原因・状況
洗面ボウルの下にある排水管が外れてしまったので付け直してほしいとのご依頼がありました。洗面台のご利用年数をお聞きすると22年とのことでした。お客様宅に伺い、現場を見させていただくと金属のトラップ管が破損していました。
破損部を確認するとキレイに割れていたのでお客様が外れたと思っても仕方がない破損のしかたでした。完全に寿命だったようで他の部分も相当脆くなっていました。この割れ方は金属トラップ管の破損で比較的に良くある割れ方です。今回割れた部分は金属が薄い為、脆くなるとここから折れてしまいやすいのです。割れてしまっているので付け直しが出来ないこと、改善にはトラップ排水管の交換が必要になることをお客様にご説明しました。ここで、選択肢が2つ出て来ます。
一つは同じ金属製のトラップ管の交換にする方法、もう1つは樹脂製のトラップ管に交換する方法です。違いは見ためとトラップ管の金額です。樹脂製の管に比べて金属管は2倍~3倍位高くなっています。
金属管と樹脂管、それぞれのお見積もり金額をご案内したところ、少し悩まれた結果、樹脂製の管への交換が決まりました。在庫はあったので、見積書にサインをいただいてからそのまま作業となりました。
作業・施工内容
まず、洗面台下、洗面台の前を養生します。折れている下の管を手で引き抜きます。次に上の部分を取り外しますが、プライヤーで回すと供回りしてしまいました。洗面のトラップ排水管はネジで締め込んであるので、土台が動いて供回りしてしまうと取り外すことが出来なくなります。この様な時には土台を固定する必要があります。今回はプライヤーの片方の柄を排水口のオーバーフロー穴に差し込んで固定し、パイプレンチで排水管を挟み、回して外しました。洗面ボウルに傷を付けない様に行うのがポイントです。排水管が外れたら、洗面ボウルの接続部をタオルでキレイに拭きます。次は取り付けです。まず新しい樹脂管の上部(排水口部分)を洗面ボウルに取り付けます。樹脂管は基本的に工具を使わずに手締めで行います。次に防臭パッキンを取り付けた下部の部分を床下排水管に差し込み、最後にトラップ部を接続します。各所のナットに緩みが無いか、防臭パッキンがズレていないかを確認し、水を流して水漏れの有無を確認しました。問題は無かったので作業完了となりました。
今回使用した排水栓付きSトラップの部材は【SANEI H770-38】です。
ポイント(予防策・注意点)
洗面ボウルの下の頑丈そうに見えるステンレストラップ排水管も経年劣化が進むと、折れたり割れたりする事があるので10~15年以上経過しているステンレストラップ排水管を触る時は注意が必要となります。これは樹脂管にはあまりない現象と言えるでしょう。どちらにせよ折れたり割れたりする前に新しい管に交換することがベストです。
その他の作業事例を見る