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皆さんはトイレの便座が割れてしまった経験はありますか?
「え?便座って割れるの?」と思われる方もいらっしゃるかと思います。
今回は便座に亀裂やヒビが入ってしまった時に知っておきたい応急処置や交換方法を紹介いたしますのでぜひ最後までご覧ください。
目次
便座の用途については敢えて説明することも無いと思いますが、便座の種類や大きさなどに付いてはよくわからないという方も多いと思います。
便座が割れて交換する場合、種類や大きさを把握していないと「便座の大きさに違いがあるなんて知らなかった、今の便器に合わない便座を購入してしまった…」ということにもなりかねません。
まずは便座の種類と大きさについて見て行きましょう。
「便座」と言われる物には大きく分けると3種類の物があります。
便座の種類 | 特徴 |
---|---|
普通便座 | 洗浄機能、暖房機能等の付いていないノーマルなタイプ。 |
暖房便座 | 暖房機能の付いている便座。洗浄機能は無し。 |
温水洗浄便座 | 洗浄機能、暖房機能の付いている便座。 |
温水洗浄便座で有名なのはTOTOのウォシュレット、暖房便座で有名なのはTOTOのウォームレットです。
ちなみにウォシュレットもウォームレットもTOTO製品の商品名なので、他のメーカーではこの名称は使いません。
次に普通便座のタイプについて見て行きましょう
普通便座のタイプ | 形状 | 特徴 | TOTO | INAX |
---|---|---|---|---|
ソフト閉止タイプ | 前丸 | 便座を下す時ゆっくり降りてくる機能付き。O型形状。 | ● | ● |
スタンダードタイプ | 前丸 | 特に機能は付いていない便座。O型形状。 | ● | ● |
スタンダードタイプ | 前割 | 特に機能は付いていない便座。U型形状。 | ● | |
便フタなしタイプ | 前丸 | 便フタが付いていないタイプ。O型形状。 | ● | |
便フタなしタイプ | 前割 | 便フタが付いていないタイプ。U型形状。 | ● |
代表的なトイレメーカーであるTOTOとINAXを対象に、取り扱い可否も表しています。
取扱いがある場合は●で表記しています。
「ソフト閉止」という言葉はTOTOで使用している言葉ですが、INAXでは「スローダウン」という言葉を使用しています。
どちらも同じ機能で「便座がゆっくり下がってくる」というものです。
形状の「前丸」はO型の形状をしている便座の形で、「前割」はU型の形状をしている便座の形です。
暖房便座と温水洗浄便座についてですが、基本的に暖房便座と温水洗浄便座には「前割」形状のものはありません(TOTO・INAX共)また、全ての暖房便座と温水洗浄便座はソフト閉止(スローダウン)機能が付いています。
便器の大きさは主に2種類に分けられます。
それは「エロンゲートサイズ(大型)」と「レギュラーサイズ(標準)」の2つです。
それに伴ない、便座もエロンゲートサイズとレギュラーサイズの2つがあります。
普通便座の種類 | 大きさ | 便座の取り付け穴から便座の先端までの長さ |
---|---|---|
エロンゲートサイズ | 大型 | 47cm |
レギュラーサイズ | 標準 | 44cm |
現在は多くの便器・便座がエロンゲートサイズです。
一方、レギュラーサイズは賃貸マンションやアパートの2点、3点ユニットバス内にある便器・便座で使われることがあります。
もちろん一般的なトイレにレギュラーサイズが設置されていることもありますが、数は少なくなっていて主流はエロンゲートサイズです。
昔はレギュラーサイズが多く、レギュラーサイズ(標準)、エロンゲートサイズ(大型)という名称がしっくりとくる感じでしたが、近年はエロンゲートサイズが主流でありベーシックになって来ているので、一般的な感覚はエロンゲートサイズが「普通」でレギュラーサイズが「小型」という感じかもしれません。
それでは、TOTOとINAXの普通便座タイプ毎にエロンゲートサイズ、レギュラーサイズの取り扱い可否も見て行きましょう。
普通便座のタイプ | 形状 | 種類(大きさ) | TOTO | INAX |
---|---|---|---|---|
ソフト閉止タイプ | 前丸 | エロンゲートサイズ | ● | ● |
レギュラーサイズ | ● | ● | ||
スタンダードタイプ | 前丸 | エロンゲートサイズ | ● | ● |
レギュラーサイズ | ● | ● | ||
スタンダードタイプ | 前割 | エロンゲートサイズ | ● | |
レギュラーサイズ | ● | |||
便フタなしタイプ | 前丸 | エロンゲートサイズ | ||
レギュラーサイズ | ● | |||
便フタなしタイプ | 前割 | エロンゲートサイズ | ||
レギュラーサイズ | ● |
基本的に取り扱いがあれば、エロンゲートサイズ・レギュラーサイズ共にありますが、便フタなしタイプはTOTOもINAXもエロンゲートサイズはありません。
次に、暖房便座と温水洗浄便座について見て行きましょう。
便座の種類 | メーカー | 種類(大きさ) |
---|---|---|
暖房便座 | TOTO | 基本的にエロンゲートサイズ・レギュラーサイズ兼用 |
暖房便座 | INAX | エロンゲートサイズ・レギュラーサイズそれぞれ商品がある |
温水洗浄便座 | TOTO | 基本的にエロンゲートサイズ・レギュラーサイズ兼用 |
温水洗浄便座 | INAX | 基本的にエロンゲートサイズ・レギュラーサイズ兼用 |
このように、暖房便座も温水洗浄便座もエロンゲート・レギュラーどちらにも商品があります。
また、兼用できる商品は位置の調節ができるタイプということです。
まず、家の便座がどのタイプなのかを把握しておきましょう。
それでは本題の便座が割れる原因について見て行きましょう。
便座が割れる原因は主に4つあります。
温水洗浄便座・暖房便座・普通便座、どのタイプも表面は樹脂製ですが、年月が経つと素材の柔軟性が無くなる為、耐久性が弱くなります。
便座がズレたり座った時に斜めに重さが加わったりすると、割れてしまうことがあります。
また便座の付け根が破損する事もあります。
トイレの上にある棚の商品を取る、トイレ天井の電球を交換する等、便座の上に乗ってしまうと割れることがあります。
これは使用年月に限らず、新品でも割れてしまうことがあります。
便器と設置する部分はゴムなどクッション性の高い物が取り付けられていますが、便座が緩くなり勢い良く「バタンッ」と閉じるようになると衝撃で割れてしまうことがあります。
クッションのゴムが外れると、より割れやすくなります。
便座は樹脂製なので、工具や花瓶など、固い物を便座に落としてしまうと衝撃で割れてしまうことがあります。
これも使用年月に限らず、新品でも割れてしまうことがあります。
また、このケースの場合、落ちる場所によっては便器を割ってしまうこともある大変危険な行為です。
以上のようなことが、便座が割れた原因として考えられます。
まず①の「経年劣化」の場合、便座がズレることなく、座った時に真っすぐ重さが加わっていればそうそう割れるものではありません。
しかし、便座が古くなっている場合、変な体重のかけ方をすると割れてしまうことがあるので気を付けましょう。
次に②の
「便座の上に乗る」という行為、これは絶対にやめましょう。
高確率でヒビ割れします。
座る場合は便座全体に重さがかかるので分散されますが、足で乗ると便座の一点に過重がかかるので割れてしまいます。
「便座に乗ると割れる」ということを知っていれば回避できます。
次に③の「勢い良く便座が閉じる」という場合ですが、自分で勢い良く便座を下げるという人はいないと思います。
しかし、便座開閉の軸の部分が摩耗するなどして緩くなると、勢い良く閉じることがあります。
軸の部分が緩くなると便座を上げた時に、勝手に落ちてしまい、その衝撃で割れることがあるのです。
最後に④の「便座の上に固い物を落とす」という場合、考えられるのはモンキーレンチやウォーターポンププライヤーなどの工具やトイレ室に飾る花瓶など、固くてある程度重さのある物を手から滑らせて便座に落として割れてしまうというケースです。
意図的に落とす人はいなく、不可抗力である為、注意は難しいですが、固くて重さのある物の取り扱いはより慎重に扱うようにしましょう。
温水洗浄便座・暖房便座・普通便座、どれも割れる可能性はありますが、一番割れやすいのは「普通便座」です。
ここまでの解説してきた内容で普通便座の内容が多いのはその為です。
理由は「便座の厚さ」と「ソフト閉止(スローダウン)の有無」です。
まず、便座の厚さについてですが、温水洗浄便座・暖房便座共に、便座の中に便座を温める電線などの機器が入っているため厚みがあります。
便座を輪切りにすると楕円形のような形状をしています。
一方、普通便座は樹脂だけなので薄くなっていて、便座を輪切りにすると半円のような形状をしています。
形状だけ見ても普通便座の方が耐久性は弱いです。
次に、ソフト閉止(スローダウン)の有無についてですが、温水洗浄便座・暖房便座は全てこの機能が付いている為、勢い良く閉じで便器に当たるということがありません。
普通便座でもこの機能が付いているものは勢い良く閉じて衝撃が加わるということはありませんが、普通便座はソフト閉止(スローダウン)の付いていない物も多いという現状があります。
便座が薄くて衝撃も加わりやすいという点から普通便座が割れやすいと言えるのです。
具体的に言うとTOTO・INAX共にスタンダードタイプ(前丸・前割共)と便フタなしタイプ(前丸・前割共)が一番、「便座が割れた」という現象が起きやすいです。
便座が割れるという状況は「亀裂・ヒビ割れ・断裂」等が起きるということです。
では、便座が割れるとどんなリスクがあるのかを見て行きましょう。
一番よく起きるのが「亀裂・ヒビ割れに肉を挟んでしまう」ということです。
強い痛みを感じ、ミミズ腫れのような跡ができることもあります。
酷い場合は内出血や皮膚がめくれてしまうこともあります。
温水洗浄便座・暖房便座は便座内に電線等の機器が入っている為、便座割れの程度のよっては漏電の危険性があります。
あまり良く起きる症状ではありませんが、便座が割れた時にコンセントを入れたまま座るのはやめましょう。
便座が断裂してしまった場合は、当然座ることは出来ません。
無理に使用すると切断部で肌を切ってしまうこともあります。
どれも便座が割れたまま、何も処置をせずに使用した時に起こり得ることです。
使うにしても応急処置をする必要があるということですね。
それでは次項で、便座が割れてしまった時の応急処置方法について解説して行きます。
便座が割れた時の応急処置や補修について解説して行きます。
便座が割れた時に効果的なのが布ガムテープによる応急処置です。
布ガムテープはコンビニや100均など様々な所で購入出来ますし、金額も安いので経済的です。
巻き方は、割れた部分が隠れるように2周~3周程、巻き付けるようにしましょう。
注意点としては、5周、6周と回数を多く巻けばより頑丈で良いということではありません。
多く巻くと強度は強くなるかもしれませんが、テープに厚みが出てしまう為、便座が斜めになってしまう恐れがあります。
斜めの状態で座ると便座の開閉軸や便座の固定ボルトに不具合が起こる危険性もありますので、厚く巻くのはやめましょう。
表面に小さくヒビが入っている程度であれば、温水洗浄便座・暖房便座・普通便座問わず、布ガムテープで補修できます。
ただし、温水洗浄便座・暖房便座が大きくヒビ割れている場合はテープを巻くだけでなく、必ずコンセントを抜くようにしてください。
コンセントを抜けば漏電の恐れはありませんので、普通便座の様に使えます。
それと、便座が割れた時に使いがちなのが、「アロンアルファ等の瞬間接着剤」です。
しかし、これは効果があまりなく、座った時にまた割れる可能性が高いので使用はやめましょう。
今回は皆さんでも作業が行ないやすい普通便座の交換方法について解説して行きます。
便座が割れた場合、便座はどこで購入出来るのでしょうか?便座の購入ができる場所の代表的な所が「ホームセンター」と「ネット通販」です。
便座交換はDIYの需要も増えていますので、ホームセンターでも豊富な種類や品数がある所も多くあります。
また、温水洗浄便座や暖房便座であれば「家電量販店」でも取り扱いがあります。
普通便座を交換するのに必要な工具を見て行きましょう。
普通便座・・・・・・モンキーレンチ
購入した便座に「便座取付け用の工具」が同封してあるケースもあります。
ここで注意したいのが、取り付けは同封工具で出来ますが、今付いている便座の取り外しも出来るとは限らないということです。
同封してある工具は、対象の便座専用の工具である為、他の便座の取り外し取り付けが出来ないケースもあります。
なので、便座取付け用の工具が同封してあるとしても、上記の工具は準備をしておきましょう。
便座の裏はスペースが狭くて作業しにくい為、モンキーレンチは持ち手の短い物を準備するようにしましょう。
以下のような形状のモンキーレンチが便座の交換には向いていますので、参考にしてみてください。
便座が割れる可能性の高い「普通便座の交換方法」をメインに、手順とポイントを解説して行きます。暖房便座と温水洗浄便座については交換の項目のみ見て行きましょう。
・2ヶ所の固定ナットを反時計回りに回して取り外します。
・固いのは最初の数回転で、ナットが回り始めれば手で回せます。
・作業中、作業部は目視出来ないと思うので、ナットに工具がしっかりとはまっているかを手の感覚で確認しましょう。
・普通便座を上に持ち上げて取り外します。
・便器側の便座と設置していた面は汚れていると思いますので、雑巾でキレイに水拭きましょう。
・新しい普通便座に2本の固定ボルトをセットします。
・メーカーによっては固定ボルトに向きがある場合もありますので、よく確認してからセットしましょう。
・便フタありのスタンダードタイプの場合、便フタもセパレートになっていることもあるので、その場合はこの段階で便座に取り付けましょう(便座を便器に取り付けた後だと、タンクがあるので作業しにくい為)
・固定ボルトをセットした普通便座を便器に取り付けます。
・2ヶ所の固定ナットを時計回りに回して取り付けます。
・最後の締め込みまでは手で回して取り付けましょう。
・最後の締め込みの前に便座の向きを調整します。ちゃんと調整しないとズレたまま取り付けてしまうことがあるので注意しましょう。
・調整が終わったら、工具で最後の締め込みを行います。
取り付け作業後に便座の開閉、便フタの開閉をチェックし作業完了です。
賃貸物件の場合、元々備え付けられていたものはオーナーの持ち物です。
なので、基本的には貸主による支払いが一般的ですが、蛇口の水漏れなどと違い、今回の様な「便座が割れた」ということはなかなか起きることではありません。
それではいくつかポイントがあるので見て行きましょう。
便座が割れることはなかなか起きないといっても、年月が経てば脆くなるのも事実です。10年以上経っている便座で普通に使用して割れた場合は、経年劣化による原因と言っても良いでしょう。
「便座に足で乗って割れてしまった」「便座に物を落として割れてしまった」等の場合は「借主過失」と判断されます。
ただし、借主過失が全て借主の支払いとも限りません。
「入居した時から便座がグラグラしていた」「割れてはいないがヒビらしきものが入っていた」等の場合は、普通に使用していても割れてしまうことがあります。
ここでポイントなのは「気付いたタイミングで不動産屋に連絡したかどうか」です。気付いた時に連絡せず、後になって言っても信じてもらえない可能性が高いです。
不具合に気付いたらすぐに不動産屋やオーナーに連絡するということは、快適に生活する上でも自分の身を守る上でも大事なことです。
賃貸借契約書は同じ物が貸主と借主に渡されます。
記載されている内容は同じなので、契約書を確認しましょう。
このようなケースの場合は貸主負担なのか、借主負担なのかが明記されていると思います。
このようにいくつかポイントはありますが、絶対にしなければいけないことは「不動産屋・オーナーに連絡する」ということです。
自分の過失の場合は仕方ありませんが、普通に使用していて便座が割れてしまった場合は、上記のポイントなどと照らし合わせて自分の正当性を伝える必要があります。
また、「借主過失に関しては借主負担」となっていてもオーナーが支払ってくれる場合もあります。
不動産屋に伝えずに勝手に判断や対応をすることの無いようにしましょう。
便座には様々な種類があり、その中でも「便座が割れた」というトラブルで一番多いのは「普通便座」です。
経年劣化はある程度仕方ありませんが、「便座の上に乗る」「便座に固い物を落とす」など、行わなければ割れなかった行為に関してはくれぐれも行わないようにしましょう。
そして、便座が割れた時の応急処置で効果的なのは布ガムテープを巻くことです。
瞬間接着剤等による応急処置はしないようにしましょう、また割れてしまう危険性が高いので。
普通便座の交換はDIYで比較的簡単にできます。
しかし、便座の大きさを間違えると大変なので、エロンゲートサイズ(47cm)なのか、レギュラーサイズ(44cm)なのかをしっかり測って確認してから購入するようにしましょう。
ご自身で取付けられる便座の選定や作業を行なうのが難しいような時は無理に行なわず、水道業者に見てもらいましょう。