サイト内検索
ランドリーは髪の毛や服の繊維が流れやすいので、排水口が詰まりやすい箇所でもあります。
また洗濯に使用する水は、家庭で使用する水の中でも多くの量の水を排出します。
そのため洗濯場から水漏れを起こすと、床はもちろん様々な家財道具に二次被害が及ぶリスクも高まるでしょう。
ただ詰まりの対策が大事だと思っても、洗濯場の排水口をしっかりと確認したことはない、という人は多いのではないでしょうか。
そこで、まずは洗濯場の設置場所や排水口の構造を解説します。
洗濯場から水漏れが起きた時の排水口の直し方について、参考にしてみてください。
今回の内容をまとめると次の通りです。
洗濯場と言っても屋外にある場合や、家の中にある場合など様々です。
自分で直せる範囲を見極めて、無理なく対策しましょう。
目次
洗濯している時って、ずっと洗濯機のそばにいませんよね。
でも皆さんの中には、
なんて方もいらっしゃるのではないですか?
そんな恐い事にならなければ、それに越した事はないのでしょうが、あなたの家でもいつ起きるか分からないですよ・・・。
まさか!と思っているでしょうが、いざ自分の身にこんな恐い事が起こった時の為に、是非この後の説明を参考にして頂けたらと思います。
冒頭からお読みになっていて、
なんて言う方もいらっしゃると思います。
皆さんのお宅ではそれぞれ、洗濯場には違いがあるはずです。
屋内に設置されているお宅、屋外に設置されているお宅、設置されていないお宅、そしてそれぞれで、排水口のタイプも違ってきます。
まずはそれぞれの設置場所と、排水口の違いをご説明していきましょう。
最近では戸建て、マンション、アパート等それぞれ屋内に洗濯機を置く専用のスペースがある所が多くなっています。
専用スペースには必ず、専用の給水栓(蛇口)と専用の排水口があり、もちろん電源(コンセント)も近くに取り付けられています。
ただ排水に関しては、それぞれ違ったタイプの排水口になっています。
洗濯防水パンは、洗濯場に樹脂製の大きな受け皿が置いてあり、その中に洗濯機を置きます。
少し前に建てられたマンションやアパートの様な集合住宅では、このタイプが多いですね。
防水パンのメリットは、多少流れが悪くなり水が排水口から上がってきても、床には水が流れ出さないので、気づいたときにすぐに直せば、多少は詰まりの症状が出ても安心出来る事です。
その反面デメリットは、最近主流になったドラム式の洗濯機が大きすぎて、直接防水パンに置いて設置出来ない事が多々あります。
これから引っ越しをされる方は、この点で注意が必要です。また、蛇口の位置で洗濯パンから大きくずれてしまい、設置が不可能になってしまう場合もありますので、よくよくサイズを確認して頂くと良いでしょう。
この様な事から、最近建てられる住宅では、洗濯防水パンを設置していない洗濯場も多くなっています。この辺は後ほどご説明いたします。
洗濯防水パンの排水口は基本、ドラム式トラップがよく使用されています。
樹脂製や金属製(鋳物)で若干構造は違いますが、通常、樹脂製の防水パンでは、樹脂製の排水トラップが使用されていて、浴室の排水口のトラップと同様で、取り外してゴミを取り、お掃除をする事が可能です。
金属製のドラム式トラップは、トラップ内部の取り出しが出来ないので、お掃除をするのは難しいです。
防水パンが樹脂製でも排水溝のフタ(目皿)が金属製の場合は、金属製の排水トラップ使用されている事が多いです。
洗濯場の床に直接洗濯機を置き、床の排水管に洗濯機の排水ホースを設置するタイプですが、密閉型は床の排水管口にコンパクトタイプの排水トラップを設置し、排水ホースを固定する為に密閉されて、下水管内で詰まりが発生し排水が逆流してきても、床上に水が流れ出す事はありません。
ただし詰まりが発生した場合は洗濯機が排水を行なう事が出来ず、エラー表示が出て洗濯機がストップしてしまいます。
また排水トラップもコンパクトタイプで小さい為に、トラップに毛ゴミが溜まると詰まりの発生が早い場合もあります。
この様なデメリットもありますが、ドラム式洗濯機を置くのには足元に余計な障害物もなく、脱衣所のスペースも少し広くなり、床の掃除もしやすくなる様なメリットが重視されているのか、最近の戸建て住宅では、このタイプの洗濯機置き場が多くなっているのも事実です。
このタイプは洗濯場の床に直接洗濯機を置き、床の排水管に洗濯機のホースを設置するだけですが、密閉型とは違い排水口入口にトラップも無く、ただ床下から洗濯場の床に固定されている下水管に、排水ホースを差し込むだけです。
ただしご心配なく、このタイプの排水口は解放されていても、流れていく先の下水マスがトラップマスになっている為に、下水の臭気が家の中に入ってくる事はありません。
この様な排水口は古い戸建て住宅で見られる事が多いです。
しかしデメリットは、開放されている為下水管内で詰まりが発生した場合に、逆流してきた水が床に流れ出し水漏れしてしまう事です。
それに開放部分を塞いでしまえば出てこないだろうと考え、完全に塞いで密閉状態にしてしまうと、ダブルトラップ現象というものが起きてしまい、トラップと排水口の間の空気が逃げ場を無くして、排水が正常に出来なくなってしまいます。
なので、排水口を開放した状態にしておくしかありません。
この他にもいくつか例外はありますが、通常、洗濯機置き場が用意されている場合は、上記のいずれかに当てはまる事でしょう。
一部アパートやマンション等の集合住宅や戸建て住宅では、ベランダや玄関脇横通路、庭などに洗濯機置き場がある場合もあります。
ただベランダ等では専用の排水口が設置されていない場合もあります。
この排水口は屋内洗濯場のタイプと、ほぼ同様と考えて結構です。
ただしベランダ等ではまれに、下水マスがトラップマスになっておらずにそのまま、下水臭気が出てきてしまう排水口である事もまれにあるようです。
これは屋外である為に、多少臭気が出ても大丈夫だろうという考えで設置したのでしょうが、真意は不明です。
あえてメリットを挙げるとすれば、下水が詰まっても排水口から逆流し水漏れした排水は、屋外の為緊急事態にならない点でしょうか。
その反面デメリットは、開放型の為下水管と排水ホースの隙間から砂や土、木の葉や木の枝、またはゴミが入り込み、蓄積する事で詰まりが発生してしまう事があります。
毎日洗濯機を使用するお宅では、排水の水がゴミを流してもくれるでしょうが、一人暮らしでお仕事や学校が忙しく、週に数回洗濯をするような方は、注意されると良いでしょう。
またお引越しでこの様な物件に入られる方は、その前に長い間住んでいる方がいなかったり、洗濯機を使用していなかった場合は、最初の洗濯でいきなり流れなくなってしまう様なケースもありますので、事前にチェックしておくと良いかと思われます。
これも時たまあるケースですが、洗濯場に蛇口やコンセント口はあるのですが、どこを探しても排水ホースの差し込み口がないという場合もあります。
これは特にベランダで多いのですが、ベランダは元々雨が降ったりするので、ベランダ自体に排水口が設置されています。
要は洗濯機から出る排水は、そのままベランダの排水口に垂れ流してくれという事です。
皆さんは驚くでしょうが、この様な場所は結構あるのです。
一人暮らしをしたことのある方なら、この様な環境を経験した事のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
またこの様なケースの場合、厄介なのが排水口です。
ホースを差し込む専用の排水口ではない為に、完全開放状態で排水口が大きく、砂や土、木の葉や木の枝、ゴミ等が集まりやすく入りやすいのです。
通常は鉄製の格子が取り付けられていますが、大きな木の葉は入らずとも、砂や土、細かいゴミは結構入ってしまうものです。
更にこの格子が固着していたり、止めネジを回す事が出来ずに外せない為、詰まった場合は直すのが簡単ではない事です。
簡単な対処方法はこの後ご説明いたします。
以上の様に屋外設置の場合は、デメリットの方が多く目立ってしまいますが、この様な状況にお住まいの方は、上手に対応されていくと良いでしょう。
ここまで様々なケースの設置場所と排水口のタイプにてご説明しましたが、皆さんのお宅はどのケースに当てはまったでしょうか。
次にこれらの排水口が詰まってしまった場合、皆さんがご自分でどの様に対処したら良いかをご説明します。
樹脂タイプの排水口の詰まり直しはまず、トラップを分解清掃する事です。
完全に詰まっている場合は、パイプユニッシュの様な洗浄液を入れても直る可能性は低いので、分解清掃をする前には入れない方が良いでしょう。
もし入れてしまった場合、分解清掃は必ずゴム手袋を着用して行なって下さい。
洗濯場の排水口が若干洗濯機に被っている場合は、動かせる範囲で洗濯機を横にずらして下さい。
この時、蛇口とつながっている給水ホースが無理に引っ張られない様、充分注意して下さい。
また移動に差し支えがある場合は、蛇口を閉めて給水ホースを外して下さい。
なお排水口が洗濯機の真下にある様な場合、洗濯機の移動が無理ならば専門の水道業者に修理を行なってもらって下さい。
排水口から排水ホースを外して下さい。
L字継手はホースから外さずに、排水口から引き抜いて下さい。
排水口のフタ(目皿)を取り外します。フタは少し外すとすぐに外れるロック式の物と、しばらく回していると外れるネジ止め式の物があります。
固くて回らない場合は、工具等を使用して無理に外そうとしないで下さい。
樹脂は無理な力を加えると破損してしまいます。
特に年数が経っているフタは樹脂が硬化していて、少し力が加わるだけですぐに割れてしまう場合がありますので、ご注意下さい。
まず外側のトラップ筒を外します。ホース固定筒は、トラップ筒を外さないと取り外しません。
トラップ筒は基本ロック式なので、四方四点にある小さな突起に指を当て左方向に回すと、ロックが外れ上に持ち上げ取り外せます。
まれに右方向に回すタイプがありますので、ご注意下さい。またフタと同様に、固くて回らない場合無理に外そうとすると、破損しますのでご注意下さい。
そしてトラップ分解での最大の注意点です。
トラップ筒が固くて回らない場合に、無理に回そうとしてトラップ筒だけではなく、その外側(排水トラップ全体)が一緒に回ってしまうと、水を流した時に床下に水が流れ込み、階下へ漏水してしまいます。
くれぐれも無理に回そうとしないで下さい。
万一外側ごと回ってしまった場合は、逆回しで戻してから水を流さない様にして、専門の水道業者に相談して下さい。
トラップ筒が外れたら、ホース固定筒も外します。
水を溜めてあるカップの中や周りに付着した毛ゴミ、繊維ゴミを全て綺麗に取り除いて下さい。
排水トラップの種類では、この中のカップが外れる物もあります。
カップが外れる場合は外してから更に、その中のゴミを全て取り除いてカップを戻して下さい。
カップ内を掃除後、ホースやバケツで水を多めに流し込み、流れの確認をして下さい。
もしトラップより先の下水管内での詰まりであれば、そこから先の詰まり直しは、専門の水道業者へ依頼すると良いでしょう。
ゴミを取り除きトラップ内のお掃除が出来たら、ホース固定筒、トラップ筒、フタ、排水ホースの手順で元通り戻して下さい。
トラップ筒等ロックが完全にされているか確認します。
取り付けしたがロックが完全にされていない場合、排水した時に筒が動いてしまい、その隙間から下水臭が入って来てしまいます。
お掃除後や詰まり直し後に、洗濯場周りから下水臭がするようになるのは、大半がこの様なトラップの取り付け不備が原因です。
次いで洗濯機を試運転で排水を行ない、正常に流れているか、水漏れはないか確認をして下さい。
金属タイプの排水口の詰まり直しは、トラップの分解清掃が出来ませんので、以下の様な方法で詰まり直しを行なって下さい。
金属製排水口の場合は、フタ(目皿と排水エルボ、L字型継手)がセットになっているので、フタ(目皿)からホースを引き抜くのではなく、L字継手とホースの接続部を外します。
それからフタ(目皿)を外して下さい。
水の溜まった排水口内にある毛ゴミ繊維ゴミその他のゴミを、全て綺麗にゴム手袋をした手で取り除いて下さい。
明らかに詰まりの原因となる様な大量のゴミが出た場合は、ホースやバケツで水を流して流れの確認をして下さい。
ゴミの量が少なく、明らかにその先での詰まりと思われる場合は、排水口にパイプユニッシュの様な洗浄剤を入れ、時間を置いてから水を流し、確認をして下さい。
洗浄剤等の薬品を使用する際は、必ず手袋、マスクを使用、換気は絶対に行なって下さい。
また洗浄剤を使用した後は、必ず水を大量に流し、洗い流して下さい。
詰まりが直らない場合は水が流せないので、換気をしたままにして次に進んで下さい。
洗浄剤を使用して、詰まりが改善されない場合は、ラバーカップ(すっぽん)を使用してみます。
ラバーカップを使用する時は、洗濯防水パンに多少水が溜まっている状態で行なって下さい。
水量が少ないとラバーカップの加圧が管内まで伝わらないので、ある程度の水量が必要となります。
ただし防水パンから外に水漏れしない様に、注意して行なって下さい。
なおラバーカップを使用しても流れに改善が見られない場合は、専門の水道業者に相談して頂くと良いでしょう。
このタイプの排水口はホースを外し、中の小さなトラップカップを外す事になりますが、最低限それらを行なうスペースが洗濯場に必要です。
ドラム式洗濯機の場合は、少し横にずらすだけでも大変な事なので、無理はしないで下さい。
排水ホースは引き抜く事はしません。
基本ロックナットで固定されている為、ロックナットを回して外し、ホースごと取り外します。
ロックナットには突起が付いていますので、突起に指をかけて左に回して、ネジをゆるめ外して下さい。
基本工具は使用しません。
ナットは銀色で金属の様に見えますが、そのほとんどは樹脂製の銀メッキの為、工具等で無理に回すと破損してしまいます。
固くて回らない場合は、滑り止めのゴムを使ったり男性の方に回してもらって下さい。
ナットが外れホースを取り外す時には、ホース内に残っている水が流れ出ますので、排水口周りに少し多めの雑巾やタオル、防水シート(ペットシートでも可)を用意し水漏れ対策をしておくと良いでしょう。
水を溜めておく小さなカップが、排水口の中に入っています。
このトラップカップを外して下さい。
ここに繊維ゴミが付着、溜まって詰まりの原因になる事が多くあります。
基本このトラップカップは、単純に中に陥れてあるだけなので、普通は指を入れて簡単に取り外す事が可能です。
しかし繊維ゴミが溜まるとそれが引っかかり、簡単に取り出せない事が多いので、その様な場合は指やピンセットの様な物で少しずつ、繊維ゴミを取り出して下さい。
少しずつでも繊維ゴミが少なくなっていくと、カップも徐々に上に持ち上げられる様になり、外す事が出来ます。
ただしトラップカップも樹脂製なので、工具等でつまんで無理に引っ張り出そうとしても、破損してしまうだけなので、とにかく気長にゴミを取り続けて、カップが無理なく取り出せる様にして下さい。
またカップが破損したら、これだけ新しい物に交換すればと思われる方もいらっしゃるようですが、基本カップだけの部品だけはメーカーでも用意していない様なので、カップ破損=排水口全体の交換工事なんて事もあり得ますので、くれぐれもご注意下さい。
外したトラップカップに付いている、繊維ゴミを綺麗に取り除いて下さい。
またカップを取り外した排水口内にも繊維ゴミが残っていたら、それも綺麗に取り除きます。
ホースが御用意出来る方はホースを排水口に差し込んで、水を流し流れの確認をして下さい。
ただし注意して頂きたいのは、下水管内で詰まりが発生していた場合、いきなりホースで大量の水を流すと、洗濯場の床上に水があふれ水漏れしてしまう事がありますので、様子を見ながら少しずつ水を流し込んで下さい。
ホースを使い水を流す事が出来なければ、洗濯機の排水ホースを取り付け直してから実際に、洗濯機からの排水で流れの確認をして下さい。
取り外しの時と逆の手順で、トラップカップと排水ホースの取り付けを行なって下さい。
排水ホースのロックナットは、必ずしっかりと固定して下さい。
洗濯機を試運転して、洗濯機が排水時にエラー表示を出してストップしないか確認をします。
排水がスムーズに行われた時は、排水ホースの取り付け口も水漏れしていないか必ず確認して下さい。
万一流れなかった場合は、下水管内での詰まりの可能性がありますので、その場合は専門の水道業者にご相談下さい。
この場合はほとんどが、下水管内で発生した詰まりが考えられますので、出来るだけ業者による修理をおすすめします。
屋外での排水口の詰まりの場合も、基本は下水管詰まりの可能性が高いので、水道業者に修理を行なってもらうのが良いかと思われます。
洗濯場の排水詰まりは、単純に排水口での詰まりである事も多く、排水トラップ内のゴミを取り除くと直ってしまうケースも少なくありません。
ただ無理に直そうとする事によって、設備の破損や階下への水漏れ等、2次被害を起こしてしまう事も少なからずある様です。
直せるものなら、なんとか自分でという気持ちも分からなくはありませんが、集合住宅等で他のお宅に迷惑がかかってしまっては、元も子もありません。ぜひご自分で修理を行なう際には、ご自分でできる範囲を見極めて、無理なく行なって下さい。
そして無理だと判断した場合は、迷わず専門の水道業者にご相談下さい。