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ユニットバスの排水で詰まりがおこると、浴槽のお湯を抜くのに時間がかかったり、シャワー中に洗い場に水が溜まったりなどがおこります。
排水溝が完全に詰まっていない場合は、水は少しずつ流れていきますが、時間がかかりますし気持ちのいいものではありません。
水はサッと流れてほしいもの。
そこで、つまりをすっきり解消するために知っておきたいポイントを解説します。
ユニットバスのつまりでお困りの場合に、ぜひお役立てください。
目次
ユニットバスは、お風呂の壁や床などのパーツがセットになりメーカーから出荷され、建築現場やリフォームの現場で組み立てて浴室を作ります。
壁はパネルが多く、床は樹脂製で水はけや踏み心地に工夫を凝らしたものも多く、おしゃれで機能的な浴室と言えるでしょう。
ユニットバスのパーツは規格品のため、カタログなどから好みのデザインなどを選んでお風呂を作ります。シンプルな浴室から、高級で多くの機能を備えた浴室など、施工主の個性やニーズに合わせた浴室づくりが可能です。
ユニットバスの他にシステムバスという呼び方がありますが、これらは同じものです。
ユニットバスに対して、在来工法のお風呂は、浴室の形や材料などをすべて自由に組み合わせ設計できます。
タイルや天然の石を使った個性的な壁や床、木の浴槽など好みのデザインでのお風呂を作れるのが特徴です。
ユニットバスには基本的に3つのタイプがあります。
浴槽・洗面・トイレがユニットバス内にあるかどうかが違いです。
また、3つのタイプとは別に、ハーフユニットバスと呼ばれるユニットバスと在来工法をミックスした浴室もあります。
どのタイプも排水口は、ユニットバスの排水口が使われています。
浴槽と洗い場があるタイプのお風呂です。
高機能なタイプや、カラーやデザインが豊富なユニットバスはこのタイプになります。
ユニットバス内の洗い場に洗面もあり浴槽も備わっているタイプのユニットバスです。
ワンルームの賃貸などで、バストイレ別などの表記があるときは、この2点ユニットバスの可能性もあります。
洗面とお風呂が一か所にあるため、排水口が一つにまとまり、掃除がしやすいというメリットがあります。
ユニットバス内に、浴槽、洗面、トイレが備わっているタイプです。
ワンルームの賃貸物件や、ビジネスホテルなどに多いタイプです。
排水管は、浴槽と洗面台・洗い場の排水管は合流しています。
しかし、トイレの排水管は、合流せず独立しています。
古いユニットバスなどで、ごくまれにトイレも合流している場合がありますので、不安な場合は大家さんか管理会社に問い合わせてみましょう。
ハーフユニットバスは、1点ユニットバスをベースにして、在来工法を取り入れた浴室になります。
多くの場合、浴槽と床はユニットバスの材料や機能を使い、壁や天井が在来工法で作られます。
さまざまなタイプがあるユニットバスですが、排水口はトラップになっていますので、構造が分かっていれば掃除はぐんとしやすくなるでしょう。
次に、排水口の構造をご紹介します。
上図は、浴室の排水口の基本的な構造を図にしたものです。
排水口には、浴槽の水と洗い場の水が流れ込み、トラップと呼ばれる仕組みがあります。
排水カバーとヘアキャッチャーを外すとトラップの中にたまった水を確認できます。
この水は封水と呼ばれ、下水からの悪臭や虫が上がってこないよう、排水口のふたの役割を果たしているのです。
浴槽内のお湯は、排水栓を外すと排水トラップを経由して下水へ流れていきます。
洗い場で使った水は排水カバーの隙間を通り、ヘアキャッチャーで髪などをこしとられます。
そして、排水トラップを経由して、下水へと流れていくのです。
メーカーによって、浴室から排水口へ湯が流れる部分にバルブがある場合や、トラップ内のパーツの形や数が異なるものもあります。
ユニットバスの排水口のつまりの主な原因は髪の毛です。
実際に掃除をすると、トラップや排水管の内側にぬめりがついて髪の毛が絡み、へばりつくようになっていきます。
また、髪の毛と細かなゴミや石鹸カスのようなものが漂っているかもしれません。
髪の毛やホコリが、排水管につまるほどの大きさになるのは信じられないかもしれません。
髪の毛は、洗い場から流れるときにヘアキャッチャーをすり抜けたものや、浴槽内に落ち排水されたものがトラップに流れ込みます。
体についている繊維やホコリがわずかずつ長期間にわたって流れ、トラップや排水管にたまっていきます。
そして、皮脂や石鹸カスも髪の毛やぬめりに付着し、徐々に塊になって水の流れを悪くする原因になっていくのです。
つまる可能性があるのは トラップの底と封水筒の間、トラップと封水筒の間です。
トラップ内でできた髪の毛などの塊が下水への排水管に流れ込んでつまりを引き起こすこともあります。
ユニットバスの排水つまりには、解消しやすいヘアキャッチャーのつまりとトラップ内のつまり、排水管のつまりの3つが考えられます。
浴槽のお湯は流れるのに、蛇口の水やシャワーの水が洗い場にたまる場合は、ヘアキャッチャーをチェックしましょう。
長くゴミを捨てていないと、髪の毛がびっしり溜まり、ぬめりが発生して水が流れなくなってしまうのです。
少しの量なら抵抗感はありませんが、ぬるぬると髪の毛が合わさると見た目がおどろおどろしく、掃除をためらう原因になります。
ヘアキャッチャーは定期的に掃除をしておきたいところです。
トラップ内でつまると浴槽の水も洗い場の水も流れが悪くなります。
トラップのパーツを外して掃除をすれば解決しますので、流れが悪いと感じたら掃除をしましょう。
長く掃除をしていないと、髪の毛などが大きな塊になっている場合もあります。
排水トラップ内をこまめに掃除していると、つまりがおこる可能性はぐっと低くなります。
浴室の排水管つまりがおこると、浴槽に浸かれないだけでなくシャワーを浴びることもできなくなり、生活に支障が出てしまうのです。
普段は、排水カバーに隠れている排水溝ですが、とても大切な掃除ポイントなのです。
トラップから先の排水管で詰まる場合もあります。
ここが詰まったら、道具を使って自分でつまりを取るか、専門の業者への依頼が必要になります。
↑TOTOの排水トラップ
ユニットバスの排水口の掃除は、パーツを一つずつ取り外し、きれいに洗うことからはじめます。
メーカーによってパーツの数や形状が異なりますので、取扱説明書や、メーカーサイトで確認するとわかりやすいでしょう。
上から一つずつ外していきます。
メーカーによっては封水筒が周りとぴったりくっついているため、外れないように見えるかもしれません。
封水筒についているつまみ部分を持って、反時計回りに回して外します。
封水筒が外れることを知らずに、筒の内側だけを掃除しているケースがありますが、ごみは封水筒の外側にたまりやすいため、必ず封水筒を外して掃除をしましょう。
戻すときに順番がわからなくなりそうなら、外す際には順番に並べて写真を撮っておきましょう。
確認しながら戻せますので安心です。
封水筒を戻す際は、回るところまできっちり締めます。
緩んで隙間がある場合、下水の臭いが上がってくる可能性があるためここは注意が必要なところです。
外したパーツはお風呂用洗剤で洗ってカビやぬめりを落としておきましょう。
頑固なぬめりやカビが付いている場合は、40℃のお湯4Lに酸素系漂白剤を30g溶かして30分程度つけおきましょう。
時間が来たら取り出し、水ですすぎトラップ内に戻していきます。
排水筒をはずした後のトラップ内にもぬめりがついています。
とくにトラップ上部の周りに、ゴミとぬめりは一緒になって付着していますので、流さないように取り除きます。
トラップ内のごみは流さず、取り除くのが基本です。
トラップから先の下水への排水管内に少しのつまりがあった場合に、流したゴミがつまりを引き起こしてしまうことがあるためです。
ゴミを取り除き、トラップ内のぬめりを洗いきれいになったらパーツを戻していきます。
浴槽の排水口からトラップまでの排水管は短いものです。
排水パイプブラシなどで排水管内をこすって掃除をしましょう。
浴槽の水の中は皮脂が入っており、落ちた髪の毛も一緒に流れてきます。
掃除を忘れないようにしましょう。
ヘアキャッチャーやトラップの掃除では解消できないつまりが発生したときの対策に、4つのつまり取りの方法をご紹介します。
ホームセンターやドラッグストアで購入可能なパイプユニッシュなどを使い、つまりが取れるか試してみましょう。
パイプユニッシュはぬめりや髪の毛などの固まった汚れを溶かして除去してくれます。
排水管にパイプユニッシュが届くように、パーツを外してから注ぎ込みましょう。
一度ですっきり流れない場合は、再度パイプユニッシュを注ぎ込み30分ほど待って、勢いよく水を流してみましょう。
パイプユニッシュは「混ぜるな危険」の表示がある洗剤です。
換気を十分に行い、酸性の洗剤やクエン酸とは決して混ぜないように十分に注意しましょう。
業務用のパイプクリーナーはホームセンターやドラッグストアで市販されている洗剤より、水酸化ナトリウムの濃度が高く、効果が期待できるという特徴があります。
主な購入先はインターネットが考えられます。
ボトルの使用方法や注意書きを十分に読んで、肌に触れないように注意して使用しましょう。
使い方の手順はパイプユニッシュとほぼ同じで、排水カバーとヘアキャッチャー、封水筒を外し、業務用パイプクリーナーを使います。
放置時間や量は使用方法を参照します。
換気やゴム手袋と目を保護することを忘れずに、説明書きを十分に読みましょう。
ラバーカップを使うときは、排水口を覆うものを準備しましょう、小さすぎるものは使えません。
ラバーカップに似たアイテムに、真空パイプクリーナーがあります。
ラバーカップより弱い力で十分な吸引力を発揮します。
力の弱い方にも使いやすいつまり取りアイテムです。
ワイヤーパイプクリーナーは、長いワイヤーの先にコイル状などの爪がついており、排水管に差し込んで止まるまで入れていきます。
止まったら、つまりに穴をあけたりひっかけたりして引き戻して取り除きます。
ユニットバスの排水管つまりにおすすめしない方法もあります。
重曹は弱アルカリ性のため、皮脂やカビ取りに有効ですが、つまり取りには向いていません。
掃除には使えますので、皮脂やカビ汚れを落とすために使いましょう。
針金ハンガーは、つまりを奥に押し込んでしまう可能性がありますので、おすすめできない方法です。
つまり取りのアイテムが家にない場合に、針金ハンガーを伸ばしてつまり取りに使うという方法を思いつくかもしれません。
しかし、つまりを押し込むだけではなく、針金でパイプを傷つける可能性もあります。
パイプ内に傷をつけて、凹凸を作ってしまうと、そこに髪の毛がたまり、つまりの原因個所になるかもしれません。
針金ハンガーはおすすめできないアイテムです。
ユニットバスの排水口のつまりを予防するには掃除しかありません。
習慣にするのは難しいかもしれませんが、「月末はお風呂の排水口掃除の日」などと決めて定期的に行うと無理がありません。
月に1度程度の頻度で掃除をすると、汚れも軽く掃除自体に時間はかからないでしょう。
また、ヘアキャッチャーがつまりやすい場合や、掃除がしにくい場合は、100均などで販売されているものに取り換えるという方法もあります。
サイズ調節ができるタイプなど、さまざまなヘアキャッチャーがありますので試してもいいかもしれませんね。
ゴミがしっかりとれて、捨てやすい工夫がされているものもあります。
ゴミ受けや排水溝をきれいに保っておくと、コバエの発生を防ぐこともできます。
5月ごろから秋にかけて、排水口ではコバエが発生します。
羽がやや大きめの茶色っぽいチョウバエです。
どこからか浴室に入り込んだチョウバエが、排水口のぬめりに卵を産み、孵化し増えていきます。
刺したりする直接の被害はないとはいうものの、姿を見かけたら不快です。
暑くなる時季はチョウバエを発生させないように、こまめにぬめりを掃除しておきましょう。
ユニットバスの排水口の構造と、つまったときの解消方法を解説しました。
ユニットバスは排水トラップの掃除でつまりを予防できます。
トラップを解体するひと手間がかかりますが、掃除自体は簡単です。ぜひ、習慣にしたいものですね。
万が一、排水管がつまってしまい、自分で解消するのが無理だと思ったら、専門の業者に依頼しましょう。