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水回りでは「悪臭」というトラブルが起きることもあります。
水漏れや詰まりと違って症状が目に見えないので、水回りの仕組みを知らないと原因の特定や改善が出来ません。
例えば、シンク下で下水臭がする場合は、ほとんどの原因が「防臭キャップ・防臭ゴム」の不具合です。
今回は悪臭の原因である防臭キャップ・防臭ゴムについて、役割・種類・使用場所から価格・購入場所・交換方法まで、防臭キャプに関する様々なことを紹介して行きます。
ぜひ最後までご覧ください。
目次
下水管は使用済みの汚れた排水が流れて行きます。
その結果、排水管内は汚れが付着して臭いが発生する為、排水管内は下水の悪臭が充満しています。
排水管内は水が勢い良く流れると逆方向に空気(下水臭)が移動します。
排水管が狭くなれば狭くなる程、空気の移動も早くなります。
雑排水と呼ばれる台所・洗面所・浴室・洗濯場の床下排水管は口径50か40が基本になって、トイレの汚水管と比べると狭い排水管と言えます(30という口径の排水管もありますが、一般家庭ではほとんどありません)
狭い排水管内を逆流した空気(下水臭)は水回りの排水口に向かって移動して行きますが、排水口付近にあるトラップで防臭しています。
台所シンクや洗面台の下は、蛇腹ホースや排水トラップ管が設置されていていますが、蛇腹ホースや排水トラップ管は口径38、32の物が多く、床下排水管の口径と大きさに違いがある為、接続部を「防臭キャップ」で密閉しています。
この防臭キャップが外れたり不具合が起きたりすると接続部に隙間が出来て、そこから下水臭が上がって来ます。
他にも下水臭が発生するケースはありますが、圧倒的に多いのがこのケースです。
防臭キャップという物について、役割、種類・サイズ、何処で使用されているかなどを見て行きましょう。
防臭キャップとは名前の通り「臭いを防ぐ」為の物です。
床上排水管と床下排水管の接続部に取り付けられていて、サイズの違う排水管同士をゴム製のキャップで密閉しています。
接着などが必要ないので簡単に取り付け取り外しが出来るというメリットはありますが、外れやすいというデメリットもあります。
防臭キャップには様々な形状の物があります。しかし、大きく分けると以下の2つのタイプに分けられます。
タイプ | 特徴 |
---|---|
キャップタイプ | 床下排水管に被せて使用するタイプです |
パッキンタイプ | 床下排水管に差し込んで使用するタイプです |
※パッキンタイプは「防臭ゴム」「クリーンパッキン」「防臭パッキン」とも呼ばれています。
次にサイズについて説明いたします。
防臭キャップは床上排水管と床下排水管の接続部に取り付けられる物であり、床上排水管と床下排水管の口径は違います。
防臭キャップのサイズも床上排水管の口径と床下排水管の口径で分かれています。
良く使用されている物を以下の表にしましたので見て行きましょう。
タイプ | サイズ | 床上排水管口径 | 床下排水管口径 |
---|---|---|---|
キャップタイプ | 32-50 | 32 | 50 |
38-50 | 38 | 50 | |
パッキンタイプ | 32-50 | 32 | 50 |
38-50 | 38 | 50 | |
キャップタイプ | 32-40 | 32 | 40 |
パッキンタイプ | 32-40 | 32 | 40 |
※床上排水管は蛇腹ホースや排水トラップ管のことです。
サイズで言うと基本は「32-50」「38-50」「32-40」の3種類です。
キャップタイプとパッキンタイプは形状の違いだけなので、サイズが合っていればどちらでも大丈夫です。
また、キャップタイプ、パッキンタイプ共に「32・38共用」「40・50共用」という、どちらのサイズでも対応できる防臭キャップもあります。
ちなみに「25-40」「25-50」という物もありますが、口径25というのは金属製の排水トラップ管でトイレ室の手洗い場や店舗などで使用される物で設置数も少ない為、ここでは割愛します。
防臭キャップを使用している場所は「台所・洗面所・洗濯場」の3ヶ所です。
ただし、全ての台所・洗面所・洗濯場に取り付けられている訳ではありません。
台所・洗面所・洗濯場でも、以下の条件に当てはまる場所に防臭キャップは取り付けられています。
場所 | 条件 | 設置されてる割合 |
---|---|---|
台所 | シンク下に蛇腹ホースが設置されている | 多め |
洗面所 | 洗面ボウル下に排水トラップ管が設置されている | 多い |
洗濯場 | 洗濯防水パンが設置されていない | 少ない |
台所や洗面所は蛇腹ホースや排水トラップ管が設置されている事が多く、防臭キャップが使用されています。
洗濯場は洗濯防水パンが無く、床の排水口に洗濯機の排水ホースを差し込む構造の所で使用されてたりします。
下水臭が上がって来るということは、防臭パッキンに不具合が起きているということになります。
その不具合の最たるものは「防臭キャップが外れる」ということです。
それでは何故、防臭キャップが外れてしまうのでしょうか。
防臭キャップが外れる原因と防臭キャップの確認方法を見て行きましょう。
特に台所の蛇腹ホースでよく起きるケースで、調理器具や食器などが蛇腹ホースに当たるとホースが押されて防臭キャップが外れてしまいます。
特に台所の床下排水管で起きるケースで、床下排水管が詰まって水が溢れると、防臭キャップが外れてしまいます。
洗面所のS字トラップを自分で掃除する時に、S字トラップの脱着作業で防臭キャップが外れてしまいます。
洗面所の防臭キャップは床の化粧板の下にあると目視出来ません。
S字トラップの脱着をすると高確率で防臭キャップは外れますが、目視出来ないので外れていることに気が付かないケースが多いです。
先ほども説明しましたが、防臭パッキンは接着をしていないので外れやすいというデメリットがあることをよく把握しておきましょう。
また、防臭キャップはゴム製なので、年月が経つとゴムが固くなって収縮性が無くなる為、少しの衝撃で外れやすくなります。
家の中で下水臭が起きたら、まず防臭キャップが外れていないかどうかを確認しましょう。
確認する時のポイントは以下の通りです。
下水の匂いがするようであれば、原因は防臭キャップ外れの可能性が高いでしょう。
シンク下の荷物を出して確認しやすいようにします。
排水プレートや化粧板を持ち上げます。
排水プレートを持ち上げる時に蛇腹ホースが一緒に動いてしまうと、防臭キャップが外れていなかった場合でもこのタイミングで外れてしまうので、蛇腹ホースを反対の手で押さえながら排水プレートを持ち上げましょう。
化粧板は底にネジ止めされているのでネジを取り外して化粧板を持ち上げると下に防臭キャップがあります。
尚、洗濯場は露出しているのですぐに確認することが出来ますね。
防臭キャップの価格は基本的に「500円前後の物が多い」です。
販売している場所は、主にホームセンターやインターネット通販です。
尚、排水用の防臭キャップは基本的に100均ショップにはありません。
「防臭キャップ 100均」でネット検索をすると似た様な名称の物が出てきますが、排水用の防臭キャップではない物が多いので間違えないようにしましょう。
おすすめの防臭キャップを3つご紹介します。
床下排水管口径40・50VP・VU管兼用
排水トラップ管経32、及び蛇腹ホース
床下排水管口径40・50VP・VU管兼用
排水トラップ管経32、及び蛇腹ホース
床下排水管口径50VP・VU管兼用
排水トラップ管経32・38、及び蛇腹ホース
Pトラップにも使用可能
防臭キャップ選びに迷った時は、この中のいずれかは該当すると思いますので参考にしてみてください。
防臭キャップ・防臭ゴムの交換は簡単な作業なので、充分DIYで対応出来ます。
しかし、注意すべきポイントがいくつかあり、そこがしっかりできていないと防臭キャップを交換しても悪臭が直らないということもあります。
そうならない為にも、ここで紹介する「交換手順と注意ポイント」をしっかり見て行きましょう。
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防臭キャップの交換手順と注意ポイントを台所と洗面所に分けて説明して行きます。
・出した荷物は、作業の邪魔にならない所に避けておきましょう。
・シンク下は暗いので懐中電灯か置き型ライトで明るさを確保します。
・棚がある場合は棚を取り外します。
・蛇腹ホースが化粧板で囲われたスペースの中に入っている場合は、化粧板を取り外します。
・シンク下にタオルを敷いておきましょう。蛇腹ホースを引き抜いた時に残り水が垂れてきますので、タオルで受けましょう。
・排水プレートがついている場合は一緒に持ち上げます。排水プレートに切れ目が入っていて取り外せる場合は、取り外してから蛇腹ホースを引き抜きましょう。
・経年劣化で蛇腹ホースが固くなっている場合は、無理にホースを曲げるとひび割れすることがあります。その場合は排水栓と接続している接続ナットを外して蛇腹ホースごと取り外しましょう。
・蛇腹ホースのどの辺りに防臭キャップが付いていたかを覚えておきましょう。
取り付けの時に全然違う位置にセットして排水管に差し込むと、調整しづらいことがあります。
・排水管に入っていた蛇腹ホース部分が汚れている場合は、タオルでキレイに拭き取りましょう
・元々付いていた位置と同じ所に取り付けます。
・蛇腹ホースはデコボコしているので取り付けにくいことが多いです。付け方のポイントは勢いで一気に動かすことです。そうすると簡単に動きます。
・新しい防臭キャップを蛇腹ホースに取り付けた時、ブカブカの場合はサイズが合っていませんので、合っているサイズの物を準備し直さなければいけません。
・防臭キャップを床下排水管にセットする時、蛇腹ホースがピンと張っていないようにしましょう。ピンと張っていると防臭キャップは外れやすくなりますので、少したわんでいる位に調整します。
・キャップタイプは排水管の上に被せますが、軽く乗せるのではなくしっかり押さえ付けましょう。
・パッキンタイプは排水管の中に差し込みますが、防臭キャップの位置は排水管の上縁合わせます。あまり深く差し込むと今後、蛇腹ホースを取り外す時にホースだけ外れて防臭キャップが排水管内に残ってしまうということが起きるリスクもあります。
・排水プレートをセットする時、防臭キャップがズレないように注意しながら取り付けましょう。
・出した荷物は、作業の邪魔にならない所に避けておきましょう。
・洗面台下も暗いので懐中電灯か置き型ライトで明るさを確保します。
・S字トラップ下にバケツを置きます。S字トラップを取り外す時に水が垂れてきますので、バケツで受けましょう。
・S字トラップの前後に付いている接続ナットを緩めて取り外します。
・樹脂製の排水トラップであれば、基本的に手でナットを緩められますが、固い場合はウォーターポンププライヤーで緩めましょう。金属管の場合は固いのでウォーターポンププライヤーで緩めましょう。
・取り外したS字トラップの中には水が入っているので、バケツに入れましょう。
・底にある化粧板のネジをプラスドライバーで外します。
・ネジはとても小さいので、大きなドライバーだとネジ山にはまらないことがあります。事前に確認して合うドライバーを準備しておきましょう。
・外したネジは無くならないよう、カップなどの入れ物に入れておきましょう。
・化粧板、防臭キャップも一緒に取り外します。
・床下排水管に入っていた部分が汚れている場合は、タオルでキレイに拭き取りましょう
・排水管のどの辺りに防臭キャップが付いていたかを覚えておきましょう。
・元々付いていた位置とだいたい同じ所に取り付けます。
・新しい防臭キャップをトラップ排水管に取り付けた時、ブカブカの場合はサイズが合っていませんので、合っているサイズの物を準備し直さなければいけません。
・防臭キャップを取り付ける時は、先に点検板をトラップ排水管に通した後に取り付けます。化粧板と防臭キャップの取り付け順は、意外と間違えやすいところなので気を付けましょう。
・このあとS字トラップを取り付ける為に、床下排水管にトラップ排水管を差し込みます。防臭キャップをセットする必要はありません。
・洗面ボウル側の接続は、しっかりと奥まで入れてからナットを締めます。浅いとS字トラップが外れやすくなるので気を付けましょう。
・2ヶ所のナットは軽めに取り付けて角度の調整を行い、位置が決まってから締め込みましょう。
・キャップタイプは排水管の上に被せますが、軽く乗せるのではなくしっかり押さえ付けましょう。
・パッキンタイプは排水管の中に差し込みますが、防臭キャップの位置は排水管の上縁合わせます。あまり深く差し込むと今後、トラップ排水管を取り外す時に排水管だけ外れて防臭キャップが排水管内に残ってしまうということが起きるリスクもあります。
作業は簡単ですが、いろいろと注意するポイントがありますね。大事な部分なので良く確認をしておきましょう。
悪臭が発生した時に、防臭キャップが無い場合は他の物で代用することも出来ます。
それは「パテ」や「ビニールテープ」などです。
臭いが漏れる隙間が埋まれば悪臭を改善することが出来るので、パテやビニールテープでも対応可能な場合もあります。
しかし、注意点もありますので以下でご説明いたします。
パテが排水管の中に入らないように注意しましょう。
パテが排水管の中に落ちてしまうと詰まりの原因になります。
また、ホースの背面部分は隙間なくパテの取り付けが出来ているかを目視出来ないので、スマホなどで写真を撮って確認するようにしましょう。
ビニールテープを巻く場合、作業スペースが無いとキレイに隙間無く巻くことは出来ません。
作業スペースが無い場合は密閉することが難しいので、無理にテープを巻かないようにしましょう。
ビニールテープの粘着部は水分に弱いので、テープを巻く部分はタオルで念入りに拭きましょう。
幅の狭いビニールテープだと密閉することが難しいので、幅の広いビニールテープを用意しましょう(幅3㎝~5㎝位)
デメリットとすると、パテやビニールテープは取り外すのが大変なので、蛇腹ホースや排水トラップ管を交換する時に大変になるということです。
水道業者に依頼する場合は割高になるケースがあります。
また、取り外した時、パテもビニールテープも取り付けていた所がベタベタするので汚れやゴミが付きやすいという点もあります。
防臭キャップが外れた時以外でも、悪臭がする場合もあります。
その他の原因を見て行きましょう。
排水管内に汚れが溜まっていると、空気圧の変化でトラップの水は減ってしまうことがあります。
トラップの水が減り、空気の通り道が出来てしまうと悪臭が上がって来ます。
また長い間、空室だった部屋に入居した場合にこのケースに遭遇することもあります。
排水管内に汚れが溜まっていると、臭い自体が強くなります。
水を流す時は一瞬、空気が上がって来ることもあり、臭いが強いとその臭いが滞留して悪臭を感じます。
このケースの時は水漏れも同時に発生しています。
ただし、微細な穴で微細な水漏れの場合は、水漏れに気付かずに悪臭だけを感じることがあります。
排水管の汚れや穴空きの場合は高圧洗浄や部品交換が必要になるので、一度水道業者に見てもらった方が良いでしょう。
「悪臭がしたら防臭キャップ・防臭ゴムを確認する」ということは水道業者でも必ず行います。
なので、必ず防臭キャップの確認はするようにしましょう。
そして防臭キャップが外れて悪臭が発生した場合、付け直せば悪臭は無くなります。
付け直してもすぐに外れるようであれば防臭パッキンが限界なので交換した方が良いでしょう。
また「防臭キャプの上からビニールテープを巻く」という方法もあります。
これは隙間を埋めるというよりも防臭キャップが外れないように固定する為の方法です。
気になる方はぜひ試してみてください。