原因・状況
便器の中にチョロチョロと水漏れがするというご依頼でした。トイレのご利用年数を伺うと約15年とのこと。お客様宅には30分程で到着しました。トイレを確認するとTOTO製の二層式タンクで、故障しているのは「排水弁」という部品でした。排水弁の耐用年数の目安は10年位なので、15年経っての故障は持った方だと思います。お客様に排水弁交換のお見積もりをご説明しました。在庫の持ち合わせもあったのでその場で修理させていただくことになりました。
作業・施工内容
便器内への水漏れの場合、よくあるのはゴムフロートの劣化です。ゴムフロートを使用しているタンクは一層式のタンクで、タンク内側に防露と言う結露防止材が取り付けてあります。一方、今回の二層式のタンクはゴムフロートではなく、排水弁という部品を使っています。二層式とはタンクを二層にしていて、間に空気の壁を作ることにより結露を防ぐという仕組みです。
今回、排水弁の交換を行いますが、最初はゴムフロートの交換も排水弁の交換も同じで止水栓を閉めてタンクの水を抜くという手順です。しかい、ここから違いが出て来ます。タンクの上蓋を取り、その後に内タンクの蓋も取り外します。次に浮きフロートを取り外します。内タンク内は狭いので浮きフロートを取り外さないと排水弁の交換が出来ません。排水弁の鎖とレバー接続部のピンを外して接続部を取り外します。排水弁はタンクの底にはめ込んであるので、上に引っ張り上げて取り外します。排水弁は基本的に互換性が無いので、新しい排水弁もほぼ同じ形です。新しい排水弁をタンクの底にはめ込んで鎖の接続部をレバーに差し込み、ピン固定します。鎖は大用と小用の2本あるので長さを調整して取り付けます。水を出す前に一度レバーを動かして動作確認をします。問題なければ、浮きフロート、内タンク蓋、タンク上蓋の順で取り付けて最後に止水栓を開きます。通水したらレバーで水を流して動作確認をします。水漏れも収まっていたので作業終了となりました。
今回使用した排水弁は【TOTO HH08008Z】です。
ポイント(予防策・注意点)
二層式タンクは一層式と比べて内タンクが小さいです。それに対して中の部品は大きめなので、タンクの中が混みあっていて作業がしにくいという特徴があります。
二層式タンクで水漏れが起きた場合のポイントは以下の通りです。
① 水漏れの原因が確実と思えない場合はDIYで行わない
② 排水弁の交換は、やった事がなければ行わない
DIYで行った為、もっと酷くなってしまったという事例がありますのでご注意ください。
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