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トイレは便の他にもトイレットペーパーや異物、流せる物でも多く使ったために詰まりを起こすことがあります。
トイレは何故詰まるのか、便器とタンク、また下水管の構造と詰まりが起こる場所について見ていきましょう。
トイレの詰まりが起きた場合、何でもラバーカップで解決できるかと言えばそうではありません。
正しい使い方を知って、それでも解決しない場合の対処方法を知っておくと便利です。
異物を落としたことが明らかな場合、無理に流すとその先の水道管が傷む場合があります。
トイレの詰まりに関する解決方法の正しいコツを以下のポイントとしてまとめました。
これらの詰まりに関する基礎知識を知って、普段のトイレつまりの解決に役立ててください。
目次
突然の出来事でビックリ!
あまり、経験したくはない事ですが、いつ何時、皆さんのお宅でも起こりえる事です。
トイレの便器は、ちゃんと計算されて作られているので、ギリギリまで水が上がってきてもあふれないのです。
流れないで汚水がたまってしまった便器に、もう一度レバーを動かしてしまえば、さらにもう一杯分のタンクの水(約10ℓ前後)が流れてくるので、当然、その分の水が便器からあふれて、床に流れ出してしまうわけです。
もちろん、10ℓもの水が床に広がれば、階下の部屋へも流れていってしまうでしょう。
そうなれば大変な大惨事!
そんな事にならない様に、今回は、トイレが詰まった時の原因と、解決方法をご説明しましょう。
トイレの詰まりと言っても原因は様々です。
実は、単純な面もあれば、複雑な面もあるのがトイレの詰まりです。
水回りの排水口には、基本トラップが設けられています。
トラップとは排水口近く、もしくは、排水管途中に水をためる部分を作り、下水から上がってくる臭気や虫を、家の中に入れない様にする為のものです。
皆さんが一番分かりやすいトラップは、洗面所等で使用されている、S字型トラップパイプですね。
そうですよね。
不思議に思われた方もいらっしゃると思いますが、このトラップのおかげで、下水の臭いにおいや小さなコバエが、家の中に入ってこないのです。
トイレはこの便器自体が丸々、トラップになっています。
なので便器には、常に水がたまっていて、下水の臭気や虫をシャットアウトしているわけです。
そして便器の出口と、床下の下水管が接続されていて、汚物と汚水が流れていくのです。
このように、トイレの排水もまず、S字の形状を流れていくのです。
トイレタンクは、便器に流す水をためておく所ですが、種類によって容量は色々です。
昔のタイプは10ℓ以上のものもあれば、最近のタイプは10ℓ以下のものもあります。
戸建ての場合、下水管はトイレの床下から、地中を通り屋外の下水マスを経由して、道路の本下水管まで流れていきます。
トイレの詰まりは、必ずしも同じ場所で詰まるわけではありません。
詰まりが発生した場所を特定するのも、詰まりの解決にはとても重要な事です。
それでは詰まりが発生しやすい場所を、いくつか挙げてみましょう。
先にお話しした通り、便器内排水路は、トラップ形状なので、S字カーブを基本とします。
排水路の形状や太さはまちまちですが、全て製造メーカーが、検査をパスして販売するものなので、通常、詰まる事はありません。
便器の出口の大きさも、野球のボールよりも少し小さな出口ですが、これも通常なら、詰まる事のないように作られています。
しかし、トイレの詰まりで1番多く詰まりが発生する場所が、この便器の出口のところなのです。
皆さんが排せつした便や、使用したトイレットペーパーが多くなる事によって、この便器の出口で詰まる(止まる)という症状が起きてしまいます。
また、何かものを落としてしまった時でも、この便器内や出口付近で止まってしまう事も多々あります。
通常、下水管は便器から出た汚物を、本下水管まで送る配管です。
トイレの下水管は、その他の水回りの、生活雑排水を流す排水管とは違い、ものを流す管なので太く、通常は7.5cm~10cmの太さの管が使用されます。
そして通常は、合流してくる他の生活排水の、浴室や洗濯場等の一度に大量の水が流れてくる事によって、きちんと流されてしまうのです。
それでも、トイレから本下水管までの距離が長かったり、曲がりの数が多かったりする事によって、途中で止まってしまうこともあります。
また、屋外の下水管には、曲がり角のコーナーや、他の生活雑排水との合流地点に、排水マスを設けます。
排水マスは古いお宅ですとコンクリートマスを使用している事が多く、下水の塩ビ管とコンクリートの排水マスの継ぎ目で、汚物が止まってしまい、詰まりの原因になる場合があります。
トイレの構造や、詰まりが発生しやすい場所は、理解して頂けましたでしょうか?
それでは次に、何が原因で詰まるのか?何が便器の中で止まってしまうのか?をご説明しましょう。
トイレの詰まりで一番多く、単純で直すのも簡単なのが、便(排せつ物)やトイレットペーパーによる詰まりです。
トイレは便をするところで、トイレットペーパーを流すところですから、普通に使っていれば、詰まる事はありません。
しかしたまたま、普通でない状況になった時があるから、詰まりが起こるのです。
これは使用した皆さんが、詰まらせようと思って使用するわけではありません。
便は、その時の身体の具合によって、硬い便、大きな便、量の多い便等、様々です。
特に便秘気味の硬い便の時は、詰まる確率は高くなるでしょう。
大きなボールのような硬い便が出る訳ではありませんが、大きくなくても硬い便が便器の出口に集合すれば、それで詰まってしまう事もあるのです。
また便をした後、ついついトイレットペーパーを多く使用してしまう場合もあります。
元々多めに使う習慣のある方は、まず便を流してから、トイレットペーパーを使用し流すと良いでしょう。
出来れば、水がもったいないと言わず、2度、3度に分けて流せば、詰まる確率も低くなるでしょう。
また、便秘気味の体調が続く方は、その間は特に注意した方が良いでしょう。
便秘は女性の方の専売特許ではなく、学校で大便がしづらい小学生のお子様にも非常に多いです。
トイレが詰まると、便器がおかしい、排水管がおかしいと言われる方が多いのですが、まずはご家族で話し合い、皆さんの体調を考えた上で、詰まりの原因を考えると良いでしょう。
お子様の便秘は放っておくと、身体に悪影響を及ぼします。是非ご注意ください。
基本、トイレに流すものは、便(排せつ物)とトイレットペーパーです。
しかし、ついつい他のものを流してしまう場合もあるようです。
トイレットペーパーがなくなった時に代用するティッシュペーパー、またはペーパータオルやキッチンペーパーを代用する方も、いらっしゃるようです。
これらのペーパーは、水に溶けません。
水に溶けなければ、詰まる確率は非常に高くなります。
次は、トイレのお掃除シートです。
赤ちゃんのおしりふき等、水に溶けないものは論外ですが、水に溶けるタイプのお掃除シートも要注意です。
市販されているお掃除シートのほとんどが、裏面の使用上の注意で、「1枚で流して下さい、それ以上で流すと詰まる危険性があります」とうたっています。
皆さん、ちゃんと読んで使用していますか?
本来は、単独で1枚使ったら流すというのが基本なんです。
もし水道代がもったいないというのであれば、ゴミ箱に捨て、燃えるゴミとして出しましょう。
また、流せるネコ砂も使用上の注意を読んで、適切に処分して下さい。
ネコ砂でトイレが詰まると、簡単に直す事は難しく、便器を取り外し中の洗浄、そして排水管内も高圧洗浄が必要となる場合が多々あり、業者を呼んで直しても、高額な費用がかかってしまう場合もあります。
ぜひ、くれぐれもご注意ください。
水に溶けないティッシュペーパーやウェットティッシュ、ペーパータオル等を意識的にトイレに流す非常識な方はまだまだ多いようですが、さすがに生理用品や子供のオムツ、オトナの尿パッド等をトイレに流す方は少なくなったようです。
しかし無意識のうちに、便器に落として流してしまう、身体に身につけているものによる詰まりが多発しているようです。
例を挙げると、
等々、気が付かないうちに落として流してしまっているケースは多々あります。
また、自宅以外のお店や公共のトイレで携帯電話を落として拾うのが嫌で、意識的に流してしまうケースもあります。
このようなものが原因で、詰まってしまう事も非常によくあるようです。
これらの多くも、便器の中や出口付近で止まってしまい、詰まりの原因となるのです。
このように、詰まりと言っても詰まっているもの、詰まっている場所によっては様々な状況があり、詰まりの解決もまた、様々な方法で行わなければなりません。
このような詰まりの中で、皆さんがご自分で直せる詰まりは、どのような状況の時でしょうか。
トイレが詰まった時にご家族で話し合い、ほぼ間違いなく、便もしくはトイレットペーパーでの詰まりであれば、ラバーカップ(スッポン)を使用して詰まり直しを行ないます。
ラバーカップ(スッポン)は、詰まっているものに直接触れて、除去するものではありません。
たまっている水に力を借りて、押すのではなく引く力を利用して、詰まりものを崩し流してしまうのです。
トイレ内では、水が多少こぼれたり跳ねたりしても良い状態にして、ラバーカップのゴムがしっかり、水の中に入ってしまう量で行ないます。
ラバーカップを使用するときに、トイレ用の洗剤や洗浄液、洗浄剤を入れて行なう方もいらっしゃるようですが、流れていかない便器に入れた洗剤や洗浄液の成分が空気中に広がり、気分が悪くなったりする場合がありますので、洗剤や洗浄液の使用にはくれぐれもご注意下さい。
最初は引く力を意識して行なっていても、なかなか直らないと、知らず知らずのうちに、押す力の方が強くなっていきます。
あまり押す力が強くなれば、便器と下水管の接続部に負荷がかかり、漏水する危険性がありますので、ラバーカップ(スッポン)の使用にはくれぐれもご注意下さい。
基本、ラバーカップ(スッポン)を使用します。
あまり大量の場合は、下水管内で止まってしまう可能性があるので、お勧めは出来ませんが、多少の量であれば、ラバーカップ(スッポン)を使用し、直った時には出来るだけトイレで水を流し、屋外の下水マスを開けて、流れてくるペーパー類を拾ってあげます。
ご家族、複数の方で協力し合って行なうと良いでしょう。
生理用品、オムツ、尿パッド等は、水分を含むと膨らみます。
運が良ければ便器の出口付近まで行かず、途中で止まっている場合もあります。もしそれが、指の届く位置であれば、なんとか取り出す事も可能かもしれません。
便器にたまった汚水や汚物を、バケツに全て汲み上げてから、便器排水口に手を入れて(指を入れて)みたり、手鏡を覗き込んでみたりします。
届くところにあればラッキーでしょう。
もし届かない位置にある場合は、たとえ見えていても、無理に針金やワイヤーを入れたりして、取ろうとしないで下さい。
便器は陶器です、無理にワイヤーや針金を入れる事によって、ワイヤーが陶器を傷つけてしまったり、最悪割れてしまう事もあります。
そうなれば、簡単に詰まり直しではなく、便器を交換しなければならないような事になってしまいます。
どうか、無理だけはしないで下さい。
ラバーカップを使用しても直らないときは、便やペーパー以外のものが便器内で止まっているか、下水管内もしくは、下水マスでの詰まりが考えられます。
この場合、便器を外して、下水管にトーラー機(電動ワイヤー)を挿入して除去するか、下水マスからトーラーのワイヤーを挿入して直す事になります。
また、下水マスで大量の便で詰まっている場合は、高圧洗浄機を使用して、高圧の水で管内マス内を洗浄し、詰まりを直します。
物を落としてしまった場合は、高い確率で便器内、もしくは便器出口付近で止まっていますので、便器を取り外して除去する作業を行ないます。
トイレの詰まりは経験がなければ、はじめはとても驚いてしまうでしょう。
冷静に考えて詰まりの原因が分かり、単純なものであれば、ご自分で解決する事も十分可能なのです。
しかし直そうとするあまり、無理をしてしまえば、逆に詰まりを悪化させてしまい、業者を呼んだら思っていたよりも、高い修理費になってしまっては元も子もありません。
ご自分で、またご家族でしっかり状況、原因を考えて、無理だと判断した場合には、迷わず専門の水道修理業者にご相談下さい。