号数が決まっていて、号数には16号、20号、24号などがあります。
号数とは「1分間に水温+25℃のお湯を出す事のできる湯量」のことを指し、16号であれば1分間に16ℓ、20号であれば20ℓのお湯が出せるということになります、号数=容量ということですね。
一般的に推奨されているのは単身世帯が16号、夫婦2人世帯であれば20号、家族3、4人以上の世帯になると24号とされています。
戸建て住宅で井戸ポンプを使用している場合は、井戸ポンプに不具合が起きると水圧が弱くなることもあります。
井戸ポンプの不具合も内部部品の故障によって起こることが多く、給湯器同様、改善にはポンプ本体の交換になることが多いようです。
尚、井戸ポンプの耐用年数は10年~15年ほどと言われています。
また地域によっては井戸枯れを起こして水が汲み出せない現象が起こる事もあるようです。
給水ポンプはマンションやアパート等の集合住宅に設置されている給水装置で、主に3階以上の高さがある建物で使われています。
給水ポンプには以下の3種類があります。
それぞれどのような特徴、違いがあるのかを見て行きましょう。
揚水ポンプは地上にある受水槽から屋上にある高架水槽まで水を運ぶためのポンプです。
屋上の高架水槽に溜まった水は重力を利用して各家庭の蛇口まで届けられます。
この給水方式は重力を利用している為、ポンプの不具合で水圧が弱くなることはありません。
ポンプが故障して停止した場合は、高架水槽に溜まっている分が無くなるまでは水が使え、無くなったら完全に水が出なくなります。
加圧ポンプは地上にある受水槽から各家庭の蛇口まで水を運ぶためのポンプです。
ポンプの力で蛇口まで水を供給しているので、ポンプに不具合が起こると水圧低下につながります。
この給水方式のマンションに居住していて、家全体の水圧が弱くなった場合は加圧ポンプの不具合が考えられるので管理組合か管理会社に連絡しましょう。
ちなみにポンプが故障や停電で停止した場合、完全に水は出なくなります。
増圧ポンプは給水本管に取り付けられていて、直接、各家庭の蛇口まで水を運ぶためのポンプです。
増圧ポンプはブースターポンプとも呼ばれている給水ポンプです。
この給水方式は給水管の圧力を利用しているので、加圧ポンプより水圧は高めです。
ただし増圧ポンプは加圧ポンプと同様に、ポンプの力で蛇口まで水を供給しているので、ポンプに不具合が起こると水圧低下につながります。
そして、ポンプが故障、停電等で停止した場合は水が出なくなります。
多くの家庭が同じ時間帯に水を使っていると、水の供給が間に合わなくなり水圧が弱くなることもあります。
これはマンションで加圧ポンプか増圧ポンプを使っている場合に限ります(揚水ポンプは基本的に影響を受けません)これはポンプが壊れていなくても起こり得ることです。
例えば家の全ての水を同時に出すと水圧が弱くなるように、使用量が供給量を超えると水圧は下がります。
エコキュートの給湯方式は貯湯で、1日に使うお湯を貯湯タンクに溜めておき、そこから必要なタイミングでお湯を取り出しています。この貯湯タンクは給水管の圧力に耐えられない為、減圧弁が取り付けられていて、減圧弁によって給水の水圧を下げています。そして減圧されたお湯が出て来るという訳です。一方、ガス給湯器の給湯方式は「水道直圧式」で、瞬間的にお湯を沸かし、給水管の水圧をそのまま利用してお湯を供給しています。このような違いによりエコキュートの水圧は低いのです。
エコキュートとガス給湯器の比較を下の表で見てみましょう。
種類 | 給湯方式 | 特徴 | 水圧 |
---|---|---|---|
エコキュート | 貯湯式 | 減圧弁で水圧を下げたお湯が供給される | 180kPaほど |
ガス給湯器 | 水道直圧式 | 給水管の水圧そのままで供給される | 500kPaほど |
※Kpa・・・水圧を表す単位
エコキュートの水圧が180 kPaほどなのに対し、ガス給湯器は500 kPaほどであり、ガス給湯器と比べて約1/3の水圧となっています。
水圧と言う観点だけで見るとエコキュートは物足りないと思われる方もいるかもしれませんが、メリットとしては「水光熱費が安く抑えられる」「環境に負担が少ない」「災害時の備えになる」「自治体によって補助金が出るケースもある」など沢山のメリットがあります。
水圧が弱くなる原因は数多くありますが、その中でもよくある水圧低下の原因とその改善方法を紹介して行きます。
よくある水圧低下の原因は以下の3つです。
それぞれの改善方法を解説して行きます。
全体的に水道の出が悪くなった場合は、メーターバルブが開き切っていない可能性があります。
メーターバルブを確認して、バルブを反時計回りに回してみます。
1回転以上回る場合は半開になっている可能性が高い為、止まる所まで回し続けましょう。
止まる所まで回した後に水を出して見て、水圧が回復していればメーターバルブの半開が原因だったということになります。
尚、反時計回りで回した時に「全く回らない」もしくは「1回転弱で止まってしまう」場合は既にメーターバルブは全開になっています。
「キッチンだけ」「洗面所だけ」と言うように1ヶ所の水圧が弱くなった時は止水栓がしっかり開いていない半開状態の時があります。
まずは止水栓がどこにあるのかを見て行きましょう。
下の表をご覧ください。
水栓タイプ、場所 | 止水栓位置 |
---|---|
キッチン(台付混合水栓) | シンク下に止水栓 |
キッチン(壁付混合水栓) | 偏心管に止水栓 |
洗面所(台付混合水栓) | 洗面ボウル下に止水栓 |
浴室(台付混合水栓) | 水栓本体に止水栓 |
浴室(壁付混合水栓) | 偏心管に止水栓 |
洗濯場(壁付混合水栓) | 偏心管に止水栓 |
トイレ | 床か後方の壁に止水栓 |
キッチンと洗面所の台付混合水栓の場合はほとんどのケースで、シンク下・洗面ボウル下に水用、お湯用2つの止水栓があります。
それ以外の壁付混合水栓で止水栓が付いているタイプは、水栓本体と壁の水道管を接続する偏心管部分に付いています。
止水栓は手で回すタイプとマイナスドライバーで回すタイプがあり、確認の仕方はメーターバルブと同じで反時計回りに回して半開状態かどうかを確認し、半開であれば全開にします。
ただし、止水栓が設置されてないケースもあります。
ストレーナーはサビ、ゴミ受けの目皿ですが、何処に取り付けられているのか分からないという方も多いでしょう。
まずはストレーナーの位置から見て行きましょう、下の表をご覧ください。
水栓タイプ、場所 | ストレーナー位置 |
---|---|
キッチン(台付混合水栓) | 吐水口、給水・給湯管との接続部。 |
キッチン(壁付混合水栓) | 吐水口、偏心管 |
洗面所(台付混合水栓) | 吐水口、給水・給湯管との接続部 |
浴室(台付混合水栓) | 吐水口、水栓本体、シャワーヘッドの接続部 |
浴室(壁付混合水栓) | 吐水口、偏心管、シャワーヘッドの接続部 |
洗濯場(壁付混合水栓) | 偏心管 |
トイレ | ボールタップと給水接続管の接続部、タンク内ダイヤフラム下 |
※吐水口の部品は「整流キャップ」「泡沫キャップ」等の名称ですが、細かい網目になっている物が多く、サビが溜まって水の出を悪くすることがあるのでストレーナーと同じ効果があります。
ストレーナーの清掃方法は、使わない歯ブラシなどを使って目皿に溜まったサビやゴミを取り除きます。
注意点としては、洗面所で水を流しながらブラシをするのはやめましょう、手を滑らせて目皿を排水口に落としてしまう恐れがあります。
ストレーナーの清掃はバケツの中で行うと安心です。
ストレーナーも設置されてないケースがあります。
水圧が弱くなる原因は数多くあります。
蛇口やトイレの水圧が弱くなった時は先ず、その場所だけなのか、家全体の水圧が弱いのかを確認することが大切です。
どちらかが分かると原因の選択肢がかなり少なくなります。
自分でいろいろチェックしてみても原因が判明しない時、原因は分かったけど対処ができない時などは、住まいる水道までご相談ください。