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蛇口を閉めても水道が止まらないと焦ってしまい何をすればよいのか分からなくなるというケースも実際にあります。
そこで水道が止まらない時に行う正しい対策や、応急の処置方法について解説します。
特に戸建てではなくマンションなど集合住宅の場合は、近隣への被害を避けるための行動が必要です。
その他水漏れが起きた時に応急処置と共に注意しておきたい点や、応急処置後の対応策についても見ていきましょう。
自分で直せる水漏れの場合、自分で修理を行った方が早くて費用も安く済む可能性もあります。
ただし全ての水漏れを直せるわけではないため、判断基準や業者を選ぶ際のポイントも確認しておくことが大事です。
目次
各家庭の水を扱う場所には、その場所の近くに止水栓がついています。
水道の蛇口を回しても空回りする、またはポタポタ水が漏れてしまう場合は、止水栓を閉めればその場所のみを止めることができます。
例えばキッチンの蛇口から水が漏れている場合、キッチンの止水栓だけを閉めれば、他のお風呂やトイレは使用することができます。
止水栓の種類と、どこに止水栓があるのかを見ていきましょう。
止水栓には2種類のタイプがあります。
ハンドルタイプの止水栓は、単水栓の蛇口のようにハンドル式になっており、手で閉めるだけで止水栓を閉められるタイプです。
見ればすぐに分かりますが、中にはハンドルが樹脂製のものや90度回転させるコック式もあります。
どちらのタイプも手で開け閉めが可能なので、各設備を確認しておくと良いでしょう。
一方ドライバーで開閉するタイプの止水栓もあり、D式止水栓と呼ばれています。
浴室の偏心管についている止水栓や、トイレの止水栓はドライバー式だというご家庭も多いでしょう。
先端の突起部分に切り込みが入っているので、マイナスドライバーで回して開け閉めを行いましょう。
中には切り込み部分が樹脂製になっているものもありますが、作業は同じマイナスドライバーで行ってください。
止水栓は一般的に各設備の横や下など、設備の近くに設置されています。
トイレやお風呂など、設備によって若干場所が違うので、各設備の場所について詳しく説明します。
トイレの止水栓はトイレタンクに繋がっている給水管についています。
多くが壁か床に設置されていますが、デザイン性を重視したトイレであれば、目に見えにくい場所についている場合もあります。
浴室の蛇口は多くが壁に取り付けてあり、壁から蛇口へとつながる偏心管という部分に止水栓があります。
浴室の偏心管はハンドルではなく、ドライバーで閉めるタイプがほとんどでしょう。
キッチンや洗面所の止水栓は、一般的にシンク下や洗面ボウル下のキャビネット内にある場合が多いです。
水用とお湯用2つの止水栓があるため、どちらの水が漏れているかをチェックして閉めましょう。
キッチンの止水栓は、中には点検口の中に設置している場合もあり、ベニア板の奥に隠れていて開けないと見えない事もあるので注意して確認してください。
止水栓が見当たらない場合は、元栓を閉めましょう。
元栓とはその家庭の全ての水道を開閉することができる、大元の栓の事を言います。
元栓の場所はその家によって違いがありますが、大きく分けると戸建てとマンションなどの集合住宅で場所に違いがあります。
設置場所 | 元栓のタイプ | |
---|---|---|
戸建て | 屋外メーターボックスで多くが地面に埋まっている | ・ハンドルタイプ ・コックタイプ |
集合住宅 | ・玄関横のメーターボックス内(PS) ・屋外地上にメーターボックス |
・ハンドルタイプ ・コックタイプ |
元栓は水道メーターと共に収納されているなど、大半が分かりやすい場所に設置されています。
分譲マンションや分譲戸建ての場合は最初に設計図などで確認できますが、賃貸の場合は説明されない場合もあります。
そのため、分からない場合は大家さんや管理会社に問い合わせを行っておきましょう。
では、戸建てと集合住宅にある元栓について、詳しく解説していきましょう。
一軒家の場合は、地面にメーターボックスが設置されており、その中に一緒に元栓が設置されているご家庭が多いでしょう。
設置場所は正面玄関の近くや駐車スペース、勝手口の付近に多くありますが、住宅の敷地内にあるのが通常です。
メーターボックスは青色や黒色の長方形の蓋がしてあり、樹脂製もしくは金属製でできています。
その蓋をあけるとメーターと元栓があります。一度確認して、場所をしっかりと把握しておくと良いですね。
また、定期的に水道局の検針員が来るのでメーターボックスの上には何も置かないようにしましょう。
あまり何度も普段から開ける場所ではないため、蓋が開けにくく、また雨水が原因で中に土が埋まっている場合もあります。
また開閉バルブは円形で回すタイプや、レバーの左右で開閉するタイプなど、地域によって様々なタイプがあります。
ハンドル式だけでなく、コックタイプもあるので注意しておきましょう。
集合住宅は地面にメーターボックスがあるパターンと、各部屋のPS(パイプスペース)内に設置されているパターンの2通りがあります。
小さなアパートなどであれば、1階部分の地面に全ての部屋のメーターボックスが並んでいるケースもあります。
または1階と2階が2つにまとめられているケース、各部屋の入口の地面に設置されているケースなど様々なのが特徴です。
世帯数の多いマンションの場合は、玄関のドアの横にパイプスペースがあり、その中にガスメーターや水道メーターが入っています。
水道の元栓はそのパイプスペース内に設置されている場合が多いでしょう。
パイプスペース内は空間がある為、物置きのように使われる方が稀に居ますが、荷物は入れないようにしましょう。
開閉バルブは円形のハンドルタイプや、レバーを左右して開閉するタイプなど、戸建てと同じ機能であることが多いです。
他にも90度回転式のコックタイプもあるので、一度確認しておくと良いでしょう。
パイプスペース内に元栓がある住宅は、各部屋にひとつずつとは限りません。
例えば隣同士の部屋と2件一緒に元栓がついている住宅もあれば、3,4件まとめて一つのパイプスペースが設けられている住宅もあります。
元栓の開閉を行う場合、いくつか注意点があります。
勝手に閉める、また無理やり行うと水漏れがひどくなる、または近隣に迷惑をかける状況になりかねないので、注意点を把握しておきましょう。
前途で述べましたが、特に集合住宅の場合は自分の部屋の元栓がどれか分からないケースがあります。
地面についている場合、並んでいると分かりにくく、また隣同士とひとつのパイプスペースを共有している家のような状況の場合です。
だいたいケースでは目印としてメーターボックスのフタ裏に部屋番号が書いてあったり、メーターに部屋番号を書いたタグが取り付けてあったりします。
また複数の部屋の元栓が一つにまとまっている元栓を閉めてしまうと、自分の部屋だけでなく近隣の部屋の水道が止まってしまいます。
このようなタイプの元栓は、必ず管理会社や大家さんに連絡して対応してもらいましょう。
閉めた元栓が水道の元栓かどうか、必ず家の水道の蛇口を回して確認してください。
パイプスペース内にはガスの元栓もあるので、チェックしておきましょう。
通常元栓は水道工事などの修理がない限り、開閉を行わない部分です。
そのため回そうとしたときに、バルブが固着して回らないといった状況も少なくありません。
女性や高齢者の場合、非力で回せないこともあるため、男性が行う方が回しやすいケースもあるでしょう。
無理やり回して破損させることがないよう注意が必要です。
バルブタイプの場合、鉄の軸に樹脂のバルブが接続してある物が多くあります。固い時に無理にバルブも回すと樹脂バルブの接続部をなめてしまうことがあります。
接続部がなめてしまうと空回りする為、もうバルブは使えなくなります。
ある程度力を入れても回らない場合は、水道業者に見てもらいましょう。
元栓付近の水道管が劣化していると、そこから水漏れが起きているケースもあります。
水漏れを確認したら、そのまま早急に業者に連絡するか、賃貸の場合は管理会社へ連絡しましょう。
無理やり元栓を回すと水道管の劣化が悪化し、水漏れがひどくなる可能性があります。
水漏れが起きた時は止水栓と元栓を閉めれば、水道を止めることができます。
それ以外にできる応急の処置方法や対策について知っておきましょう。
水道の蛇口にはネジやナットなど、多くの部品が使われています。
水道が止まらないと焦ってすぐ業者を呼びがちですが、実はこれらの部品をドライバーで閉めればすぐに解決した、という例もあります。
水道が止まらない場合、まずナットやネジなど使われている部品の緩みが無いかを確認してみましょう。
部品の緩みは長年の使用で起きるケースが多いので、普段から使っている水道の部品が緩んでいないか、定期的な確認が予防にも繋がります。
また何回閉めても緩む場合は部品の劣化が考えられるので、本体若しくは部品を交換しておきましょう。
蛇口のハンドルを回しても空回りしている場合は、癒着テープを使用して応急の処置ができる場合もあります。
単水栓などハンドルタイプの場合、ハンドルの中に水の流れを止める役割を持つコマパッキンがあります。
ハンドルを強く押し込むと、コマパッキンの位置が下がるので、押している時だけ水が止まります。
水が止まった所で癒着テープを巻き、固定することで応急処置ができます。
これは単水栓か、ツーバルブ混合水栓でのみできる応急の処置であり、カートリッジ内蔵のシングルレバー水栓では対応できません。
またあまりに強く押し込むと本体の故障のおそれがあるので、できれば止水栓を閉めて水を止めましょう。
水道が止まらない状況が急に起きた時、焦ってすぐに水道業者を呼びがちですが、賃貸住宅の場合は管理会社や大家さんに一報入れましょう。
賃貸住宅の場合、緊急時に対応する業者と提携している場合もあり、その方が早い場合があります。
また連絡がつかない場合、業者を呼ぶ前に連絡の履歴等を残しておくことで、後の費用に関するトラブルを防ぐこともできます。
管理会社のスタッフの中には水道をはじめ、設備のトラブルが起きた時の応急処置に長けている担当者もいるかもしれません。
止水栓や元栓の場所の確認や、閉めても問題ないか許可を取ることもできます。
また一般的に水漏れの修理費用は数千円~2万円程度ですが、交換する部品によってはそれ以上になる事もあります。
他にも天井や床にダメージが発生すると、張替え工事を行わなければならなくなり、数百万単位で費用がかかるケースもゼロではありません。
水漏れは自分が加害者になることもあるため、保険の加入の有無や費用はどちらが支払うのかなど、きちんと確認しておきましょう。
水漏れが起きた時、水道を止めるための応急処置が必要ですが、それ以外にも行うべきは二次被害を避けることです。
マンションなど集合住宅の場合は下階に被害が無いか、できるなら下階を訪問して状況確認を行いましょう。
管理会社に連絡をして対応を行ってもらっても構いませんので、水の量が大量の場合は必ず確認を取っておきましょう。
その他二次被害を避けるため、近くの家財道具や濡れると困るものは取り除けるなら移動しておくことが大切です。
業者が修理に来た時に、近くに物が多いと点検がしにくいので、できるだけ水漏れ箇所の近辺は何もない状態にしておきましょう。
水漏れの応急処置について見てきましたが、応急処置で水道が止まった後、行うべき対応について考えなければなりません。
業者に依頼するのか、水漏れの原因によっては自分で修理や交換を行うことも可能なので、どちらの対策を行うのかポイントを知っておきましょう。
他にも水漏れを発生させないための注意点を把握しておきましょう。
水道が止まらない時に応急処置を行って一時的にでも水が止まれば一安心ですが、その後はどうすれば良いのかについて考えなければなりません。
水漏れの原因や箇所が分かった後、業者を呼んで修理してもらうか、自分で部品を交換するかの二択になります。
水道の修理は業者に依頼するよりも、自分で直した方が費用は安く済みます。
水道修理にかかる費用は業者によっても異なりますが、一般的な費用相場は以下を参考にしてください。
水道の修理内容 | 作業料金相場 |
---|---|
簡単な調整作業 | 4,000円~6,000円 |
パッキン・スピンドル・スパウト等の部品交換 | 6,000円~8,000円 |
単水栓交換 | 8,000円~12,000円 |
混合水栓交換 | 12,000円~16,000円 |
上記の作業料金にプラスして、部品代(部品を交換する場合)と深夜・早朝の場合は割増料金などがかかる場合もあります。
水道が止まらない原因が分からない、または緊急を要するような水漏れの場合は迷わず業者を呼びましょう。
自分で直すか、業者に依頼するかは水漏れの程度やその人自身の判断になります。
また自分で修理する場合、工具類や部品がすぐに手に入れば早いですが、
用意するのに時間が掛かる場合は、修理が終わるまでの間に水道が使い難い、使用できない等のデメリットもあります。
水漏れの原因にもよりますが、DIYで水道を修理することができます。
ただし、以下のポイントを把握しておく必要があります。
パッキンが原因で起こる水漏れに関しては、自分で簡単に修理することができます。
ただし水漏れの原因がパッキンだと分かるためには、ある程度水道に関する仕組みや知識を知らなければ難しいでしょう。
初めて水道修理を行う方の場合、パッキン交換くらいであれば対応できます。
パッキン交換で水漏れが直るのは、昔からある単水栓かツーバルブ混合水栓です。
蛇口に違いがあるため多少異なりますが、手順は似ているので交換手順を確認しておきましょう。
モンキーレンチを使って水栓を外す場合、根元を支えていないと折れる可能性もあります。
また締めすぎると不具合が生じる可能性もあるので注意しましょう。
このように作業自体は簡単ですが、注意すべきポイントが多いので、慣れていない方は業者を呼んだ方が安心です。
また最近のご家庭に多いシングルレバー混合水栓は、パッキンではなくカートリッジ交換が必要になります。
その際に本体に合う部品の準備や、作業の際に給水管が回らないようにする専用工具が必要なケースもあります。
また古い場合は水道が固着して作業がスムーズに行なえない可能性もあるので不安な場合は専門の水道修理業者に依頼しましょう。
水道は家に住んだ時に最初から備わっている設備なので、半永久的に使用できると思いがちですがそうではありません。
部品はもちろん、本体も経年劣化しますので、日頃から定期的な様子見が必要となります。
一般的に蛇口の寿命は8年~10年程度と言われており、もちろんそれ以上の年数が経過しても問題ない場合もあります。
ただし一般的な寿命を超えて使用している蛇口は、いつ水漏れが起きてもおかしくないことを知っておきましょう。
交換する部品は、本体のメーカーが販売しているものでないと合わない部品もあります。
そのためどこで購入できるのか、水漏れが起きた時に相談する窓口の確認ができるよう、取扱説明書をいつでも見られるようにしておきましょう。
自分で修理できないような水漏れや、DIYに自信がない方は業者を選ぶことになります。
ただし複数の業者からどんな業者を選べば良いのか迷うといった声をよく聞きます。
そこで、水道が止まらない時に選ぶ良い業者の選び方を知っておきましょう。
水道業者を選ぶ上で大切なのは、対応スピードです。
以下のような水道修理業者を選ぶと安心です。
これらを確認しておけば、夜中や早朝などいつ水道が止まらない事態になっても安心して依頼できますね。
また水道業者の対応エリア内にご自宅があれば心配なく修理に来てもらえます。
ただし業者によっては平日と土日祝で料金が異なるケースもあるようです。
また対応エリア内であっても移動距離によって追加料金が発生することもあるため、電話で事前に確認する必要があるでしょう。
水道業者の中には基本料金しか記載してなく、それ以外に掛かる料金を記載してないホームページもあります。
その料金だけ?と勘違いして依頼しやすいですね。
もちろん水道が止まらない原因は設備の種類や設置状況などによって変わってくるため、全ての事例の修理料金を記載することは難しいのでできません。
しかし、中には見積りをしただけ、訪問をしただけでも料金を請求されるケースがあります。
そこで見積りは無料、訪問は無料など、どこに費用がかかるのかはっきり明記している水道業者を選びましょう。
また大体の料金が分かりやすく記載されていて、それが他社と比較して適正価格かどうかを確認しましょう。
さらに基本的に水道業者は修理前に必ず見積書を出して、お客様が見積り内容に納得してから修理を行います。
そのため見積りを出さないで修理に取り掛かるような業者には注意が必要です。
また見積もりにないことを次々と言い出して、追加料金を取ろうとする業者にも注意して下さい。
応急処置や修理をしてもらえば安心ですが、消費者が気になるのはその後また同じような不具合が起きないかどうかです。
どんな作業を行ったのか、作業内容を分かりやすく教えてくれて、今後不具合が起きた時の対処方法やアドバイスをくれる水道業者は優良な業者と言えます。
他にも施工に関する損害補償や、修理後の不具合に関する相談窓口の説明などがあると、なお安心できます。
設備を新設した場合に期間内の無料点検や、保障内容の説明など、サービスにおいて安心できる説明を行ってくれる業者を選びましょう。
これらは作業を依頼しないと分からないポイントではありますが、次に依頼する時の参考にしてみてください。
いくつか気になる業者に依頼をした時、比較のために確認しておけるポイントです。
水道が止まらない時にすぐに行う正しい対策は、止水栓を閉める、もしくは元栓を閉めることが早急にするべき対応になります。
応急の処置方法はそれ以外にも、部品等の緩みが無いか、また二次被害を避ける行動を取ることが大切だと解説しました。
特に集合住宅に住んでいる方は、大家さんか管理会社に連絡をして指示を仰ぎましょう。
応急処置を行った後は、業者を呼んで修理を依頼するか、自分で修理を行うか二択になります。
ただし自分で修理を行うためには、水道の仕組みや知識をある程度知っておかなければ、逆に不具合を生じさせてしまったり被害を拡大させてしまう状況になりかねません。
そこで水道業者を選ぶ場合の料金相場や、選び方のポイントも把握しておくと良いでしょう。
いつまでも使えるように思える水道も消耗品なので、日頃から定期的にチェックして何か小さな不具合でも見つけた時は大きなトラブルに発展する前に交換しておきましょう。