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水道の蛇口を自分で直したことがありますか?一度でも経験のある方なら、なんとなくイメージできるでしょう。
年配の方ですと蛇口のパッキンくらいなら、昔は金物屋でパッキンを買って自分で直していた、という方も少なくはない様です。
驚きなのは男性の方、女性の方問わず行なっていた様ですね。
昔は金物屋で購入していたパッキンなどの水道用品ですが、今ではホームセンターへ行けば手に入りますね。
ホームセンターによっては、水道用品専門の管材店にも負けない品ぞろえのお店もあるくらいです。
修理を行なえる工具さえ持っていれば、ちょっとした水道トラブルならホームセンターで部品を購入し、ご自分で直す事もできてしまいます。
ただ水道に関わる知識や交換方法など、修理の仕方が分からなければ、せっかく工具を持っていてもなかなか難しいでしょう。
今回はそんな皆さんのために、蛇口の水道トラブルが起きた際の予備知識と、パッキンや部品の交換方法をご説明いたしましょう。
目次
水道の蛇口は消耗品なので、寿命があります。
半永久的に使える物ではありませんので、間違わないでくださいね。
ただ蛇口も丁寧に使い、こまめにパッキンや部品交換等のメンテナンスを行なっていれば、少しでも長持ちさせる事は可能です。
一般的に蛇口の寿命は、10年くらいと言われています。
しかし、使い方によっては、5年で交換時期が来てしまう事もあります。
使い捨てが当たり前の時代ですが、少しでも長く使えるのであれば、労力を惜しまず長く使いたいものです。
水道の蛇口だけでなく、電化製品などでも共通して言える事は、日頃から動かす部分は故障しやすいという事です。
水道の蛇口の場合、水を出し止めするハンドルやレバー、水を吐水する左右に動かせるスパウト、この2ヶ所は水漏れや故障する事が多い箇所なのです。
水道の蛇口が故障したら、早めに修理してください。
まったく使えない状況であれば、何も言わずとも皆さんすぐに修理するでしょうが、少しの水漏れ、ちょっとした破損くらいではそのまま放置し使い続けてしまう方も少なくないでしょう。
蛇口の水漏れや故障はそのまま放置しても、勝手に直る事はほとんどありません。
ごまかして使い続ければ使い続けるほど、状況は悪化していきます。
すぐ直してしまえばパッキンの交換で済んだのに、すぐ動かなかったばかりに部品を交換しなければならない状況になってしまいます。
水道の蛇口が壊れてしまった時は、水道業者に依頼するかご自分で直すかは別として、まず早めに修理する事を考えましょう。
蛇口の水道トラブルで1番多いのは、水漏れでしょう。
水漏れといっても漏れる場所は様々ですが、通常多いのは吐水口からの水が止まらなくなる症状でしょう。
シングルレバー混合水栓では、本体部よりの水漏れも多くあります。
それ以外のトラブルで多いのは、ハンドル水栓のスパウト折れやハンドル不良や、シングルレバー混合水栓のレバーハンドル不良でしょう。
ハンドルやレバーハンドル不良に関しては、ハンドル自体には問題がなくそのハンドルが操作する、スピンドルやカートリッジが大元の原因である症状もあります。
ハンドル水栓の多くは、パッキンの交換で直る水漏れが多いでしょう。
水がポタポタと止まらなくなったり、ハンドルの付け根から水が漏れてきたり、スパウト付け根からの水漏れの多くは、パッキンが原因による水漏れです。
ただし症状の中には、スパウトの付け根の亀裂による水漏れや、スピンドル等の劣化により水が止まらなくなる事もありますので、
全てがパッキンによる水漏れとは決めつけてはいけません。
ハンドル水栓でも、パッキン以外に劣化や亀裂等が起こった場合は、破損した部品を交換しなければなりません。
またシングルレバー混合水栓では、水の出し止めにコマパッキンは使用せず、カートリッジユニットによって操作しますので、単純に水が止まらなくなってしまった場合でも、カートリッジ(部品)交換をしなければなりません。
もし水道業者に修理を依頼するような場合には、パッキンではなく部品交換を前提として話をすすめた方が良いでしょう。
なお、シングルレバー混合水栓の部品交換の場合、ハンドル水栓よりも互換性のない部品が多いため、即日修理ができないケースもありますので、水漏れや不具合が起きた際には、なるべく早めの対応を心がけてください。
蛇口の水道トラブルで多い上位5選
水道トラブルの症状 | 主な修理方法 | |
---|---|---|
① | 水がポタポタ止まらない | コマパッキン、水栓上部カートリッジ、開閉バルブの交換 |
② | ハンドルが硬くて回らない | 水栓上部、スピンドルの交換 |
③ | ハンドルの根元からの水漏れ | 上部パッキン、水栓上部の交換 |
④ | スパウト付け根からの水漏れ | スパウトパッキン、スパウトの交換 |
⑤ | シングルレバー胴体からの水漏れ | カートリッジ、胴体パッキンの交換 |
慣れていないと、水漏れ等の水道トラブルが起きた時に、慌ててしまうのは仕方のない事です。
しかし、落ち着いて考えてみると、部品交換ならいざ知らず、パッキン交換くらいならご自分で直せるかもしれませんね。
昔の人達は単水栓のコマパッキンの交換などは、ご自分で行なっていた方も多かったようです。
ハンドルタイプの単水栓や、混合水栓で使用されているパッキンは、比較的互換性があるものが多いので、ホームセンター等で購入すれば、あとは修理のための工具と多少の知識があれば、皆さんがご自分で直すのもさほど難しい事ではありません。
ただ「無理はしない」というのは絶対条件です。
水道蛇口の水漏れを直す場合、最低限知っておかなければならない注意点は、以下の通りです。
水道の蛇口を修理する場合、最初に必ず行なわなければならないのは、水を止める事です。
まずは水道の元栓もしくは止水栓を止めて、修理する蛇口から水が出なくなった事を確認してください。
単純にパッキン交換をするといっても、水漏れ箇所が分からなければ、交換するパッキンも分かりません。
例えばハンドルの付け根から水漏れしているのに、コマパッキンを交換しても水漏れは直りません。
蛇口で主に使用しているパッキン
パッキン | 使用箇所 | |||
---|---|---|---|---|
ハンドル単水栓、混合水栓 | コマパッキン(ケレップ) | ハンドル、スピンドル下 | ||
三角パッキン(上部パッキン) | スピンドル部 | |||
スパウトパッキン(パイプパッキン) | スパウト取り付け部 | |||
シングルレバー混合水栓 | 台付 | 胴体パッキン(Xパッキン) | 胴体、スパウト可動部 | |
壁付 | スパウトパッキン(パイプパッキン) | スパウト取り付け部 |
水漏れ箇所を特定し、そのために必要なパッキンを調べて用意する事が大切です。
水道の修理を行なう際には、それに適した工具を用意する事も必須です。蛇口によっては年数が経ち古くなり、部品が固着して外せないケースもあります。
こんな時、無理に外そうとして、蛇口につながる古い給水管を折ってしまう事も少なくありません。
たかがパッキン交換でも、修理の際は無理せず慎重に行なわなければなりませんね。
修理に必要な工具は、その目的や修理内容、修理する蛇口の種類によって様々です。
趣味で色々な工具を集めている方は別として、本職ではないのでそんなに色々な工具をそろえる訳にもいきません。
例えばハンドル水栓のパッキンを交換するのであれば、必要な工具は以下の通りです。
細かい部分はさておき、最低限このくらいの工具があれば、ハンドル水栓のパッキン交換は行なえるでしょう。
パッキン交換に必要な工具
作業 | 工具 |
---|---|
コマパッキン交換 | モンキーレンチまたはウォータープライヤー ラジオペンチまたはピンセット カッターナイフ、プラスドライバー、マイナスドライバー |
三角パッキン | モンキーレンチ ウォータープライヤー カッターナイフ プラスドライバー、マイナスドライバー |
スパウトパッキン交換 | モンキーレンチ(ラジオペンチ、マイナスドライバー) |
ホームセンターは、お店の規模やタイプによって、取り扱い商品に違いはあります。
生活用品がメインのホームセンターもあれば、職人が購入するようなマニアックな商品まで取り揃えているホームセンターもあります。
しかし一般的にどんなホームセンターでも取り扱っているのが、ハンドル蛇口に使用されている互換性のあるコマパッキンや三角パッキンです。
これらであれば、町のスーパーの生活用品売り場で売られている事もあります。
通常、水道に関する商品を扱っているホームセンターであれば、単水栓や2ハンドル混合水栓で使用されているコマパッキン(ケレップ)、三角パッキン(上部パッキン)、パイプパッキン(スパウトUパッキン)等は、普通に購入できるでしょう。
ただし蛇口によっては、パッキンのサイズに違いがあるものもありますので、お使いの蛇口のメーカー名が分かっていると良いでしょう(品番まで分かればなお結構です)。
ホームセンターで購入できるのは、パッキンだけではありません。蛇口の部品なら水栓上部やスパウト等も売ってます。
もしパッキンを交換しても直らない場合は、別の部品を購入し再度修理を試みることができますね。
またハンドル水栓に限らず、シングルレバー混合水栓の場合でも、多く出回っている蛇口のカートリッジ等の部品は、ホームセンターでも手に入る場合もあります。
しかし、あくまでも一部の蛇口に関してだけですので、
シングルレバー混合水栓のカートリッジ等は互換性が少なく、それぞれの蛇口に対して取り付けられる部品が違うので、必ず蛇口のメーカーや品番を調べてから、部品を購入するようにして下さい。
またスパウトに関しても、サイズや型、長さなどの違いはあるので、互換性のあるメーカー違いの商品であっても、現物を持っていくなどして間違えないように購入しましょう。
蛇口関連の商品で、どのホームセンターでも多くの種類を取り揃えているのは、シャワーヘッド、シャワーヘッドホースでしょう。
シャワーヘッドやホース等の商品は、蛇口の付属品の中でも皆さんが手軽に交換できる商品であるため、どこのホームセンターに行っても、いくつかの商品は必ず売っています。
ちょっと大きなホームセンターへ行くと、商品の多さに迷ってしまうでしょう。これらの商品に関しては、水道関連のメーカー以外でも製造販売しているので、商品数が多いのです。
また通常はヘッドにもホースにも、どこのメーカー(基本国産メーカー)の蛇口にも対応できるアダプターがセットで付属されているので、よほどの事がない限り取り付けできない事はありません
(風呂釜や一部メーカーの蛇口から交換する場合、別に専用のアダプターを購入しなければならない場合があります。購入する際は、必ず店員さんに聞いてみましょう)
主にホームセンターで購入できる蛇口関連商品
パッキン類 | コマパッキン(ケレップ) 三角パッキン(上部パッキン) スパウトパッキン(パイプパッキン、Uパッキン) 偏心管パッキン(クランクパッキン) |
---|---|
バルブ類 | 水栓上部(ハンドル、スピンドルセット) スピンドル(右用、左用) 開閉バルブ、カートリッジ(一部蛇口の対応品) アクリルハンドル 三角ハンドル 取り換えレバーハンドル シングルレバー用レバーハンドル |
その他蛇口付属品 | <浴室用> シャワーホースセット シャワーヘッド 断熱キャップ、整流キャップ、泡沫キャップ(スパウト先端取り付け) |
〈注意点〉
※単水栓の三角ハンドルの場合、ハンドルを外す必要はありません。
※スピンドル固定ナットは、六角ナットでない場合はウォータープライヤーではずしてください。
注意事項〉
※三角パッキンが取外しづらい場合には、スピンドルを回し少し上に上げると取り外しやすくなります。
※スピンドル固定ナットは強く締めすぎると、ハンドルが回しづらくなるので注意してください。
〈注意事項〉
※パイプパッキンは基本、U型パッキンが多く、取り付け向きを間違えないように注意しましょう(U字が逆向きで開きが下になるよう取り付けます)
※パイプパッキンはスパウトに付けたまま、蛇口本体に差し込まないでください。
パッキンが正しく取付けられず、スパウトを左右に動かしているうちに、変形しパッキンが切れてしまいます。
※新しいパッキン(互換性のある水栓と違うメーカーの物)に交換して、スパウトが左右スムーズに動かない場合は、蛇口と同じメーカーのスパウトパッキンに交換してみて下さい。
この後で説明する水栓上部とスパウトの交換方法は、先述したコマパッキン、三角パッキン、スパウトパッキンの交換方法と作業工程自体はほとんど一緒ですね。
ただ、全く一緒という訳でもなく注意するべき部分もあるので復習も兼ねてもう一度流れを確認しましょう。
〈注意事項〉
※水栓上部を交換する際には、必ず別売のコマパッキンも購入して一緒に交換してください。
※スピンドルが開閉バルブの場合、ハンドルは別売りのものが多いので、古い蛇口の場合はハンドルも新しい物を購入し、一緒に交換したほうが良いでしょう。
※スピンドルが開閉バルブの場合は、コマパッキンが付属しているものと付属していないものがありますので、必ず確認し付属していない場合は、別途コマパッキンを用意しましょう。
〈注意事項〉
※新しいスパウトを取り付ける際に上手く差し込めない場合は、古いスパウトが折れて、破片が蛇口の中に残っている事があります。無理やり差込もうとせずに、必ず蛇口中の折れて残った部分を取り除いてくださいね。
※スパウトパッキンはスパウト側に付けたまま差込むと正しく取り付けできず、スパウトを左右に動かす力でパッキンが切れてしまいます。必ずスパウトから外して、パッキンを単独で蛇口側に取り付けてからスパウトを取付てください。
〈注意事項〉
※蛇口によっては本体とホースの間に、接続部品(シャワーエルボ)が取り付けられている場合があります。
この場合、接続部品(シャワーエルボ)を取り外さないよう、注意してください。シャワーエルボとホースの接続ナットを外します。
※シャワーホースのナットを外した際、古いパッキンが蛇口についたままになる場合があります。
古いパッキンは必ず取り除いてください。
※取付けナットやアダプターが樹脂製の場合は、正しく取り付けないとネジ部が切れて水漏れしてしまいますので、必ず手でゆっくりと正確に取り付けてください。
ネジ部は手回しでほとんど取り付けできますので、工具は最後の増し締めのみ使用してください。
修理時に大切な止水について
作業内容 | 止水について |
---|---|
コマパッキン交換 三角パッキン交換 水栓上部交換 |
元栓もしくは止水栓で止水する ※三角パッキンの交換に関しては、ハンドルを止めコマパッキンで止水できていれば、元栓や止水栓を閉めなくても作業可能 |
パイプパッキン交換 スパウト交換 浴室シャワーホース交換 |
元栓もしくは止水栓を閉めなくても良い |
皆さんが普段使ってる蛇口には様々な部品が使用されています。
故障の症状によってそれらの部品の交換を行ないますが、部品1つを交換するにしても、必ずマニュアル通りスムーズに行なえるわけではありません。
これはパッキン1枚を交換する場合でも同じです。
修理しようとするとイレギュラーな事が起こるのは稀な事ではないのです。
スムーズに事が進まないと、ついつい無理をしてしまいがちですよね。もし無理をしすぎてしまうと次に起こるのは、2次被害であると考えても良いでしょう。
水道業者に依頼すると費用が掛かる為、安く抑えるために自分で修理しようとして2次被害を起してしまい、自分ではどうする事もできずに結局業者を呼ぶことになってしまう事も少なくありません。
そして最初に依頼していれば数千円で済むような作業内容も、2次被害にまで発展してしまい、修理に数万円も掛かってしまうような水道トラブルになってしまう事も・・・。
こんな事にならないように、もしご自分で修理をしてみて途中で無理だと思ったら、迷わず専門の水道業者に依頼してくださいね。
ご自分で水道修理に挑戦する時は、どんなケースでも決して無理をしないよう心がけて行なってみてください。