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トイレで水漏れが起こった場合、便器内に水漏れするのとトイレの床に水漏れするのとでは床への水漏れの方が二次被害のリスクは大きくなります。
便器内への水漏れであればリスクは水道料金が上がるだけですが、トイレから床への水漏れは床材への損傷や下階に水漏れしてしまう可能性があります。
床への水漏れが起こる原因の一つとして、手洗い付きトイレタンクの下から水漏れするというトラブルがあります。
今回はタンク下からの水漏れ原因でもある整流ジャバラの交換方法、そしてその他に考えられる原因についてもわかりやすくご紹介いたします。
目次
整流ジャバラの交換で直るかどうか症状から原因を判断することが必要となりますが、皆さんから見たら水漏れ症状はどれも一緒に見えるかもしれませんので、どんな違いがあるか解説いたします。
まずはトイレタンク下の原因、修理に必要な部材と工具を見て行きましょう。
症状別 | 主な原因 | 業者依頼度 |
---|---|---|
①タンク下から水漏れする(二層式タンク) | 整流パッキンの劣化・欠落 | 10% |
必要な部材・工具:整流ジャバラ | ||
②タンク下から水漏れする(二層式、防露式タンク共) | 密結パッキンの劣化・破損 | 70% |
必要な部材・工具:工具①-ドライバー、工具②モンキーレンチ、密結パッキン | ||
③タンク下から水漏れする(防露式タンク) | 密結ボルトの劣化、破損 | 70% |
必要な部材・工具:工具①-ドライバー、工具②モンキーレンチ、密結ボルト |
※業者依頼度は高ければ高いほど作業が難しくなるので、業者に依頼した方が良いという指標です。
二層式タンクは外側のタンク(陶器や樹脂製)の中に、一回り小さい内タンク(樹脂製)が入っています。
内タンクにはフタがあり、手洗い付きの場合は中心部に穴が空いていて、そこを水が通ってタンク内に溜まる様になっています。
そして、外タンク蓋と内タンク蓋の間に整流パッキンが取り付けられていて、周りに水が飛び散らないようガードしています。
経年劣化が進むと、この整流パッキンの欠落がよく起きます。
欠落した整流パッキンは内タンク蓋の穴に詰まってしまい、水を流すと内タンク蓋からこぼれた水が外タンクと内タンクの間を流れ、タンク下に水漏れしてしまうのです。
この水漏れの注意する点は水漏れの量が多いことです。
レバーで流した時に本来、タンク内に流れて行く水のほとんどがタンク下から漏れ出してくるのです。
尚、手洗い無しのタンクではこの症状は起きません。
二層式、防露式タンクに共通するのは便器とタンクの接続を密結パッキンで密閉していることです。
この密結パッキンが劣化・破損するとタンク下から水漏れします。
密結パッキンが原因のタンク下水漏れは、水漏れの量があまり多くありません。
タンクと便器を固定するボルトを密結ボルトと言います。
この密結ボルトに劣化・破損などの不具合が起きるとタンク下に水漏れします。
主に水漏れが起きるのは防露式タンクで、密結ボルトが原因でのタンク下の水漏れは少量ですが、トイレを使用していない時も漏れ続けます。
整流ジャバラはTOTO製の一つの商品で、ほとんどの二層式タンク(内蓋のある物)にも使えます。
密結パッキンも汎用品ですがサイズが違うと取り付け出来ません。
また密結ボルトは長さがポイントになります。
トイレの交換部品の一例
種類 | 部品の種類 | 品番 |
---|---|---|
二層式タンク |
整流ジャバラ 密結パッキン |
TOTO HH11028S TOTO HH08007R TOTO HH0707R TOTO TH91540E |
防露式タンク |
密結パッキン |
SANEI PP42-30-51 SANEI PP42-30-38 カクダイ 9476 |
密結ボルト |
INAX TF-814G-A SANEI R44 |
※2024年4月1日時点での調べ。メーカーの仕様変更等がある場合もございます。
皆さんが密結パッキンや密結ボルトのサイズを調べる場合は、取扱説明書を確認するのが一番良いでしょう。
もし取扱説明書を紛失してしまったり、品番が分からない場合は水道業者へお気軽にご相談ください。
整流ジャバラは手洗い管からタンクに流れる水が回りに飛び散らないようガードする物で、整流パッキンと同じ役割の部材です。
主に整流パッキンが欠落した後に取り付けられます。
ちなみに整流パッキンは外タンク蓋裏に取り付けられているのに対し、整流ジャバラは内タンク蓋上に取り付けられます。
密結パッキンは厚みのある大きなパッキンで、タンクと便器の接続部に使用されています。
大きさはΦ51とΦ38という2種類があり、サイフォン管の口径に合わせたサイズとなっております。
密結ボルトはタンクと便器を固定するボルトのことで、長さは便器・タンクの種類によって違います。
65mm~75mm位の長さの物が一般的で、多くのトイレで使用されています。
整流ジャバラの交換は基本的に、整流パッキンを整流ジャバラに交換します。
整流ジャバラから整流ジャバラに交換することはほとんどありません。
基本的には止水栓を閉めないで出来る作業ですが、不安な場合は念のため止水栓を閉めておくと良いかもしれません。
取付ける前に乾いたタオルで拭き、水分を取り除きましょう。
必ずタンクの上蓋を戻してからレバーをひねって水を流しタンク下からの水漏れが直ってるかをチェックしましょう。
異常が無ければ修理完了となります。
整流ジャバラの交換は工程を見てもらっても分かるようにとても簡単に行なう事ができます。
ただし、修理しても水漏れが直らない場合は密結パッキンや密結ボルトの交換が必要な事もありますが、その場合は水道業者に依頼した方が良いでしょう。
理由としてはタンクを脱着する作業の難しさだけでなく、部品サイズの選定が難しいからです。
特に取扱説明書がなく品番も分からない場合は、タンクを取り外さないと密結パッキンのサイズが分からない為です。