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まずは「防水パン」はどのような物なのか?防水パンの有り無しでは何が違うのか?防水パンの耐用年数は何年位なのか等を解説して行きます。
「防水パン」とはどのような物なのかわからないという方も一度は目にしたことがあると思います。
防水パンは洗濯機の下にある四角い形状の物です。
洗濯機置き場として認識している方もいるでしょう。
防水パンは名前の通り「水漏れを防ぐ」為の物です。ちなみに「パン」は「水受け」という意味があります。
四角い受け皿のような形状をしていて排水口が付いています。
素材はFRP(繊維とプラスチックが一体となったもの)の物が多くて色はアイボリーの物が一般的でしょうか。
防水パンの特徴は洗濯機本体や洗濯排水ホースからの水漏れ、洗濯排水詰まりによる水溢れ等が発生しても防水パン内で漏れた水を受け止め床や下の階に被害を出さないようにするものです。
全ての洗濯場に防水パンが設置されているという訳ではありません。防水パンが無い状態で洗濯機が設置されているというケースもあり「防水パンは必要なのか?」と思われる方がいるかもしれません。
それでは防水パンが有るタイプと防水パンが無いタイプの違いを見て行きましょう。
洗濯機の設置 | 排水口の 大きさ |
排水口掃除の しやすさ |
水漏れ時の リスク |
|
---|---|---|---|---|
防水パン有り | 防水パンの中 | 大きい | 掃除しやすい | 小さい |
防水パン無し | 床に直置き | 小さい | 掃除しにくい | 大きい |
防水パンのメリットは水漏れがあった時に二次被害が出にくいという点と排水口が大きいので掃除がしやすく詰まりにくいという点です。
逆に防水パンが無い場合は洗濯機や洗濯ホースや排水口から水漏れが起きた場合は床に水が漏れるというリスクがあります。
漏れる量が多い場合は付近の床が水浸しになってしまったり他には排水口が小さく掃除をしにくいという点もあります。
この様に防水パンが無い場合はデメリットの方が目立ちますがメリットとすると防水パン設置の費用がかからないということとスペースが若干広く使える事でしょうか。
このように防水パン有りの方がリスクやメリットを考えると必要と判断されることが多く防水パンを設置している家庭が圧倒的に多いのが現状です。
防水パンの耐用年数は20年~25年位と言われていて水回りの中では長い方ですね。
洗濯機は頻繁に動かすものでもなく防水パンは土台のようなものなのでこれだけの耐用年数があるのでしょう。
その中でも不具合が起きやすいのは排水口の接続部です。
排水口は掃除をしたり詰まった時に水道業者が工具を入れたりすることがあるので他の場所に比べて衝撃が加わりやすいでしょう。
20年~25年位経つとFRPの耐久性も弱くなり排水口の接続部にひびが入ったり割れたりということが発生する可能性があります。
ただし5年でも10年でも物を落とすなどして強い衝撃が防水パンに加わり割れてしまった場合は交換せざるを得なくなります。
それでは防水パンを交換する為に必要な工具と道具を見て行きましょう。
※インパクトドライバーのビットとは先端に付け替えられるプラス、マイナス、ドリルなどのアタッチメントです。
次に、防水パンを交換する為に必要な部材を見て行きましょう。
※防水パンを購入する場合は自分の家に取り付けできるものを選ばなければなりません。
防水パンの交換方法や手順を解説して行きたいと思います。
最初の防水パン交換作業のポイントは「防水パン下の床と排水管に状況」です。
そこを確認する為には防水パンの固定ビスを取り外して防水パン自体を持ち上げないと確認ができません。
こればっかりは作業を進めてみないとわからない点です。
この時に皆さんでも交換できる状況とは防水パン下の床が排水管の接続切り替え作業をするのに際し問題ない広さで開口されているという事とアキレスジョイントを変えるだけで排水の接続切替えが出来るという状態の時です。
逆に防水パン下の床が排水管の接続切り替え作業をするのに際し間口が狭くてスペースが無くて自分で床を開口しなければいけない時とアキレスジョイントを変えるだけではなく排水管の切り回しも行わなければ設置できないという状態の時です。
防水パン下、床面の開口具合 | 排水管接続 | |
---|---|---|
皆さんでもDIYしやすい場合 | 広い(排水接続切替ができる作業スペースがある) | アキレスジョイントの交換だけでOK |
水道業者に頼んだ方が良い場合 | 狭い(排水接続切替をする為に床を開口しないといけない) | 排水管の切り回しが必要 |
床の開口には丸ノコ(電動ノコギリ)が必要ですが一般のご家庭に丸ノコはまず無いと思います。
ノコギリでも開口できますが床材は厚みがあるのでとても大変な作業になります。
また排水管の切り回しも床の開口部内で行わなければいけないので慣れていないと作業が大変です。
それでは皆さんでも挑戦しやすい状況(床開口無し、アキレス交換のみ)について作業手順と注意点を解説していきます。
洗濯防水パンの外し方や付け方の交換方法を徹底解説いたします。
■防水パン交換手順(床開口無し、アキレス交換のみ)
※防水パンを交換する為にはまず洗濯機を移動させる必要があります。
・排水ホースや電源コードは洗濯機上か横に養生テープで固定させましょう。
特に排水ホースは固定せずにおくと洗濯機を移動させる時に残り水で床が濡れてしまうのでご注意ください。
またガムテープやビニールテープを使うと洗濯機にテープの跡が残ってしまいます。
・洗濯機は重たいので壁や床に傷が付かないように注意して移動させましょう。
もしドラム式洗濯機を使ってる場合は非常に重いので無理に行なわず業者に依頼した方が良いでしょう。
・ビスの上にはカバーキャップが付いていますのでカッターの先端を引っ掛けて取り外します。
・インパクトドライバーに7㎝以上のプラスビットを付けて固定ビスを取り外します。
・ネジ山にプラスビットがしっかりとはまってからインパクトドライバー動かすようにしないとネジ山を舐めてしまう(削ってしまう)危険性があるので注意しましょう。
※なぜ7㎝以上のビットが必要かと言うと防水パンの固定ビスは穴の中に入っていて短いビットでは固定ネジまで届かないからです。
防水パンの高さは約5.5cmです。なので7cm以上の長さがあれば対応できるでしょう。
★固定ビスが取れたら防水パンを少し持ち上げて床面に作業ができるスペース分の開口がされているかアキレスジョイントの交換だけで繋ぎ直しが出来るかを確認します。
・水量が多くないのでタオルなどで水を吸わせて取り除きましょう。
・排水口の専門工具は新しい防水パン(排水口セットの物)に同封されています。
・撤去した防水パンは作業の邪魔にならない場所に置く。
・防水パンの縁の辺りは汚れの跡が付いていることも多いので一通り水拭きをしてキレイにしましょう。
・アキレスジョイントの固定は外周に金属の輪がありネジが付いています。
・ネジが緩まったら床下排水管とアキレスジョイントの接続部にマイナスドライバーを差し込み、隙間を作って取り外しましょう(固着して張り付いている)
・排水口とアキレスジョイントの接続を外す必要はありません(床下排水管との接続が外れれば一緒に取れます)
・排水口(下部)の接続部にアキレスジョイント被せ外周の輪をドライバーで締めます。
・排水管にアキレスジョイントを被せ外周の輪をドライバーで締めます。
排水口が斜めにならないように気を付けましょう。
斜めのまま設置するとねじれて詰まりやすくなったり劣化を早めたりします。
・新しい防水パンの排水口の位置に排水口(下部)が合うようアキレスジョイントの固定位置を決めます(伸縮性があるので排水口の位置が少しずれても問題なく接続できます)
・排水口の位置を間違えないようにしましょう。
※特に難しい所ですので細心の注意を払って進める必要があります。
・防水パンを仮置きしたら排水口の穴から指の摩擦を使って排水口(下部)を防水パンにくっ付けます(指で支えている)
・排水口上部(輪っか)に反対の手を入れた状態で排水口下部を引き寄せている手と交換します。
・排水口上部の輪はネジ山になっていて排水口下部とネジの締め込みで接続しています。
・排水口上部の輪っかを締めます。この時に斜めに取り付けてしまわないように気を付けましょう。
・難しいポイントは防水パンの上から排水口下部を指で引き寄せないといけないところです。
・新しい防水パンを仮置きし4カ所の穴からマジックで床に印を付けます。
・防水パンをずらし印の部分にドリルビットを付けたインパクトドライバーで下穴を空けます。
・防水パンの穴に固定ビスを打ち込みます。1ヶ所毎に最後まで打ち込まず4ヶ所共に8~9割位まで打ち込みます。最後の1~2割はドライバーで締め込みましょう。
※最後までインパクトドライバーで締め込まないのかと言うと電動工具は力加減が難しいからです。
ビスの締め込みが終わってるのにそこへ更に力が加わると接続部を割ってしまう恐れがあります。
・カバーキャップを付けないとビス穴にゴミや埃が溜まりやすくなります。
・排水ホースを接続しましょう。
この時にねじれていないか洗濯機に踏まれていないかを良く確認しましょう。
・給水ホースは最初に洗濯機側に取り付け最後に洗濯水栓に取り付けるようにしましょう。
※洗濯水栓側を先に取付けると蛇口に負荷が掛かって水漏れなどの不具合を起こす可能性が高くなるからです。
・洗濯水栓は最初に少し開いて様子を見て接続部から水漏れが無ければ全開に開きましょう。
※水漏れがあった場合は洗濯水栓を閉めて再度接続し直してみましょう。
防水パンを持ち上げて床面の排水管を確認する時に床面の開口部が狭かったり排水管の切り回しなどが必要な場合は水道業者に依頼しましょう。
また洗濯は大量に水を使いますので一歩間違えると大惨事になってしまう事があるのを理解の上でDIYは行なうようにして下さい。
絶対に無理は禁物です。
ちなみに洗濯機の防水パンが無い所に新たに設置する場合は床の開口も大きくなりますし排水管も一部は新設しなければなりません。
新規で設置する場合は交換工事よりかなり費用がかかるということも頭の片隅に入れて置いていただければと思います。
作業内容を見てちょっと自信がない方や大変そうと思った場合は水道業者に依頼をすると良いでしょう。
それでは水道業者の選び方と費用の相場について見て行きましょう。
水道業者の選び方はいろいろとありますが失敗しない選び方をご紹介します。
水道業者を探す場合は「ホームページ」か「マグネット広告」だと思います。
マグネット広告では情報量が少な過ぎるのでどんな業者かは判断し難いですね。
ホームページを見れば「良さそう」「良くなさそう」という印象が感じられると思います。
まずは「良さそう」と思えた業者を3~5社ピックアップして電話で問い合わせてみましょう。
調べた水道業者が防水パンの交換を行なってるかどうかを確認しましょう。
確認の仕方は業者に電話やメールで聞くのが一番良いでしょう。
またこの時に概算でいくらぐらいするものか聞いてみると尚良いでしょう。
絞った業者に来てもらって見積もりを出してもらいましょう。この時に出張・見積もりが無料かどうかを必ず確認しましょう。
そして出張・見積もり無料の業者を呼んでもすぐに決めるのではなく最低2社以上から相見積もりを取るようにしましょう。
最低でも2社の見積もりがあれば見比べる事もでき悪質な業者に騙される可能性も減らせます。
※水道局でも水回りの修理や交換は相見積りを推奨してます。
洗濯機防水パンの交換費用はいくら位なのでしょか、それでは防水パン交換の費用相場(工賃相場)を見て行きましょう。
作業内容 | 概算の費用相場 |
---|---|
防水パン交換(床開口無し、アキレス交換のみ) | 15,000円~30,000円 |
防水パン交換(床開口有り、排水管切り回し有り) | 25,000円~40,000円 |
接続部の確認作業(調査費など) | 6,000円~10,000円 |
ただ防水パン下の状況を確認するには外して持ち上げてみないとわかりません。
どちらかわからない場合は事前に業者と良く話しをして「このケースはこの見積もり」というようにケースごとの見積もりを出してもらいましょう。
洗濯機の設置状況や種類によっては本体移動や工事が困難な場合もあって別途費用が掛かる場合もありますので必ず現地で見てもらった見積書をもとにしっかりと説明を受けて検討しましょう。
今回は洗濯機の防水パンについて詳しく解説してきました。
防水パンの交換は状況によってはDIYで行うことも可能な場合もあります。
DIYで行う際は意外と洗濯機の移動(撤去、設置)が大変です。
洗濯機がよく設置されている脱衣スペースもあまり広く無いですし洗濯機(特にドラム式洗濯機)が重いということもあり移動が大変で壁や床に傷を付けてしまいのもそうですが怪我をしないように注意しましょう。
防水パンの耐用年数は20年~25年位あるので防水パンの交換作業は一般の方が何回も行うものではありません。
DIYでも行なえなくはないと思いますが洗濯の排水量が多いのも相まってもしトラブルが起こった時は被害範囲が広くなってしまう可能性もあります。
よほどDIYに慣れてる方で無い限りは専門の水道業者にご相談ください。