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偏心管は壁付の混合水栓に使われる2本1セットの部品で、壁中の水道管と蛇口本体を繋ぐ役割をしています。
主に浴室や台所の壁付蛇口で使用されていて、皆さんも「ハの字」のような見た目の部分を見た事があるのではないでしょうか?
古くなるとこの偏心管の本体側接続部(偏心管パッキン)と壁中水道管側接続部(シールテープ)から水漏れすることがあります。
今回はこの偏心管パッキンの交換とシールテープの巻き直し方をわかりやすくご紹介いたします。
目次
水漏れ症状によってどちらが原因かを判断することが必要です。
偏心管の水漏れ症状、原因、修理に必要な部材と工具を見て行きましょう。
症状別(水漏れ箇所) | 主な原因 | 業者依頼度 |
---|---|---|
①蛇口と偏心管の接続部から | 偏心管パッキンの劣化・破損 | 30% |
必要な部材・工具:工具①-ドライバー、工具②モンキーレンチ、偏心管パッキン | ||
②偏心管と壁の接続部から | シールテープの劣化・緩み | 60% |
必要な部材・工具:工具②モンキーレンチ、工具③カッター、シールテープ |
※業者依頼度は高ければ高いほど作業が難しくなるので、業者に依頼した方が良いという指標です。
偏心管パッキンは偏心管と蛇口本体の接続部の水漏れを防ぐ為のパッキンです。
ゴムの部分が劣化したり、破損したりすると水漏れが起きます。
シールテープはネジ接続部の水漏れを防ぐ為の道具です。
シールテープが劣化したり、緩んだりすると水漏れが起きます。
因みにシールテープに粘着性はありません。
シールテープは汎用品なので、基本的にはどの水回りにも使えます。
しかし、偏心管パッキンは似た様な商品が多くあり、微妙にサイズが違う物だと取り付け出来なかったり水漏れしたりする事があるので、取扱説明書などで良く確認しましょう。
偏心管パッキンやシールテープ交換部材の一例
蛇口の種類 | 部品の種類 | 品番 |
---|---|---|
サーモスタット混合水栓(浴室) TOTO TBV03401J |
偏心管パッキン | THY91734(TOTO) |
シールテープ | 7970(カクダイ) TB4501(スリーボンド) |
|
2ハンドル混合水栓(台所) TOTO TKJ20BAU |
偏心管パッキン | THY91586(TOTO) |
シールテープ | 7970(カクダイ) TB4501(スリーボンド) |
|
2ハンドルシャワー混合水栓(浴室) SANEI SK11-W-13 |
偏心管パッキン | PP40-10S(SANEI) |
シールテープ | 7970(カクダイ) TB4501(スリーボンド) |
※2024年4月1日時点での調べ。メーカーの仕様変更等がある場合もございます。
シールテープはどこのメーカーの物でも問題ありません。
そして、基本時に幅13mmの物が水回りの施工に適しています。
TOTOの偏心管パッキンは、サーモスタット水栓やシングルレバー水栓用と2ハンドル水栓用に分かれています。
2つの偏心管パッキンの差は微細ですが、間違うと水漏れすることがありますので注意が必要です。
偏心管パッキン種類 | 外径 | 内径 | 厚み |
---|---|---|---|
サーモスタット、レバー水栓用 | Φ26 | Φ17.5 | 1.5mm |
2ハンドル水栓用 | Φ23.8 | Φ17.5 | 1.5mm |
このように、外径がΦ2.2違うだけであとは同じという微細な違いです。
2つ並べてみれば違いは分かりますが、1つのパッキンだけを見てどちらかを選定するのは難しいですね。
なので、購入する時は「サーモスタット、レバー水栓用」か「2ハンドル水栓用」かの表記を見て判断するようにしましょう。
それでは、偏心管パッキン交換とシールテープ巻き直しの手順を見て行きましょう。
今回はサーモスタット水栓を元にやり方を紹介いたします。
これは絶対に忘れないようにしましょう。
元栓を閉めた後にレバーハンドルを動かし、水が止まっていることの確認もするようにしてください。
左右、どちらも緩めながら行うと取り外しやすいです。
必ず蛇口本体を手で押さえながら行なってください。
手で押さえていないと外れた瞬間に落下する恐れがあります。
床に落とすと蛇口や床に傷が付いたり、最悪の場合は蛇口が壊れて使えなくなったりしますのでご注意ください。
もし、ナットの中に引っ掛っている場合は-ドライバーで取り出しましょう。
「蛇口本体と偏心管の接続部からの水漏れ」で偏心管パッキンを交換する場合は、新しい偏心管パッキンを取り付け、逆の手順で蛇口を戻したら作業完了です。
取り付ける時の為に偏心管ナットの位置や偏心管の角度がわかる様、外す前にスマホで写真を撮っておくと良いです。また、何回転で取り外せたかを確認しておきましょう。
ネジ部のシールテープが取れたらタオルで拭き、水分を取り除いておきましょう。
シールテープは緩まないように引っ張りながらネジ山2分開けて5~6巻き位して最後は指で馴染ませましょう。
先端まで巻いてしまうと偏心管を取り付ける時に先端の余ったシールテープが切れて蛇口の中に入り、不具合を起こす恐れがあります。
取り外した時の回数分、そして写真を見て同じくらいの角度になるように回して行きます。
急に軽くなった場合はシールテープが上手く噛まなくなった証拠なので、一度取り外してシールテープを巻き直しましょう。
偏心管を回し過ぎても決して逆方向には動かさないでください。
水漏れを起こしてしまいます。
偏心管シールテープの巻き直しが終ったら、逆手順で蛇口を戻していきます。
元栓を開いて通水し、水漏れが直っているかのチェックをします。
異常がなければ修理完了です。
偏心管のパッキン交換は蛇口さえスムーズに取外せれば簡単に行なえるでしょう。
しかし、シールテープ部分の巻き直しは偏心管や水道管の状態によっては慣れてないと難しい部分もあるかもしれません。
自分でやってみてダメだったら業者に依頼するというスタンスが良いのではないでしょうか。
また壁中の水道管に繋がる部分なので、決して無理はせず慎重に作業を進めてみて下さいね。