サイト内検索
トイレのつまりは、つまった後にどう改善するかも大事ですがつまらせない為の予防も大事です。
そもそもつまりが起こらないことがベストなのです。
今回はトイレつまり改善実績が豊富なベテラン作業員による、裏技とも言えるトイレつまりの予防方法とトイレがつまった時、つまりが改善した時にプロが行うチェック方法をご紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
目次
それでは、トイレがつまってしまうトイレットペーパーのおおよそのデッドライン(使用量)やつまりやすいトイレットペーパーの流し方、つまりにくいトイレットペーパーの使い方、つまりにくいトイレットペーパーやつまりやすいトイレットペーパーの種類等々、裏技とも言える予防方法の数々をご紹介していきます。
トイレタンクの水は、レバーの「大」で流すと満水の水が流れます。
そして、排泄物やトイレットペーパー等、物体を流す為にはタンクの満水の水が必要になります。
まずはこれをしっかりと覚えて置いてください。
意外と無意識にやってしまうのが、「レバーでタンクの水を流した後にトイレットペーパーを入れる」という行為です。
どのようなことなのかを段階で説明して行きます。
・もう一度トイレットペーパーを使用して便器に流す
・手洗い管の水で手を洗い、トイレットペーパーで拭いて便器に流す等
最後の「レバーで水を流した後にトイレットペーパー便器に入れる」という行動の理由はそれぞれですが、この行為がトイレをつまらせる大きな危険性を持っています。
最初にもお伝えしましたが、「排泄物やトイレットペーパー等、物体を流す為にはタンクの満水の水が必要」なのに対して、水が流れている最中にトイレットペーパーを入れるということは、後入れしたトイレットペーパーを1/2、1/3の水量で流している事になります。
トイレットペーパーを入れるタイミングが遅ければ遅い程、少ない水量で流すことになるのでつまりの可能性が高くなります。
「いつもと同じ使い方をしているのにつまった」「トイレットペーパーを大量に流していないのにつまった」等、つまった原因に心当たりがないつまりを経験した方もいるでしょう。
その場合、無意識のうちにやっていたトイレットペーパーの後入れが起因しいていたという場合もあります。
「レバーで水を流した後にトイレットペーパーを入れたことがあるけど、便器の中から無くなったので大丈夫」と思っている方はいませんか?これは大きな間違いなのです。
トイレは「便器の中から無くなった=流れた」ではありません。
便器内はトラップ構造になっていて、封水のある便器の引き込み口付近は水が溜まっていますが、封水の水位から先の配管部分は空洞になっています。
そして、トイレ内は便器と床の接続部が狭くて凸凹しているので、水量の足りない状態で流れてきたトイレットペーパーはここに引っかかりやすいのです。
便器内に残ったトイレットペーパーは水の中にあればふやけて次にトイレを流した時、一緒に流れて行きます。
しかし、空洞である便器と床の接続部に引っかかると時間経過と共に乾燥して行き、次にトイレを流すまでの時間がかなり空くとへばり付いてしまうのです。
その状態だと排泄物やトイレットペーパーが流した時に引っかかる事があって、それが原因でつまりが起こってしまう事もあります。
トイレットペーパーの使い方は人それぞれで、人に聞いたり話したりする事ことでは無いですよね。
なので、自分のトイレットペーパーの使い方と他の人のトイレットペーパーの使い方が、同じか違うかもわからないものです。
しかし、使い方は大きく分けると3パターンに分類できるかと思います。
手をグルグル回転させるように巻き込みます。トイレットペーパーが内側に入っていく巻き方です。
折り返しながらトイレットペーパーを引き出していきます。アコーディオンの様に折りたたむ取り出し方です。
トイレットペーパーをどんどん出して行き、最後にクシャクシャにする取り出し方です。
それでは、3パターンの使い方で同じ量のトイレットペーパーを流した場合、つまりやすい、つまりにくいということはあるのでしょうか?
「同じ量ならどれも差はない」と思われる方もいると思います。
実は、これは間違いなのです。使い方によってつまりやすい、つまりにくい使い方がありますので以下で説明いたします。
トイレにつまりやすいのは「巻き込み型」で、つまりにくいのは「折りたたみ型とクシャクシャ型」です。
まず巻き込み型から説明すると、巻き込み型は使用していないトイレットペーパーと同じ様に巻かれるので、ほぐれにくく水で溶けにくいのです。
便器の中に残った場合、バラバラになることはほとんどなく、そのままの塊りとしてつまりとなります。
一方、折りたたみ型とクシャクシャ型は、水でほぐれやすく溶けやすいのです。
便器の中に残った場合でもバラバラになりやすく、次に流れてきた水と一緒に流れていきやすいです。
よって折りたたみ型とクシャクシャ型はつまりにくい方だと言えます。
使用するトイレットペーパーの量が少ないなら、どの使い方でもつまりやすい、つまりにくいという違いはありませんが、つまるかつまらないかギリギリの量の時には違いが出てくる事もあります。
過去にトイレがつまった事のある方、トイレがつまったことは無いが不安な方は、折りたたみ型かクシャクシャ型でトイレットペーパーを使うようにしてみましょう。
お住まいのトイレの種類や排水管の長さによってはトイレットペーパーの種類によってつまりやすい、つまりにくいものがあります。
そしてトイレットペーパーには「シングル」と「ダブル」という2つの種類があります。
実際、つまりやすいかどうかに関して、シングル・ダブルに差はないと思う方も多いと思います。
先述していますが、使用するトイレットペーパーの量が少ない場合は、シングルでもダブルでもつまりやすい、つまりにくいということはありません。
しかし、つまるかつまらないかギリギリの量の時には違いが出てくる場合があります。
それでは、つまりやすいトイレットペーパーとはどのようなトイレットペーパーなのか、それは「ダブルのトイレットペーパー」です。
そう言い切れるのは、実際に数多くのトイレがつまっている現場で作業をしてきたスタッフだから言えることなのです。
その根拠は「トイレがつまっている現場の8~9割程がダブルのトイレットペーパーを使用していた」からです。
もしかしたら各家庭で使われているトイレットペーパーもシングルよりダブルのトイレットペーパーの方が多いのかもしれませんね。
ダブルのトイレットペーパーは薄いペーパーが2枚重なっています。しかし、この重なっている1枚1枚は水で流した時に剥がれることはありません。
水で流した時に剥がれないのであれば、厚手のシングルペーパーを使っているのと一緒です。
当然、ダブルのペーパーよりシングルのペーパーの方が薄く溶けやすいので、同じメートル数を使うならシングルペーパーの方がつまりにくく、ダブルペーパーの方がつまりやすい訳です。
またダブルのトイレットペーパー中でも特につまりやすいのは、横から見た時に直径が長いトイレットペーパーです。
もちろん、同じメーター数で比較した場合です。
直径が長いというのはモコモコしているトイレットペーパーですね。
量の多いモコモコのダブルペーパーは水に濡れるとなかなか厄介な塊となります。
そして以下の方はシングルペーパーにすることをお勧めします。
シングル、ダブルを選ぶ時の基準は人それぞれだと思いますが、多くは肌触りなどではないでしょうか?
ダブルペーパーにこだわりがある方は無理に変える必要はありませんが、どちらでも良いという方はシングルの方が良いと思います。
過去にトイレがつまってしまった経験のある方でダブルペーパーを使用している方は、ぜひシングルペーパーに変更してみてください。
シングルとダブルはわずかな違いですが、この違いがつまる、つまらないという結果を分けることもあるのです。
また近年は節水型トイレが主流になっています。
節水型トイレは少ない水量で流せて水道代を抑えられるのが最大のメリットですが、トイレットペーパーを多めに流すと水量が少ないせいか以前よりもつまりやすくなってしまう場合もあります。
節水型トイレの場合は、トイレットペーパーの使い方や種類といった少しのリスク回避が意外と大事になってくる事もあるので是非、知っておいてください。
トイレットペーパーはどの位の量を流すとつまるのでしょうか?
もちろん、トイレの種類や使用年数によっても違いますが、量の目安が分からないと不安ですよね。
「トイレつまりの予防は大量のトイレットペーパーを流さないこと」だとしても、「大量」って人それぞれ感覚が違います。
例えば、トイレットペーパー一つ分が大量だと思う人もいれば、1/3位が大量と思う人もいます。
これでは「大量は注意」と言われても目安にならないですよね。
それでは具体的な、トイレがつまるトイレットペーパーの量のデッドラインを見て行きましょう。
トイレの種類 | つまりのデッドライン |
---|---|
二層式タンクトイレ(節水型トイレ) タンクレストイレ(節水型トイレ) |
ペーパーを引く回数が約10~15回分 |
防露式タンクトイレ | ペーパーを引く回数が15回~20回分 |
※回数の基準は、トイレットペーパーをペーパーホルダーから普通に1回引き出した量を「1回」としています。
※そしてトイレットペーパーのみの量です。排泄物があった場合は回数がもっと減ります。
まず二層式タンクトイレ(節水型トイレ)やタンクレストイレの場合は10回分ぐらいをイメージしたら良いでしょう。
10回を超えたらほとんどの節水型トイレでつまる可能性が上がるでしょう。
もし少ない回数でも度々つまってしまう場合は、相当つまりが起きやすい状況であるでしょう。
防露式タンクトイレは水量が多く、節水型のトイレよりつまりが起きにくいでしょう。
目安となるデッドラインは15回~20回分で、20回以上はどのトイレでもつまるリスクが非常に高いでしょう。
ただし、防露式タンクのトイレだからと言ってトイレットペーパーを多く流すのはリスクしかありません。
皆さんのなかにはペーパー量がどの位なのかイメージできない方もいると思いますが、10~15回くらい巻くと実際はかなり多いです。
「この量がつまらないで流れるの?」と思うかもしれませんが、試しにたくさん巻いて本当につまるのか流すのはリスクがあるので絶対に止めましょう。
あくまでも目安であることを忘れないでください。
トイレつまりは水漏れと違って原因や程度、場所が分かりにくいトラブルです。
つまったからと言って、何も確認せずに作業をするということをプロはしません。
何故なら、トイレがつまってしまった時に便器側からいくら作業をしても、つまっている原因が屋外の排水管や汚水マスだったら全く意味のない作業となってしまうからです。
プロは作業の前にいろいろとチェックをして原因・つまりの程度・場所を絞り込んでから、その症状に合う作業を行います。
ここではプロが行うチェック方法をご紹介します。
DIYをするにしても水道業者に依頼するにしても、どちらにも役立つ内容なので、ぜひ参考にしてみてください。
まず便器内のつまり方をチェックします。
つまり方は大きく分けると3パターンに分けられます。
それではそれぞれのつまり方と想定できる原因をご紹介します。
尚、物落としによるつまりの場合は今回除き、原因不明のつまりのチェックを見て行きます。
便器内のつまり方 | 原因 | 特徴 | |
---|---|---|---|
① | 便器内に水が溜まり、ほとんど引かない | 排泄物、(トイレットペーパー) | 便器内でつまっている事が多い、ラバーカップでも解消できる場合がある。 |
② | 便器内に水が溜まり、時間が経つと無くなっている | 固形物、トイレットペーパー | ペーパーはなが排水管や汚水マスでつまっている可能性有り |
③ | 便器内に水は溜まるが、すぐに無くなる | 排泄物、トイレットペーパー、木の根 | つまりの量がかなり多い。排水管か汚水マスでつまっている可能性有り。 |
便器のつまり方を確認したら、次に汚水マスをチェックします。
マンションやアパートの場合は確認できないかと思いますが、一戸建ての場合は必ず確認した方が良いでしょう。
ただしマンションやアパートでも1階の場合は確認できるようならしてみましょう。
汚水マスはいくつか設置されてる事がありましてトイレであればトイレ裏の付近にあることが多いです。
マスは小さなマンホールのような物で、下水管の曲がり角や合流地点にある点検口になります。
ただお住まいの構造によっては桝が無いケースもあります。
汚水マスのフタを開けて中をチェックします。
汚水マス内が空洞になっている場合は、マスのつまりはないということになります。
マスの中につまりの元が有ったりマス内に水が溜まったりしている場合は、汚水マスか排水管のつまりが起こってる状況でしょう。
汚水マスは普通に見つかれば良いのですが、家によっては見つからないということがあります。
その原因は2つ考えられます。
汚水マスが土や砂利の下に埋まってしまっているケースも良くあります。
マスは点検口なので、基本的にいつでも確認できる状態でなければいけません。
探し方はドライバーなど細長く硬い物で地面をグサグサと差して行きます。
固い物に当たった場合は汚水マスのフタである可能性が高いので、その周囲をシャベルで掘って見つけます。
注意点としては周囲の状況を見て、地中に他の配管が無いかを確認してから行います。
他の配管がありそうな場合は、ドライバーは使わずにシャベルで少しずつ慎重に掘って見つけるようにします。
基本的に、トイレ周辺に汚水マスはあるべきですが、家の状況によっては無いこともあります。
探しても無い場合は、他のマスを確認してみましょう。
尚、他のマスでつまっている場合は、トイレだけでなく他の水回りもつまっている可能性があります。
他のマスにつまりが無い場合は便器のつまり方で判断するしかありません。
トイレのつまり方と汚水マスの状態からつまりの原因・程度・場所を導き出し、改善に必要な作業を特定します。
※家によっては排水マスがない場合もありますので、その場合は水道業者にご相談下さい。
トイレのつまりが改善した後に確認をしますが、水を流すだけでは本当につまりが解消したのかを判断することは出来ません。
もし、つまりが取り切れていない場合、水は流れたとしてもトイレを使用して排泄物やトイレットペーパーを流すとすぐにつまってしまうということも考えられるからです。
こうならない為にプロが行なうチェック方法をご紹介します。
先述しましたが、つまりが解消した後に水を流すだけのチェックでは不十分です。
必ずトイレットペーパーを流してチェックします。
節水型トイレであれば5~7回分のトイレットペーパー、防露式タンクトイレであれば8~10回分のトイレットペーパーの量を流してみます。
そして2~3回は試しましょう。
ちなみに防露式タンクトイレであればもっと多めに流しても大丈夫でしょうが、必要以上に流してもトイレットペーパーが無駄になってしまいますね。
このぐらいのトイレットペーパーの量がしっかり流れないようであればつまりを取り切れていない可能性があります。
チェックで流したトイレットペーパーが、汚水マスにちゃんと流れて来ているかを確認します。
便器から流した量のトイレットペーパーがそのまま汚水マスまで流れて来ないといけません。
もし流れてくるペーパーの量が減っている場合は、便器内か排水管のどこかに残っているということになります。
しかし、このチェックは一人では出来ないチェックです。
一人は便器にトイレットペーパーを入れて流す、もう一人は汚水マスを開けて流れてくるのを確認するというように役割分担してチェックします。
作業員が一人で伺う時、お客様に協力していただきトイレを流してもらって汚水マスを確認する事もあります。
トイレットペーパーを入れてレバーで合計2~3回流しますが、流れとしては、1回目は便器の流れ方をチェックして、2~3回目は汚水マスをチェックするという感じです。
このチェックをして問題なければ、つまりが解消したと言って良いでしょう。
トイレットペーパーに特化したつまりの予防と、トイレのつまりが起きた時と改善した後のプロが行うチェック方法についてご紹介してきました。
どれも実際に数多くの現場で対応したことによって出てきた内容なので「初めて聞く」という方は多かったのではないでしょうか?
トイレットペーパーの使い方や種類に関しては細かい部分ですが、今までにトイレがつまったことのある方はぜひ実践してみてください。
トイレットペーパーの量のデッドラインに関して、おおよそ節水型トイレが約10~15回分、防露式タンクトイレが15回~20回分とご説明しましたが、これはあくまでもトイレットペーパーだけの量ですので排泄物を流す際はもっと少ないと考えてくださいね。
トイレのつまりは、つまった後にどう改善するかも大事ですが普段からつまらせない為の予防も大切です。
つまり予防を心掛け、実践することによってトイレがつまるリスクは大きく下がると思います。
もし原因に心当たりがないのに良くトイレがつまるなどの症状が出てる場合は、排水管や排水マスのトラブルの可能性もあるので、早めに水道業者にご相談くださいね。