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最近では見かけることも少なくなった和式トイレ。
ただ和式トイレが完全に無くなった訳ではなく現在も和式トイレを設置している場所があります。
今回は和式トイレの詰まる原因や詰まり解消に必要な道具や自分で行なうつまりの解消方法から水道業者に頼んだ場合の費用目安まで和式トイレ詰まりに関することを徹底解説して行きますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
和式トイレは古いトイレや昔のトイレというイメージが強いのではないでしょうか。
確かにそれは間違いではなく昔は多かった和式トイレも現在では多くが洋式トイレになっています。
現在の和式トイレの出荷率は全体の1%未満で99%が洋式トイレです。
数は少ないですが和式トイレの生産が中止になっている訳でもなく現役であることもまた事実です。
和式トイレは簡単に説明すると「便座が無くしゃがんで用を足すタイプのトイレ」のことを言います。
それでは和式トイレの構造や種類と設置されている場所などを見ていきたいと思います。
和式トイレは便器が縦長の形状で前方に半円形状の金隠しと呼ばれる部分があります。
便器内は前方に流し口があり水を流すと後方から前方に流れて行きます。
流し口から先の構造は洋式トイレの構造と大きな違いはありませんが便器内排水管の大きさに違いなどがあります。
和式トイレは大きく分けると2種類のタイプがあります。
タイプ | 特徴 |
---|---|
フラッシュバルブタイプ | 便器前方にフラッシュバルブが付いていてレバーやボタンで水を流す |
隅付きタンクタイプ | トイレ室の角にタンクが付いていてタンクのレバーで水を流す。 タンクから洗浄管を通って便器に水が流れる。 |
商業施設はデパートや遊園地などで行政機関は市役所・区役所や運転免許試験場などです。
今回ご紹介した場所に必ず設置されている訳ではなくまだ設置されている可能性があるという感じです。
古めの建物に設置されていることがあり特に壊れていなければあえて洋式トイレに交換する必要はないと判断されることもあるようです。
和式トイレのメリットとデメリットはどのようなことがあるのでしょうか。
和式トイレのメリットによって洋式トイレにしないと考える方もいるようです。
和式トイレのメリットは主に以下の2点です。
メリット | 理由 |
---|---|
① 和式トイレは詰まりにくい | ・便器内排水管が大きい ・水量が多く水の勢いが強い |
② 和式トイレは便器内に汚れが付きにくい |
それでは詳しく解説して行きます。
和式トイレの大きなメリットが「詰まりにくい」ということです。
和式トイレは流れる水の勢いが強い水量が多かったり便器内排水管の大きさが洋式トイレと比べて大きいという特徴があります。
隅付きタンクタイプやフラッシュバルブタイプは水の勢いが強くて洋式トイレと比べて水量は多いでしょう。
水量が多ければ排水管内で異物が留まる可能性は低く詰まりは起きにくいでしょう。
また便器内排水管の大きさが洋式トイレと比べて大きいという点は単純に小さいよも大きい方が詰まりにくいということです。
この2点のポイントにより和式トイレは詰まりにくいのです。
和式トイレは便器内に汚れが付きにくいというメリットもあります。
その理由は水の勢いが強く水量も多いので便器内に付着した排泄物を吹き飛ばしてくれるからです。
高圧洗浄とまでは言わないですが水の勢いで汚れを吹き飛ばすのは高圧洗浄と同じ理屈で汚れが残り難いのです。
和式トイレのデメリットは主に以下の3点でしょうか。
デメリット | 理由 |
---|---|
① 水道の使用量が多くなってしまう | 流す際の水量が多いから |
② 用を足す時の姿勢が辛い | しゃがむ必要がある |
③ 流す時に水が跳ねやすい | 水の勢いが強い |
和式トイレは洋式トイレと比べて1回に水が流れる量が多いからです。
水道使用量が多くなると水道料金が高くなってしまいますね。
洋式トイレと比べて和式トイレの水道使用量や水道料金が倍になるという程の大きな差は出ませんが少量でも使用料や水道料金が多くなることは確かです。
しゃがんだ姿勢で用を足すので姿勢が辛いという方もいると思います。
腰痛や膝痛をお持ちの方は特に辛いかもしれません。
和式トイレは水が強い勢いで流れますが水が跳ねることもあります。
まだきれいな水が跳ねるだけなら良いですが汚水が跳ねた時は最悪ですね。
もちろん大量に跳ねる訳ではありませんが洋式トイレではまず起きない現象なのでデメリットの一つであることは間違いありません。
※水量が多いや水の勢いが強いというのはメリットでもありデメリットでもあるということですね。
和式トイレで詰まりが起きた時は何処で何が詰まっているのでしょうか?詰まりが起きる場所を見ていきましょう。
和式トイレで詰まりが起きる場所
基本は上記3ヶ所です。
詰まる原因をそれぞれ見て行きましょう。
原因は大量のトイレットペーパーや大量の排泄物であることが多いです。
洋式トイレと比べて排水部は大きめですが同じように量が多いと詰まってしまう事があります。
原因は排水管の経年劣化によって引き起こる不具合の可能性が高いです。
勾配が取れなくなっていたり排水管内がざらつき排泄物やトイレットペーパーが引っかかりやすくなっていたりという状態です。
このような理由で排泄物やトイレットペーパーが排水管内に留まってしまうとそれ以降に流れてくる物が引っかかって蓄積されて詰まりとなって流れなくなってしまうのです。
原因は下水マスの経年劣化によって引き起こる不具合の可能性が高いです。
下水マスが破損することによって排泄物やトイレットペーパーがマスに引っ掛かったり破損部から木の根がマス内に入り込むことによって詰まりが起こり流れなくなってしまうのです。
トイレの詰まりでも排泄物やトイレットペーパー以外で詰まってしまうことがあります。
その中の一つが「物落としによる詰まり」です。
物落としとは携帯電話、メガネ、検尿カップなどの固形物を落としてしまった場合のことを言います。
洋式トイレであれば便器とタンクの脱着作業で取り除けることが多いですが和式トイレの場合は洋式トイレのようにはいきません。
和式トイレは脱着作業が出来ないのです。
改善する場合はトイレを壊さなければ取り除けません。
トイレを壊すと言っても床も一緒に壊さなければなりません。
そうなると壊した後に復旧する必要があり和洋どちらにするとしてもかなりの費用が掛かりちょっとしたリフォーム工事になってしまいますね。
先程も解説しましたが洋式トイレと比べて和式トイレは詰まりにくいのが大きなメリットです。
洋式トイレの場合は便器内で詰まっていることが多くありますが和式トイレで詰まりが発生した場合は下水マスや床下排水管で詰まっていることも多くあります。
なので詰まりが発生したら何か作業を行うのではなくまずはチェックすることで詰まっている場所がある程度判断できるでしょう。
和式トイレが詰まった時にまずチェックすることは「下水マスのチェック」です。
・下水マスの蓋を開けて詰まりが無いかを確認しましょう。
この時に下水マスに汚水や汚物が溜まっているようならつまり箇所は下水マスと判断できます。
※下水マスで詰まっていた場合には便器側から作業をしても全く効果はなく高圧洗浄などの作業が必要になりますので水道業者に依頼しましょう。
詰まり方のチェックによる詰まり場所の判断方法
トイレのつまり症状 | 詰まりが起こる場所 |
---|---|
① 何回か流すと便器内に水が溜まる | 床下排水管 |
② 便器内に水が溜まって全く水位が減らない | 便器内(床下排水管) |
③ 便器内の水位は上がるが少し経つと水が無くなる | 便器内(床下排水管) |
下水マスが詰まっていなかった場合は次に「トイレの詰まり方(水の溜まり方)のチェック」をしましょう。
「何回か流すと便器内に水が溜まる」「便器内に水が溜まって全く水位が減らない」「便器内の水位は上がるが少し経つと水が無くなる」等のつまり状況(水の溜まり方)を確認します。
「何回か流すと便器内に水が溜まる」という詰まり方はマスで詰まっていなかった場合は高確率で床下排水管の詰まりでしょう。
床下排水管のどこかでつまりが起こっていて便器までの距離が長い場合は水を流しても排水管内に溜まっていくのでトイレで流す水量よりも排水管内の空洞スペースが大きければ何回かはトイレを流せる訳です。
排水管内が満水になると便器の水が流れずに水が溜まるのです。
このような理由により「何回か流すと便器内に水が溜まる」という詰まり方は高確率で床下排水管の詰まりと判断できるのです。
1回流しただけで「便器内の水が溜まって全く水位が減らない」という詰まり方の場合は便器内で詰まっている可能性があります。
1回流しただけで便器内に水が溜まるということは詰まっている場所が便器から近いということです。
「便器内の水位は上がるが少し経つと水が無くなる」という詰まり方も便器内で詰まっている可能性が考えられます。
「全く水位が減らない」という詰まり方と「少し経つと水が無くなる」という詰まり方の違いは詰まっている物の量と質の違いです。
排泄物の量が多い詰まりは詰まりより先の排水管に水が染み出て行かない為「全く水位が減らない」という症状になりやすいです。
トイレットペーパーの量が多い詰まりは、水を含んだトイレットペーパーから先の排水管に水が染み出て行く為「少し経つと水が無くなる」という症状になりやすいのです。
※②と③の場合でも床下排水管の詰まりの可能性もあります。
床下排水管の便器に近い部分で詰まっていた場合は②、③の症状になることもあります。
これはあくまでも判断目安であります。
今回は排泄物とトイレットペーパーの場合でご説明しましたが詰まっている物の質と量によっては違う症状が起きる事もあります(例えばネコ砂や嘔吐物など)
和式トイレの詰まり解消に効果的及び必要な道具をご紹介いたします。
効果的な道具 | 用途 |
---|---|
真空式パイプクリーナー | 空気圧を使用して詰まり解消する |
トイレクリーナー | ワイヤーで詰まりを砕いて解消する |
食器用洗剤+お湯 | 食器用洗剤の力で詰まりを解消する |
必要な道具 | 用途 |
---|---|
ゴム手袋 | 汚れない為。衛生的に。 |
灯油ポンプ | 水を汲み上げる |
バケツ | 汲み上げた水を入れる。水量調節を行う。 |
新聞紙orビニール袋 | 養生用、便器の周りに敷く |
雑巾orタオル | 各所拭き上げ用 |
真空式パイプクリーナーやトイレクリーナーはどちらか一つあれば良いと思いますが必要な道具の「ゴム手袋、灯油ポンプ、バケツ、新聞紙・ビニール袋、雑巾・タオル」は全てご用意いただいた方が安心です。
和式トイレ詰まりの直し方を見て行きましょう。
効果的な道具で紹介した「真空式パイプクリーナー」「トイレクリーナー」「食器用洗剤+お湯」を使用した解消方法を解説いたします。
どの作業も便器の周りを新聞紙やビニール袋で養生してゴム手袋をして行なうと良いでしょう。
・便器内の水位が高すぎると大量に水が跳ねてしまいますので水量が多い場合は灯油ポンプでバケツに水を移しましょう。
目安は真空式パイプクリーナーを便器の流し口に差し込んだ時にゴムの部分が水に浸かる位です。
・便器の流し口にパイプクリーナーを差し込んで隙間が無いようにします。
この時は取っ手を押し込んだ状態で差し込む様にします。
隙間が出来てしまう場合は捨てても良いタオルや雑巾をパイプクリーナーのゴム部分の周りに詰めて隙間を埋めます。
・セット出来たらパイプクリーナー本体が動かないように片方の手で固定して反対の手で取っ手を素早く引きます。
押す時にはゆっくりと押して引く時は素早く引くというやり方を5回~10回位行います。
※素早く押してしまうと水が飛び散りますのでご注意ください。
・最初は様子見でバケツに入っている水を流しましょう。
・問題なく流れるようならレバーで水を流して完了です。
・灯油ポンプでバケツに水を移しましょう(なるべく全部の水を汲み上げる)
・便器の流し口に先端部を差し込み、ハンドルを右に回しながら押し下げます。
・ワイヤーが入らなくなったら無理に押し込まずハンドルを回して回転させます。
・まずは3分間位ゆっくり回してみましょう。
ただし先端がカンカンと陶器に当たっているような感覚がある場合は一度引き抜いてもう一度差し込んで回します。
・汚れが砕けたかどうかの判断が難しいので時間を区切って行うようにしましょう。
・最初は様子見でバケツに入っている水を流しましょう(詰まりが改善していないようなら1~2回繰り返します)
・問題なく流れるようならレバーで水を流します。
※ワイヤーは無理に押し込んでしまうと抜けなくなってしまう恐れがあるので気をつけて下さい。
・封水(流し口に溜まっている水)が通常と同じ位の水位になるよう灯油ポンプでバケツに水を移しましょう。
・食器用洗剤を約100㎖入れます。一般的な食器用洗剤は約200㎖なので半分位使う感じですね。
・食器用洗剤の量が少なかったり水が多すぎたりすると洗剤が薄まってしまい効果も薄れてしまうので気を付けてください。
・約50℃のお湯をバケツに溜めてゆっくりと便器に入れます。
お湯が熱すぎると陶器が破損してしまう恐れがあります。
・20分~30分後に確認した時にお湯がしっかりと減っている様であれば詰まりが解消されている可能性があります。
・最初は様子見でバケツに入っている水を流しましょう(汲み上げた水を使いましょう)
・問題なく流れるようならレバーで水を流して確かめます。
使用した道具は良く洗って乾燥させてから保管しましょう。
特に排泄物や汚水が付いた場所は念入りに掃除しましょう。
いずれかの方法も軽度なつまりの時に直せるやり方なので試しても詰まりが解消しない場合は水道業者に直してもらいましょう。
自分で作業してみても詰まりが解消しない場合や下水マスの詰まりだった場合は水道業者を呼んで、和式トイレ詰まりの対処をお願いしましょう。
それでは、水道業者を呼んだ場合の費用目安を見て行きたいと思います。
・和式トイレ詰まりを水道業者に頼んだ場合の費用目安
詰まっている場所 | 作業内容 | 概算の費用目安 |
---|---|---|
便器内 | ローポンプ作業 | 7,000円~ |
床下排水管 | 電動トーラー作業、高圧洗浄作業 | 各10,000円前後~ |
下水マス | 電動トーラー作業、高圧洗浄作業 | 各10,000円前後~ |
※電動トーラーや高圧洗浄機での作業は作業距離や詰まりの状況によって料金が変動する場合がありますので見積り時にしっかりと確認するようにしましょう。
ちなみに和式トイレを洋式トイレに交換した場合の費用目安もご紹介します。
・和式トイレから洋式トイレへの交換工事費用目安
工事内容 | 詳細 | 概算の費用目安 |
---|---|---|
簡易洋式トイレ (洋式便座取付け工事) |
床などは壊さず、和式トイレの上に便座を付ける工事 | 20,000円~60,000円 |
洋式トイレリフォーム (洋式便器交換工事) |
床を壊し新たに床を作って洋式トイレを設置する | 200,000円~300,000円 |
※特に洋式トイレにするリフォーム工事は現場毎に状況がかなり異なるケースが多いので必ず何社か相見積りを取った上で依頼するようにしましょう。
今回は和式トイレの詰まりを中心に解説してきました。
和式トイレの大きなメリットが「詰まりにくい」ということです。
ただし詰まりにくいトイレが詰まる時はヘビーな詰まりになっていることもあります。
トイレが詰まったらすぐに作業するのではなく「下水マスチェック」と「詰まり方(水の溜まり方)チェック」をすることが大切です。
自分で詰まり解消作業を行う場合は必要な道具を揃えてから行うことであれが無いこれが無いと焦ることはなくなります。
そして自分で詰まりが解消できなかった場合は水道業者を頼って下さい。
業者に依頼する場合は作業前の見積もり内容をしっかり確認してから修理を頼むようにしてくださいね。