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トイレでは様々なトラブルが起きますが、その中でも「トイレのタンクが割れた」と言うトラブルは重度のトラブルと言えるでしょう。
このトラブルの発生件数ではそこまで多くありませんが、確実に発生しているトイレトラブルの一つです。
では実際に、家のトイレタンクが割れてしまったらどうしたら良いと思いますか?恐らく想像すらしたことないという方がほとんどだと思います。
タンクが割れるというあまりにも衝撃的な状況にパニックに陥ってしまう方もいるでしょう。
そうならない為にもトイレタンクが割れてしまった時にどうすれば良いのかを知っておく必要があります。
今回はトイレのタンクが割れた場合の原因や対処、応急処置や修理費用相場まで、様々な点から詳しく解説して行きます。
目次
まず、トイレのタンクはどんな素材で出来ているかを見て行きましょう。
大きく分けると陶器製、樹脂製の2種類のタイプがあります。
トイレタンクは基本的にこのどちらかが使われています。
そして便器もタンク同様に陶器製か樹脂製、2つのタイプがあります。
では、タンクと便器の素材の組み合わせにはどのようなパターンがあるのでしょう。
タンク | 便器 | 商品例 | ||
---|---|---|---|---|
陶器製 | 陶器製 | TOTO | ピュアレスト | ノーマルなタンク式トイレ |
樹脂製 | 陶器製 | LIXIL | アメ―ジュZA | タンクシャワートイレ一体型 |
樹脂製 | Panasonic | アラウーノ | タンクレストイレ |
※タンクは表面の素材とします。
二層式のタンクで外側が陶器、内側が樹脂と言う場合は陶器に分類され、外側が樹脂の場合は樹脂に分類されます。
では、それぞれを見て行きましょう。
陶器タンク+陶器便器のトイレは最も設置数の多いパターンです。
トイレは陶器という印象の方も多いと思いますが、昔のトイレはほとんどがこのパターンでした。
便器、タンク、便座がセパレートになっているノーマルなタンク式トイレで良く使われています。
このパターンはとても多いので商品例を挙げればキリがありませんが、代表的な物はTOTOのピュアレストやLIXILのアメ―ジュリモデルといったところです。
樹脂タンク+陶器便器のトイレは、タンクと温水洗浄便座の一体型タイプや3点ユニットバス内のトイレなどで使われています。
ユニットバス以外でも便器、タンク、便座のセパレートタイプで樹脂タンクが使われていることがありますが、非常に少ないケースです。
このパターンの商品例はLIXILのアメ―ジュZA、タンクシャワートイレ一体型などです。
樹脂便器はどんな物かというとタンクレストイレで使われていることがあります。
商品例はPanasonic のタンクレストイレ、アラウーノなどです。
補足として、便器が樹脂製でタンク式の物はほとんど見かけません。
理由は重量が考えられます。
樹脂製の便器とタンクは共に軽い重量ですが、タンクには水を溜める為、共に樹脂だとタンクの重量は便器より重くなってしまいます。
タンク側の重量が重くなるとバランスが悪くなって不安定になるので、取り入れられないのでしょう。
樹脂製の便器に陶器製のタンクであれば尚のことです。
陶器製と樹脂製のタンクがあることを見てきましたが、タンクが割れるのはどのタンクなのでしょうか?
陶器タンク?樹脂タンク?それとも両方?
答えは両方です。
ただし、割れやすいのは圧倒的に陶器タンクです。
次の項目ではタンクが割れる原因について解説して行きます。
「タンクが割れた」という状態には、軽度な割れ方から重度な割れ方まで様々な割れ方があります。
まずは「割れ方」について見て行きたいと思います。
割れ方には大きく分けると2つの種類があります。
それは「ひび割れ」と「分離割れ」です。
ひび割れはタンクにひびが入っている状態で、分離割れはタンクが2つに分かれている状態です。
分離割れはタンクが真っ二つになるような大きな割れ方から、少し端が欠けるような.小さな割れ方まであります。
そしてタンクが割れた時に重要なポイントが一つあります。
それは水漏れの有無です。
割れ方だけでなく割れた場所にもよりますが、水漏れが起きているのと起きていないのとではその後の対応が大きく変わります。
それではタンクが割れる原因について見て行きましょう。
タンクが割れる原因は主に「衝撃が加わる」か「経年劣化」のいずれか両方です。
ちなみに便器であればこれに「急激な温度変化」も加わります。
では具体的にタンクが割れる時の行動原因を見て行きますが、大きく3つに分類できます。
では、それぞれの原因を詳しく解説して行きます。
「タンクにぶつかる」というのは人体がタンクに強く当たるケースです。
これは以下のような状態の時に起こります。
主に酔っている時や寝起きでボーっとしている時などに起きやすくなっています。
また、トイレで体調が悪くなった時などにも起こることがあります。
物が落ちる、当たるなどしてタンクに衝撃が加わって割れるというケースです。
これは以下のような状態の時に起こります。
タンクの上で何か作業をしている時に良く起こります。
特に固く重量のある物が当たると簡単に割れてしまいます。
このケースは陶器タンクだけでなく、樹脂タンクでも起きることがあります。
上のケースに絡む部分もありますが、自分でトイレの修理をした時にタンクを割ってしまうこともあります。
中でも多いのが「タンクのフタ落とし」と「タンク脱着時のナットの締め過ぎ」です。
トイレタンクの部品を交換する時には必ずタンクの蓋を取り外します。
このタンクの蓋の取り扱いには細心の注意が必要となります。
陶器製の場合、タンクの蓋はとても重くなっています。
それでは、タンクの蓋が割れる恐れのある状態を見て行きましょう。
タンクの蓋は重いので、少し手を滑らせただけでも簡単に落ちてしまいます。
濡れた手で取り扱うとタンクの蓋を落とすリスクが高くなるので要注意です。
落とした場合、タンクの蓋はほぼほぼ割れてしまします。
壁にタンクの蓋を立てかける行為もやめましょう。
立てかけたタンク蓋は意外と簡単に倒れてしまいます。
タンクの蓋をずらしたまま修理作業をするのは落としてしまう可能性が高いのでNGです。
タンク内の作業をする時は必ずタンクの蓋を一度取り外してから行なってください。
トイレタンクだけでなく蓋まで割れたら大変ですね。水漏れ修理をしたことによってタンクの蓋を割ることの無い様に気を付けましょう。
トイレタンクを便器に取り付ける時は、便器に空いている穴にタンクから伸びる2本の密結ボルトを差し込み、下からナットで締めて固定します。
この時、タンクがグラつかない様にナットを締め込みますが、強く締め過ぎてタンクや便器を割ってしまうことがあります。
密結タイプのトイレではタンクと便器の接続部に密結パッキンと言う大きなパッキンを使用しており、それがクッション材になっています。
しかし、密結パッキンは経年劣化でゴムが固くなり、潰れたまま変形することがあります。
タンクの脱着をした時に固くて潰れた密結パッキンを再利用してしまうとナットを強く締め過ぎた時に割れてしまうことがあります。
そして特に注意が必要なのはディストリビュータータイプのトイレです。
ディストリビュータータイプはタンクと便器の間にクッションとなる物がない為、陶器と陶器をボルトで固定します。
なので強く締めてしまうと簡単に割れてしまうので注意が必要になります。
タンクに付随するものとしては便器と便座(温水洗浄便座含む)があります。
そして、この2つも割れることがあります。
共に共通する原因としては便器・便座の上に足で乗ったりする時です。
例えばトイレ室の電球が切れて変える時、トイレ室の天井を掃除する時など。
便座(温水洗浄便座含む)の上に乗った場合は、高い確率で割れるでしょう。
尚、便器が割れる原因の「急激な温度変化」とは便器に熱湯を流すことです。
特に冬場で陶器が冷たくなっている時に100℃に近い熱湯を流すと割れる恐れがあります。
タンクが割れた時、タンクが割れているのを発見した時はまず「第一対応」を行う必要があります。
タンクが割れている時の第一対応は以下の通りです。
割れている場合は早急に止水栓を閉めます。
割れている場所、または周囲に水漏れがあるかどうかを確認します。
水漏れしていても水漏れしていなくてもタンクは空にしておきます。
タンクが割れた時、タンクが割れているのを発見した時はまず止水栓を閉めます。
止水栓の周囲に物があるといざという時に使いにくくなりますので、止水栓はいつでも動かしやすい状態にしておきましょう。
止水栓を閉めたら水漏れしているかどうかを確認します。
まずは割れている場所をチェックしましょう。
次に周囲、及び床を良くチェックします。
割れている場所によっては目視しにくいケースもありますが、水が漏れていれば床に垂れますので必ず床も確認しましょう。
水漏れの有無で応急処置の内容も変わってきますので、しっかり確認しておきましょう。
水漏れのチェックが終わったら水漏れの有無に関わらず、レバーで水を流してタンク内を空にします。
割れた場所が水漏れしていなくても、いつ悪化して水漏れし出すか分かりませんのでそのリスクは回避しておきます。
それでは次にトイレタンクが割れた時の応急処置方法を見て行きます。
今回ご紹介するのは以下の補修材を使った応急処置方法です。
応急処置方法 | 内容 |
---|---|
パテによる応急処置 | 割れた部分にパテを塗る |
コーキングによる応急処置 | 割れた部分にコーキングを塗る |
テープによる応急処置 | 割れた部分をテープで覆う |
では、それぞれの応急処理方法を詳しく見て行きましょう。
パテは粘土状のものから半液体状の物まである補修材です。
損傷部にパテを塗ると時間経過と共に硬化し損傷部を埋めます。
種類は多数ありますが、タンク割れの補修であれば水回りでも使えるパテが良いでしょう。
パテによる補修の注意点は、パテを破損部に塗り込んでいる時に圧力をかけすぎて、より割れを大きくしてしまわないことです。
後はパテがいびつになると見た目が良くないので、ヘラ等を使うとキレイに塗ることができます。
パテは乾燥するととても固くなる強い補修材ですが、破損部を隙間なく埋められるかどうかがポイントになります。
コーキングは、最初は絵の具のような質感ですが、時間経過と共に硬化し、最終的にゴムになる補修材です。
コーキング材はガンタイプとチューブタイプがあり、DIYで行う場合はチューブタイプが使いやすくおススメです。
コーキングは接着剤ではなく隙間を埋める充填剤です、なのでひび割れには効果的ですが分離割れには向いていません。
補修材の中でも柔らかさは特徴的で、どんなにいびつな形のひび割れでも隙間なくコーキング材を塗布することができます。
コーキングによる補修の注意点は、水気に弱いということです。
塗布部が濡れているとコーキング材が溶けて上手く塗れなくなります、また塗布できても固まるまで通常よりも長い時間がかかります。
なので水漏れがあるタンク割れには向いていません。
コーキングは小さなひび割れの補修に効果的な補修材です。
タンクが割れてしまった時に一番想像しやすい応急処置方法がテープによる補修だと思います。
トイレタンクに限らず、家にある物がひび割れしたり分離割れしたりした時もテープを使う人が多いのではないでしょうか。
テープの中でもパッと思い浮かぶのは「ガムテープ」でしょうが、タンク割れの補修には向いていません。
タンク割れのテープ補修で効果的なのは「ブチルテープ」や「ゴリラテープ」等です。
どちらも水に強く、粘着度と強度に優れたテープです。
テープ補修は平面の割れには効果的ですが、曲が角の割れには向いていません(キレイにテープを貼りにくい)
他の補修材とテープの一番の違いは時間です。
他の補修材は硬化させる為に半日から丸一日ほどかかりますが、テープは貼り付けたらすぐに使えるのが利点です。
テープを貼る時はシワにならない様に貼ることが大事ですが、それでも他の補修材と比べれば簡単な応急処置方法と言えるでしょう。
応急処置はした方が良いですが、デメリットの面も理解しておきましょう。
まず一つは「余計に悪化させてしまう恐れもある」という点です。
陶器が割れている場合、力の加わり方次第で割れ幅が大きくなってしまうことがあるので注意が必要です。
もう一つは「応急処置が上手く出来た時に修理が出来たと勘違いしてしまう」という点です。
応急処置はあくまでも応急処置であって修理ではありません、必ずタンクの交換が必要になります。
しかし、応急処置が上手く出来、使っても全く問題が無いと「直った」と勘違いしやすくなります。
応急処置のまま放置していたらいつか再発し、再発した時は最初の時よりもひどい割れ方、ひどい水漏れが起きてしまします。
タンクが割れてしまった時の改善方法はタンクの交換しかありません。
陶器でも樹脂でも割れてしまった物は元には戻りません。
ただし、タンクの交換ができない場合もあります。
タンクの交換ができない場合は、メーカーで生産中止、及び在庫品が無くなっていた時です。
これは使っていた年数が長ければ長い程、起こる確率が高くなります。
メーカーにもよりますがトイレは販売開始から10年程で生産中止となることが多い様です。
ただし、生産中止後にすぐ交換ができなくなる訳ではなく、数年は在庫として保管をしています。
その分を考えても15年以上経っているトイレタンクは交換できるタンクが存在していない可能性が高くなります。
この場合は便器とタンク、セットでの交換が必要になります。
トイレタンク割れを業者に依頼した場合は一体いくらかかるのでしょうか?
応急処置から便器・タンク交換までの費用相場をご紹介いたします。
以下をご覧ください。
タンク割れの修理内容 | 作業工賃の費用相場 |
---|---|
パテ補修作業 | 8,000円~15,000円位 |
コーキング補修作業 | 8,000円~15,000円位 |
テープ補修作業 | 8,000円~15,000円位 |
タンク交換作業 | 20,000円~25,000円位 |
便器・タンク交換作業 | 25,000円~35,000円位 |
タンク交換と便器・タンク交換は作業の費用ですが、別途材料代がかかります。
タンクや便器の値段はメーカーによって様々ですが、平均的にはタンクが30,000円~40,000円位、便器が40,000円~50,000円の物が多いようです。
修理に掛かる費用が高いからと先延ばしにすればするほど再発した時の被害が大きくなり、結果的に費用も大きくなってしまう事があります。
今回はトイレタンクが割れてしまった時の対処方法をご紹介して来ました。
タンクが割れてしまった時は「止水栓を閉める」「水漏れ有無を確認する」「タンクを空にする」という第一対応を行い、可能であればパテ、コーキング、テープなどの補修材を使った応急処置を行うという方法です。
特に水漏れが無い場合のタンク割れ効果的です。
尚、タンクが真っ二つになる様な大きな割れ方をした場合は復元するのがかなり難しいので、補修材で無理に応急処置をせず、早めに水道業者に連絡しましょう。