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最近では設置数もどんどん増えているエコキュート。
家にエコキュートが設置されていない方でも「エコキュート」という言葉を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
今回はエコキュートの配管をメインに配管部材や水漏れ症状から施工例を交えた修理方法などを解説して行きます。
家にエコキュートを設置している方や将来エコキュートの設置を考えている方はぜひご一読ください。
目次
エコキュートの正式名称は「自然冷媒ヒートポンプ給湯器」と言います。
エコキュートとは自然冷媒ヒートポンプ技術を利用した「電機給湯器」です。
自然冷媒ヒートポンプ技術とは電気エネルギーで循環させる二酸化炭素によって空気の熱を水に伝えてお湯を沸かす技術のことです。
電熱式に比べて電気の使用効率が良いのが特徴です。
エコキュートの構造をわかりやすく端的に説明いたします。
エコキュートはこの構造でお湯を供給しています。
エコキュートは1社の商品ブランド名ではなく自然冷媒ヒートポンプ給湯器(電機給湯器)の愛称です。
なのでエコキュートは様々なメーカーで製造されています。
家庭用のエコキュートは主に以下のメーカーで製造されています。
「エコキュート=電機給湯器」なのでガス給湯器との最大の違いは電気でお湯を暖めるのかガスでお湯を暖めるのかというところです。
それではその他の違いを見て行きましょう。
大きさ | 設置方法 | 設置費用(本体代含) | 光熱費 | |
---|---|---|---|---|
エコキュート | 大きい | 地面置き | 高め | 安い |
ガス給湯器 | 小さい | 壁掛け | 安め | 高い |
光熱費に関してガス給湯器が特別に高いということではなくエコキュートと比較すると高いという感じです。
特に都市ガスよりもプロパンガスとの間に差が出ています。
プロパンガス給湯器とエコキュートとの光熱費の差は約2倍~5倍あると言われています。
毎月の家計を考えるとそのインパクトは大きいですね。
エコキュート周りにはいくつか配管があります。
しかしどの配管がどの役割のかよくわからないという方も多いと思います。
それではエコキュート周りの配管を解説いたします。
※最大で7本の配管がエコキュートに接続しています。
水回りの水漏れや水が噴き出してしまった時の対応として元栓を閉めるという方法がありますが元栓を閉めると家の中の水が一切使えなくなってしまいます。
そこでお湯の水漏れ場合はお湯だけを止めることが出来ます。
お湯だけ止める為にはエコキュートやガス給湯器付近の「止水バルブ」を閉めましょう(エコキュート本体内や手前の給水管等に設置されてる事が多い)
※止水バルブは基本的に設置されていますが稀に無いケースもあるのでその時は元栓を閉めましょう。
まず水漏れがあった場合に元栓を閉めます。
そして止水バルブも閉めます。
水が止まったのを確認したらゆっくりと元栓を開きます。
元栓を開いた時に水漏れしなければ原因は「給湯管」なので元栓は開いておきましょう。
元栓を開いた時に水漏れするようであれば原因は「給水管」なので元栓を再度閉めて止水バルブは開いておきましょう。
この方法で給水管の漏れなのか給湯管の漏れなのかを判別することができます。
エコキュートとガス給湯器では「本体は違うけど配管は同じでしょ」と思っている方もいるのではないでしょうか?
実際は大きく違う部分がありますのでエコキュートの配管について詳しく見て行きましょう。
エコキュートには5種類の配管があります
・名前の通り「水」を通している水道管です。
上の「エコキュートに繋がる配管」の①に該当します。
・こちらは「お湯」を通している水道管です。
上の「エコキュートに繋がる配管」の②に該当します。
・エコキュート本体の貯湯タンクとヒートポンプユニット(水熱交換器、空気熱交換器、圧縮機、膨張機等)を繋ぐ水道管です。
上の「エコキュートに繋がる配管」の③と④に該当します。③で通ってきた水を温めて④で戻すという感じですね。
・この配管はエコキュートのフルオートタイプ専用の水道管です。
上の「エコキュートに繋がる配管」の⑤、⑥に該当します。
フルオートタイプはお風呂の保温や足し湯、追い炊きが自動で行えるタイプで風呂配管を通して浴槽のお湯をエコキュートに回収し(⑥)、温め直してから浴槽に戻します(⑤)
・この配管はエコキュート本体やヒートポンプユニットなどに付いていて結露を排水する配管です。
上の「エコキュートに繋がる配管」の⑦に該当します。
ヒートポンプの配管は劣化しやすく水漏れも発生しやすいので強度の強い管でなければなりません。
ここではヒートポンプに使用されている配管についてご紹介いたします。
架橋(かきょう)ポリエチレン管はポリエチレンという素材に電子線などの処理を施すことにより高分子の分子鎖を立体網目状構造に分子間結合をさせる反応を行わせたポリエチレン管のことを言います。
この反応のことを「架橋反応」と呼んでいて名前の由来になっています。
耐熱性・耐寒性・耐食性に優れていて金属管などと比べて軽量で曲げやすいので施工が楽なことなどがあります。
アルミ三層管は架橋ポリエチレン管の間にアルミを挟んだ金属強化架橋ポリエチレン管のことを言います。
アルミニウム層が酸素透過を完全に防いで強度も増すので従来の架橋ポリエチレン管と比較して耐久性が高いでしょう。
また中にアルミが入っていますが手で簡単に曲げることが出来ます。
架橋ポリエチレン管に比べて材料代が高いということがあります。
銅管は古くから給湯管として使われています。近年では給湯管の主流がポリ管(ポリブデン管やポリエチレン管)になっていますが現在でも現役です。
耐熱性・耐食性に優れていること熱伝導率が高いですが表面に緑青が発生すると保護皮膜を破壊してピンホールという針で刺したような穴が空き水漏れするということと管が薄い為に年月が経つと耐久性が弱くなり凍結による氷の膨張に耐えられずに破損するということが起きやすくなります。
エコキュートのヒートポンプ配管設置にはいくつかの決まりごとがあります。
※ヒートポンプユニットが1m以上上方にある場合はヒートポンプユニット出口部(お湯側)に空気抜き弁を取り付ける
エコキュートのヒートポンプ配管で使用する部材をご紹介します。
架橋ポリエチレン管、アルミ三層管、銅管がありますが多いのはアルミ三層管です。
架橋ポリエチレン管やアルミ三層管はワンタッチ式の配管継手です。銅管はロウ付け式と火なし継手などがあります。
保温材付アルミ三層管、ワンタッチ継手、継手用保温材がセットで入っています。
アルミ三層管は保温材付きの物が多いですが更にその上から別の保温材を取り付けることもあります。
保温材付アルミ三層管を覆う為のカバーで日光や雨風から守る為に取り付けることもあります。
水漏れ症状 | 原因 |
---|---|
管のひび割れ・破損による水漏れ | 古くなった配管に何らかの衝撃が加わった時や凍結した時に起こることが多い。 |
管のピンホールによる水漏れ | 銅管に限る。銅管表面に緑青が付着することで保護皮膜を破壊して針で刺したような穴が空く。 |
継手部分からの水漏れ | 配管の凍結や何らかの衝撃が加わった時に起こることが多い。 |
どの症状も根本の原因は経年劣化です。
経年劣化により素材の柔軟性が無くなり凍結による氷の膨張や外部から加わる衝撃に耐えられなくなって起こります。
エコキュートの配管で水漏れが起きた時に最初に行うことは「止水バルブを閉める」ことです。
止水バルブの位置はエコキュート本体につながる給水管の所かエコキュート本体カバー内にあります。
事前に止水バルブの位置を確認しておきいざという時に対応出来るようにしておきましょう。
それではエコキュート配管で良く使われてるアルミ三層管の水漏れ修理方法を見て行きましょう。
エコキュート配管交換の施工例を元に解説して行きます。
アルミ三層管の複数箇所から水漏れがあった事例
・エコキュート付近にある止水バルブを閉めます。
・止水バルブを閉めても配管内の残り水が少しの間出るでしょう。このタイミングで水漏れ箇所を特定します。
・各ナット部をモンキーレンチで外します。
・アルミ三層管カッターで長さを合わせて切断します。
・先にエコキュート本体とヒートポンプユニットに新しい継手を取り付けます。各ナット部をモンキーレンチで締め込みます。
・継手はワンタッチ式なので配管を差し込めばOKです。浅く差さないように注意してしっかりと奥まで差し込みます。
・ゆっくりと止水バルブを開き、水漏れがおさまっているかを確認します。水漏れがおさまっていたら全開にします。
・配管まわりの水分をタオルで拭き取ってから、保温剤を取り付けます。
・継手部分にもしっかりと保温材を取り付けます。
・更に、配管カバーを取り付けます。
・家の中の台所・洗面所・浴室のお湯を出してしっかりとお湯が出るかを確認します。
・最初はエアがかんでいると思いますので少しの間は開きっぱなしにします。
しっかりとお湯が出てきたら蛇口を閉めます。これでアルミ三層管全交換作業が終了になります。
ヒートポンプ配管には架橋ポリエチレン管・アルミ三層管・銅管などがあります。
水漏れが発生した時にはいずれかの部材を使って修理や交換をします。
もしエコキュートの配管が10年以上使用している場合は一部切り回し作業ではなく今回説明したような全交換作業にすることをおすすめします。
理由は数日から数年以内に配管の別箇所から水漏れが起きる危険性があるからです。
配管は同じ年月使用しているので配管の他の箇所でいつ水漏れが起きてもおかしくないのです。
ヒートポンプ配管から水漏れが起きた時には年数も考慮して改善内容を決めるようにしましょう。
またエコキュート配管からの水漏れを直すのは普段修理をした事ない方からすれば少々難易度が高いかもしれません。
ご自身での作業が難しそうな時は無理に修理を行なわず水道業者にご相談ください。