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水道を使用している時に突然水栓(蛇口)から水が漏れ出すと驚いてしまいますね。
このような突然の水道トラブルがあっても、自分で修理できる方法を知っておくと安心です。
水栓の水漏れはコツさえ分かれば簡単に処置することも可能です。
そのために必要な基礎知識と水漏れする原因、さらに実際の修理方法や費用についてもまとめました。
業者が来るまでの応急処置として、また水漏れ被害の拡大防止のために役立たせましょう。
目次
水栓とは外部の水道管から家庭内に水を供給するための管や器具の総称で、一般的には水道や蛇口と言っても通用します。
今では生活に必要なだけの水を、蛇口をひねるだけで簡単に確保できて便利な反面、ひとたびトラブルが起こるとその分日常生活が不自由になります。
そんな状況になっても慌てないように対策を知りたい、そのためにはまず水栓の基礎知識について勉強してみましょう。
家庭で使われる水栓には主に4つの種類があり、使用場所(水回り)での水の用途に合わせて適切に設置されています。
その名称と特徴については、以下のように分類されます。
水栓の名前 | 外観的特徴 | 特徴 | 主な設置場所 |
---|---|---|---|
単水栓 | ハンドルが1つ 吐水パイプが1つ |
水またはお湯の出し止めのみを行う最もシンプルな構造 | 洗濯機横、庭やベランダなど屋外、トイレ |
2ハンドル(2バルブ)混合水栓 | ハンドルが2つ 吐水パイプが1つ |
各ハンドルで水とお湯の吐水量が調節できる。 壁掛けとデッキ(台に取り付ける)2つの設置タイプがある。 |
台所、浴室、洗面所 |
シングルレバー混合水栓 | ハンドルが1つ 吐水パイプが1つ |
1つのハンドルで吐水量、水温の両方を調節できる。 上下で量、左右で水温を操作する。 壁掛けとデッキの他、取り付け穴の数や引き出しホース着きなど設置方法が多様にある。 |
台所、浴室、洗面所 |
サーモスタット混合水栓 | ハンドルが2つ 吐水パイプが1つ その他にもシャワーが1つあり 自動温度調節器が内蔵 |
自動温度調節機で、温度を調節する。 ハンドルは左側に湯温調節レバー、右側に開閉レバーがあるものが多い |
浴室 |
日々の生活のあらゆるシーンで必要になる水道、もはや使わない日がないというくらい蛇口は毎日頻繁に使われています。
しかしいつも通り使おうとした時に突然水漏れして困ったという体験もまた、多くの人が一度は経験したことがあるでしょう。
いつ起こるか予測できない水栓の水漏れに対策を取るため、水栓の基礎知識に続いて原因を知ることが大切です。
蛇口の水漏れ修理をするにあたって一番に確認すべきは、どの部分から起こっているかをはっきりさせることから始まります。
水栓は使用する場所によって種類や設置方法も異なるので、それぞれの状況に応じて適切な原因究明と措置を施すことが求められます。
水漏れしやすい主な場所と、その原因になりやすいものをまとめました。
手に触れるハンドルやレバー、その他の部分に接合されているつなぎ目の部分から水漏れしている場合は、以下のようなケースが考えられます。
接続部分が緩んでしまいその部分から水が溢れてしまうという、最もシンプルで多く見られるな理由です。
蛇口をしっかり閉じているにも関わらず、カランからポタポタと水が滴り落ちている場合は、次のような理由が想定されます。
内部パーツは普段見えない場所にあるため、すぐには気づきにくいので注意しましょう。
水栓の本体が直接取り付けられている壁面の部分に水漏れを発見した場合は、次のような点がないかを確認してみましょう。
水道管に最も接している重要な部分なので、早めの対処が必要です。
水栓の水漏れについて発生場所別に原因を究明していくと、ある共通項に気づきました。
このような部分を改善することが、蛇口修理で大事な部分です。
ただし水栓の種類によって、部品の位置や大きさも異なってきます。
以下、4つの水栓別に、自分でできる簡単なDIY修理の方法を紹介しましょう。
なおすべての方法で必要なのが、作業の前に必ず止水栓を締めること、設置場所は住宅によって次のようになります。
そして全ての作業工程が終わったら、止水栓を開けていつものように蛇口をひねり、症状が改善したかどうかを必ず確認します。
単水栓のDIY修理に必要な部品名と手順、注意点について、水漏れ箇所ごとにまとめています。
ハンドル下からの水漏れには、内部にある水栓上部パッキンを取り換えることで解決させます。
吐水パイプの先からポタポタ滴るのは、水栓コマ(ケレップ)の交換で改善が期待されます。
パイプの根元から水漏れしている場合は、パイプ用パッキンを取り換えて様子を見ましょう。
壁付けタイプの単水栓では、シールテープを新しくすることでさらなる水漏れを防ぎます。
少しコツが要るので作業前にしっかりと手順を頭に入れましょう。
※作業前に元栓を必ず閉めて下さい。
2ハンドル混合水栓の水漏れ修理手順は単水栓と重なる部分が多いです。
ただしハンドルが2つあるので、ハンドルを外したりして手を加えた時は必ず両方に修理を施すように注意しましょう。
ハンドルからの水漏れ修理手順は以下の通り、単水栓の時と使う工具が少し異なります。
吐水パイプからの水漏れもまた単水栓の場合とほぼ同じです。
パイプの根元からの水漏れは、単水栓と全く同じ手順、注意点で行います。
壁掛の2ハンドル混合水栓は取り外しの方法が単水栓と異なります。
シングルレバー混合水栓には独自の修理手順があります。
水漏れ箇所別に、部品交換の方法を説明しましょう。
吐水パイプ先からの水漏れは主にバルブカートリッジの劣化が多く関係しています。
この方法はシングルレバー混合水栓のパーツ交換の基本になるのでぜひマスターしましょう。
ハンドル部分から漏水している時は、カートリッジ交換を行います。
シングルレバー混合水栓では、パイプと一体の胴体部分を含めてスパウトと呼びます。
このスパウトと下部の接続箇所から水が漏れ出すケースもありますがその場合はカートリッジの他、パッキン交換も加わります。
土台の接合部分から漏水している時は、スパウト下部のパッキン劣化が考えられます。
スパウト部分の水漏れを参考にパッキン交換を行います。
サーモスタット混合水栓の場合は、シャワーヘッドまたは本体からの水漏れが多く報告されています。
シャワーヘッドの場合は接続部のパッキン交換が必要、手で回してヘッドを外して交換するだけなので簡単です。
一方本体からの水漏れの場合主に開閉バルブの劣化が原因であり、修理には少し手順が加わります。
基本の流れを説明しますが、メーカーによって差異も考えられるため、取り扱い説明書で必ず確認して下さい。
蛇口に万が一水漏れが起こった場合でも、手順さえ覚えてしまえば簡単に部品交換できます。
しかし以下の症状が続く場合は、プロの作業が必要なタイミングです。
同じ症状を繰り返すのは水栓そのものが寿命を迎えている可能性が高く、その平均は10年程度と見積もられています。
また家電製品と同じように、水道器具にも耐用年数があるので長年使っていくうちに素材の劣化や摩耗は避けられません。
それだけでなく、古い機種では部品の生産が終了している場合もあります。
さらに自分で修理することに自信が持てない場合や、忙しくて焦っている時の無理は禁物です。
気持ちに余裕がない時には設置不良が起こりやすくなり、安全面にも影響があります。
DIY修理で防げるのは一時的、業者がくるまでの一時しのぎや緊急時の応急処置の役割と考えましょう。
業者が修理する方が明らかに良いと理解しても、いざ出ていく金額のことを考えると躊躇する人は少なくありません。
しかしお金のことが心配なのは、実は料金相場について情報が少なくて不安になっているからです。
水栓を自分で直した場合と業者に頼んだ場合、実際にどのくらいかかるのか、及びその内訳ついて調べ比較した結果が以下です。
修理方法 | DIY修理 | 業者修理 |
---|---|---|
部品交換 | 5,100円~ | 5,000~8,000円 |
本体交換 | 工具台+本体料金 | 作業費+本体料金 |
この表を見る限り、DIYでも業者でも修理代金はほとんど変わらないという予想外の結果となりました。
一体なぜでしょうか。
まずDIY修理の料金がなぜこの数字になったかを説明しましょう。
自分で部品交換をするには部品だけでなく、工具も必要です。
自宅にあるドライバーを使っても問題はありませんが、普段から水道器具を触り慣れていない場合は、水栓専用の工具が使いやすいのでおすすめされます。
表の金額は、水栓工具の専門店にて、販売数の多い商品をランキング10位くらいまで抽出し、その平均価格を割り出したものです。
その結果は以下のようになりました。
価格には大変幅があるので、もちろんこの相場よりも安いものはあります。
しかし安い工具は適性価格のものと比べて使いにくかったり壊れやすい傾向がどうしても出てきます。
その理由から、
DIY修理ほどきちんとした工具を使うことが勧められています。
次に修理の作業費について説明しましょう。
作業費とは工事店が依頼を受けて作業員を派遣するための人件費です。
その中には車両費、ガソリン代、工具の維持費用、作業員に払う給与などが含まれます。
料金設定は会社によってまちまちですが、最も多く見かけるのは基本料金という言葉にて、上記の費用を合算させた数字が使われています。
水道業者の基本料金の相場は5000円~8000円くらいが最も多いですが、夜間に依頼した時や作業が難航した場合は別途料金が発生することもあります。
そのように考えると、本体交換をした場合でも、DIYで払う工具費用と業者に払う作業費はほとんど変わらないと言えます。
できるだけお金をかけることなく水栓トラブルを解決させるにはどのような方法がベストなのでしょうか。
それはきちんとした工具を買ってその都度自分で修理し、もしもの場合のみできるだけ料金の安い業者に依頼する、そのように考える人は少なくありません。
確かにその考え自体は間違っていませんが、あまりに安い会社には以下のような問題点が見られやすいことを覚えておきましょう。
相場では基本料金が5000円からですが、実際には1000円くらいからという会社も少なからず見かけます。
広告のインパクトに惹かれて頼んだものの、後から諸費用が追加され結局他社と同じ、またはむしろ高くかかったという事例もあります。
中には良心的な金額で営業する店もありますが、問い合わせる際は十分注意しましょう。
水栓が突然水漏れした場合にも慌てずに済むように、蛇口を自分で修理する方法を知っていると便利です。
トラブルが発生したらまず確認すべきは漏水の場所、そして使われている水栓のタイプです。
蛇口の水漏れの多くは部品の劣化による場合があるので、各タイプに合った部品を用意し、適切な場所とコツをつかめば、一時的に水漏れ被害を抑えることは可能です。
しかし同じ部分での水漏れを繰り返す、10年以上同じ器具を使っている場合は業者に依頼する時期が近づいています。
水道業者に頼むとお金がかかるというイメージがありますが、実は水漏れ以外に大きな問題がなければDIY修理で必要な工具代とほとんど変わりません。
緊急時には自分の手で応急手当をしてその間に最適な水道修理会社を探す、この方法が水道トラブルにもう悩まされないための最短な道のりです。