サイト内検索
夏の暑い時期に冷たい飲み物が注がれたグラスの表面に水滴がつく、結露と言ったらこのような光景を思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。
しかし結露は発生場所によっては厄介なものなのです。
今回は厄介な場所の一つであるトイレでの結露について原因や症状から結露防止対策までご紹介いたします。
ぜひ最後までお読みください。
目次
まずは「結露」というものについて説明しますね。
結露とは一体何でどういう状況の時に発生するのか結露によるトラブルにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
目に見えませんが空気中には水蒸気が含まれています。
結露は空気中に含まれている水蒸気がある条件により物体の表面に水となって現れる現象です。
水蒸気には飽和水蒸気量というものがあります。
飽和水蒸気量とは1㎥の空間に存在できる水蒸気の質量をg(グラム)で表したもので温度が低い程飽和水蒸気量は小さくなります。
露点とは水蒸気(気体)から水(液体)に状態が変化する温度のことを言います。
この露点を超えて水蒸気が水になるという現象が結露と言われるものです。
具体例で言うとトイレの温度が20℃で湿度が60%だった場合の露点温度は10.4℃となりタンクや窓の表面温度が10.4℃を下回ると結露が発生します。
結露は発生する場所と結露の量によって被害が起きる場合もあります。
結露は水漏れではありませんが結露の量によっては水漏れといって良いくらいに濡れてしまう事もあります。
また水量の多い結露はそのままにしておくと様々な被害が起こる場合があります。
特にカビは結露量が少なくても換気がよく出来ない場所であれば発生しやすいです。
サビ、及び壁紙がふやけたり床に染みが出来るという被害は結露量が多い場合に起こることがあります。
結露を放置してしまうと次のようなトラブルが起こる可能性があります。
タンクと便器を固定している密結ボルトという部材があります。
密結ボルトは金属の物が多くタンクの結露でサビが発生して酷い場合には破損してしまうことがあります。
密結ボルトの交換だけで済めばまだ良いですが固定部分のボルトが破損することによってグラグラした状態になってしまいます。
もしグラついてタンクが破損してしまうとタンクもしくは便器もセットで交換が必要になってしまう事があります。
配管は結露でサビが発生するとその部分が脆くなります。
配管でも特に注意したいのが化粧管です。
化粧管の接続部はネジ山になっていてネジ山の凹み部は管が薄くなっているので結露によるサビで脆くなると破損する危険性があるのです。
もし化粧管が破損すると水が噴き出してくるので壁や床にも大きな被害が生じます。
結露によって壁紙がふやける床に染みができるなどの現象が起きると高い確率でカビが発生します。
壁紙でカビが発生すると見た目はもちろん衛生的にも良くありません。
薬品などでカビが取れない場合には壁紙や床のクッションフロアを交換しないといけません。
結露だからといって放置してしまうと以上のようなトラブルが起こるリスクがあることを知っておきましょう。
結露自体が発生しやすい季節は「夏」と「冬」ですがトイレでは冬の方が結露は発生しやすいです。
ではその理由を見ていきましょう。
以上の理由により、トイレでは冬に結露が発生しやすいのです。
ちなみに夏の特徴は窓を空けて換気が出来るので空気がこもらない水の温度が高い(ぬるい)外気温が高い冷房で家全体の室温が低いといったことが挙げられます。
特に水がぬるいという状態は水温と気温、室温との寒暖差が小さいので冬に比べて結露の量は少なくなるのです。
トイレで結露が発生する場所はどこなのでしょうか。
結露が発生する場所は主に4つありますが、ここでは発生する場所とその原因について見ていきましょう。
トイレ配管とは壁や床から出てきていてトイレタンクに接続している給水管のことを指します。
トイレ配管は化粧管、止水栓、給水接続管から成っていて化粧管は壁中や床下の給水管(本管)から止水栓に接続している管、止水栓は化粧管と給水接続管の間にある部材、給水接続管は止水栓からタンクに接続している管です。
・結露が発生する原因
冬は外気温だけでなく給水管の水温も低いですが部屋内の暖房等でトイレの室温も暖かくなっているとトイレ配管と室温の寒暖差が大きくなり結露が発生します。
トイレ配管は金属を使っているので熱伝導率が高くて水温が低くなれば低くなるほど配管表面の温度も低くなります。
配管表面の温度とトイレ室温の差が大きければ大きい程に結露量も増えます。
※別のトイレ配管では「洗浄管」という配管もあります。
洗浄管は便器とタンクを繋いでいる管でユニットバスや古いトイレで使われていることがよくあります。
洗浄管は金属ですがトイレを流す時にしか水が通らないので結露量は少なめです。
トイレタンクは常に水が溜まっているので結露を防ぐ構造になっています。タンクの構造には大きく分けると2つのタイプがあります。
1)防露式タンク
防露式タンクとはタンクの内側に「防露(ぼうろ)」というものが付いています。
防露は名前の通り「結露を防ぐ」ためのもので素材はウレタン製か発砲スチロール製で出来ている結露防止材です。
防露があることにより水の冷たさが外気に接している陶器に直接伝わらないので水温が原因として起きる結露は発生しません。
2)二重構造式タンク
二重構造式タンクとは外側の陶器タンクの内側にプラスチック製タンクがあるタンクのことです。
水を溜める内側のタンクと外気に触れる外側のタンクの間に空気の壁を作ることにより水の冷たさが外気に接している陶器に直接伝わらないようにしてます。
※ただし、両タンク共に水温が原因でない結露が発生する場合もあります。
それは部屋のエアコンによりトイレの室温とタンク表面の温度に大きな温度差が生じる時です。
トイレ室は水を使用しているので湿度が高めですが家よっては立地や建物の構造の関係でより湿度が高くなる場合もあります。
そのような条件が重なるとタンク表面に結露が発生します。
また防露式タンクの場合は防露がめくれ上がってタンクと防露の間に水が入ると結露が発生しやすくなります。
タンクの素材である陶器は金属に比べて熱伝導率は高くありませんがそれでも寒暖差が大きくなると結露が発生します。
便器は構造上、外気に接している外側にトイレの水が触れることはありません。
便器の内側は空洞になっていて便器の水が流れて行く部分と外側の部分の間には空気の壁があるので水温が原因として起こる結露は発生しません。
タンク部分でも説明していますが部屋のエアコンによりトイレの室温と便器表面の温度に大きな温度差が生じると結露が発生する事があります。
窓やドアに水が触れることはないので水温が原因で起きる結露は発生しません。
しかしエアコン等でトイレの室温と窓やドアノブ表面の温度に大きな温度差が生じると結露が発生します。
窓は外と室内を隔てているので外気温と室温で大きな温度差が生じて結露が発生しやすいでしょう。
ドアノブは金属が使用されていることが多くドアノブ表面の温度と室温で大きな温度差が生じると結露が発生します。
トイレではないですが別件としてエアコンから出てくる水はどのような水なのでしょうか?エアコンの水について少しご説明いたします。
エアコンにはドレン管という排水の管が設置されていますがこのドレン管から出てくる水は結露です。
特に水量が多くなるのは夏の時期でクーラーを長時間使用しているとかなりの量の水が出てきます。
ドレン管は細く埃などが蓄積すると詰まってしまうことがありドレン管が詰まると水が排水されないのでエアコン本体から水が漏れてきます。
もし起こってしまったらエアコンの下の物をどかしてタオル等を敷いてエアコン業者や電気屋さんに依頼して直してもらいましょう。
詰まり原因の多くが埃溜まりなので予防としてはこまめにエアコンフィルターの掃除をするということです。
トイレ内の結露は配管、タンク、便器、窓やドアと色々な所に発生しますが結露防止対策として一番の核をなすのがトイレ室の湿度を下げるということです。
ではトイレ室の湿度を下げるにはどのような方法があるのかを見ていきましょう。
トイレ室のドアや窓を開けて換気を行います。
結露が発生しているということはトイレ室の湿度が高くなっていますので換気をして湿度を下げることで結露を防ぎます。
トイレのドアと窓の両方を開けておくとより空気が動くのでしっかりと換気ができるでしょう。
トイレに窓がない場合は天井か壁の上方に設置されている換気扇を回します。
ただし換気扇に埃が溜まっていると換気能力が下がってしまい効果が弱まってしまいます。
ドアノブ自体に結露は多く発生しませんがカバーを取り付けることによって結露はほとんど発生しなくなるでしょう。
湿度を下げる為には換気が必要不可欠です。
結露防止対策①~③は簡単にできる結露防止対策なので今すぐにでも出来ます。
トイレの結露にお困りの方はぜひ試してみて下さい。
結露対策として効果的なグッズを5つご紹介します。まずは一覧表をご覧ください。
・トイレの結露対策グッズおすすめ5選
NO. | 商品名 | 効果 | 使用場所 |
---|---|---|---|
1 | 置くだけ簡単 結露のお悩み 110番 | 結露の吸水 | 便器、窓 |
2 | 結露ブロッカー3S | コーティングによる結露防止 | 便器、タンク、配管、窓、ドア |
3 | Hysure-T8PLUS | コンパクト除湿器 | トイレ室 |
4 | トイレのすきまテープ | 結露の吸水 | 便器 |
5 | ブルームガーデン | 結露の吸水 | 窓 |
それでは一つずつ、詳しく見ていきましょう。
細長い俵状の吸水商品。
窓の下や便器と床の隙間辺りに設置する。
結露により水が垂れて来てもこの商品が水を吸うので窓下の壁や便器付近の床に水が沁み込まない。
天日で乾燥すれば繰り返しの使用も可能。
スプレータイプ。対象の場所にスプレーして伸ばすことでコーティングが出来、結露を防止する。
ホテルや旅館の窓ガラスにも使用されている。
便器、タンク、配管、窓、ドアといったトイレ室の全ての場所で使用できる。
コンパクトな除湿器。トイレ室の除湿を行うことによって結露の発生を防ぐ。
コンパクトだが2000㎖の大容量タンクが搭載されている。
自動停止機能が付いている為、ほぼ満水になったら自動的に運転を停止し、ランプの点滅で知らせてくれるので外出時や睡眠時にも安心。
運転音も静か。
貼るタイプのテープ。
便器と床の隙間に設置する。結露により水が垂れて来ても、この商品が水を吸うので便器付近の床に水が沁み込まない。
便器専用の商品なので、便器の曲面も取り付けやすい切り込みが付いている。
貼るタイプのフィルムシート。窓ガラスの下部に貼り付ける。
結露により水が垂れて来ても、この商品が水を吸うので窓下の壁に水が沁み込まない。
ロールタイプなので好みの長さにカットして使える。
両面印刷なので外から見ても模様が見える
便器やタンクに結露が発生しても小量であれば気になったらタオルで拭き取るという対処で問題ないと思いますが大量に結露して水が出てくるようでは何かしらの対策をしなければいけません。
賃貸物件に住んでいる場合は管理会社に相談しましょう。
例えばそのまま放置していてトイレの壁紙がカビだらけになっていた場合は退去時に敷金から引かれることがあります。
敷金が無い物件の場合は入居者過失として修理代を請求されてしまうといったことがあるかもしれませんので結露が酷いと思ったら放置するのではなく早めに管理会社に連絡して対処をしてもらいましょう。
結露は水漏れではありませんので基本的に修理をするという内容ではありません。
結露を改善するには対策を講じるということが基本になりますが以下の状態の場合は水道業者に依頼をして見てもらいましょう。
タンクの防露がはがれていて結露が発生する場合は水道業者に依頼します。
防露のはがれが少なくかつ防露が変形していなければコーキングで修理ができる事もあります。
しかし防露のはがれが大きかったり変形している場合はタンクの交換が必要になります。
しかもタンクが10年以上経っている場合は製造を終了している可能性が高く、基本的に便器とタンクは一対なので他のタンクはつきません。
タンクの製造が終了している場合は便器とタンクの交換が必要になります。
自分で確認した時に結露なのか水漏れなのかがわからないケースもあると思いますが思い込みで判断しないようにしましょう。
「水が垂れてくる量も多くないし結露だろう」というように思い込みで判断してしまうと危険です。
もし水漏れだった場合に時間経過と共に漏れる量が多くなり水道業者に依頼した時には症状が酷くなって修理費用も高くなるということが起きるかもしれません。
気付いた時に水道業者に依頼していれば症状や被害も軽く修理費用も安く済んでいたと言う事になるかもしれません。
それでは結露か水漏れかを判断する確認方法について「便器と床の間に水が溜まっている」時を例にご説明します。
便器と床の間に水が溜まっていて拭いても水が出てくるという場合に水漏れと判断して水道業者に依頼するという方も多いのではないでしょうか。
実はまだこの段階では水漏れか結露かの判断はできません。
判断するにはどうしたら良いのかと言うとそれは便器の側面を触ってみることです。
便器の側面が全体的に濡れている場合は結露による水溜まりと判断して良いでしょう。
逆に便器の側面が濡れていない、又はある一カ所だけ濡れているという場合はどこからか水漏れが起きていると判断して良いと思います。
その場合は水道業者に依頼をするようにしましょう。
トイレの結露について紹介してきましたが
効果的かつ簡単な結露防止策は「換気をする」ということです。
トイレの窓やドアを開けたりトイレを使用していない時も換気扇を回したりとトイレの空気を動かすようにしましょう。
結露防止対策だけで改善しない時には結露対策グッズを使用してみましょう。
特に冬や夏はトイレ掃除のタイミングで結露が発生しているかどうかをチェックしてみると良いと思います。
チェックする場所は便器、タンク、配管、窓、壁や床です。
結露による被害のリスクを把握しタンクの防露はがれや結露か水漏れかがわからない時は早めに専門の水道業者に見てもらうと良いでしょう。
トイレに最も結露が発生しやすい状況は冬にトイレ室が暖まり過ぎているという状況です。
もし結露が発生していてこの状況に当てはまる時はトイレ室が暖まり過ぎないよう暖房を調整してみてください。
外気温や水温は調整できませんが室温は調整できます。
結露にお困りの方は室温の調整を心がけてみてください。