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トイレットペーパーには、詰まりやすいものと詰まりにくいものがあるのはご存じでしょうか?
使い心地や、コストなどトイレットペーパーを選ぶ基準はいろいろありますが、詰まりにくさをぜひ基準に加えたいものです。
とはいうものの、使い心地も、コストパフォーマンスもトイレットペーパー選びでは捨てがたいところです。
詰まりにくいトイレットペーパーの選び方と、詰まりにくさの理由を解説します。
また、詰まりやすいトイレットペーパーの上手な使い方と、詰まったときの対処方法も合わせてご紹介します。
目次
詰まりにくいトイレットペーパーと、詰まりやすいものは何が違うのでしょうか。
それはズバリ「水に入ったときの溶けやすさ」です。溶けるというより紙の繊維のほぐれやすさという方が正確かもしれません。
トイレットペーパーは水につかると、繊維がほぐれて分解され、水に流れやすくなります。溶けるといってもなくなるわけではなく、ほぐれた繊維は水の中に漂う状態になります。
トイレットペーパーの国内自給率は約98%で、輸入のものは約2%ですので、海外産のトイレットペーパーを購入する機会はあまりないかもしれません。しかし、その海外産の中に溶けにくいものがある可能性が高いのです。
海外では、トイレットペーパーは流すものではなく、トイレ内に設置されたごみ箱に入れる国もあります。流せる場合も、トイレの状況は国によって異なります。
生産された国に適合するように作られたトイレットペーパーであれば、日本のトイレに適さないケースがあるのです。
例として、コストコのトイレットペーパーを考えてみましょう。
以前は海外産のトイレットペーパー(バスティッシュ)が輸入されていました。そのためコストコのトイレットペーパーは溶けにくく詰まりやすいという評判があります。現在では、日本国内で生産されるようになりましたが、JIS規格(日本工業規格)に適合したものではないため、詰まりにくいという評判は払しょくできていません。
国内の多くのトイレットペーパーはJIS規格に対応して作られています。
JIS規格に沿って作られたトイレットペーパーは、水の中で100秒以内に溶けるように作られています。
これが国産のトイレットペーパーの詰まりにくさにつながっているのです。
JIS規格「JIS P 4501」で決められているのは、以下の数値などです。
JISマークの表示は任意ですので、表示がされていないトイレットペーパーの方が多いかもしれません。
また、すべての国産のトイレットペーパーがJIS規格に適合しているわけではありませんので、注意が必要ですが、トイレットペーパーの紙幅などを参考にすると判断できそうです。
トイレットペーパーの外袋には家庭用品品質表示法に基づき以下を表示することが決まっています。紙幅や長さは外袋に記載がありますので確認が可能です。
家庭用品品質表示法は輸入商品も対象になります。市販のトイレットペーパーには、上記の表記がされていますので、参考にしましょう。
ヨーロッパからの輸入のトイレットペーパーの場合、幅がJIS規格のものより1.7mmほど狭く作られています。アメリカのトイレットペーパーは日本と同じ114mmが基準ですので、おおむねその前後のサイズでしょう。
溶けるとは、実際どのようになるのか確認してみましょう。
「3倍巻・ダブル」「ダブル」「再生紙・ダブル」のトイレットペーパーの溶け方を確認しました。
写真を見ると、すべてほぐれて原形をとどめていません。
<撮影手順>
3倍巻・ダブル (JIS規格) |
厚め・ダブル (JIS規格外) |
再生紙・ダブル (JIS規格外) |
---|---|---|
「3倍巻」が、もっともよくほぐれており、「厚め・ダブル」は厚みがある分、ほぐれ方が遅く、写真でも大きな片を見てとれます。「再生紙」は水に浸けてすぐのほぐれが早いという特徴がありました。
一般に「溶ける」という表現がされますが、繊維がほぐれてバラバラになるのがわかります。。
詰まりにくいトイレットペーパーは、流れていく際に引っかかったり溜まったりしないよう、より早く小さくほぐれるのが理想であると言えます。
流せるお掃除シートを水に浸けて5分放置後10秒かき混ぜてみました。上記写真ではほぐれています。
しかし、厚みがあるために溶け始めるのが遅く、掃除後に便器に放り込んですぐにレバーを引くと、ほぼ溶けないまま流れていきます。
お掃除シートはゴミ箱に捨てる方が詰まり防止になるといえます。
トイレの水は、タンクから便器内に流れ込んだ勢いで排水トラップに流れ込みます。
トラップには角度があり、水は複雑に管内で流れているため、曲がった部分や便器から排水管へ流れ込むつなぎ目にトイレットペーパーが引っかかるケースが多いのです。
また、トイレットペーパーを大きな塊で流して管をふさぐケースもあります。
トイレットペーパーが早く溶けると、塊や引っ掛かりにならず、水と一緒にきれいに流れてくれるのです。
トイレットペーパーを「詰まりにくい」という視点で購入している方は少ないかもしれません。使い心地や、コストパフォーマンス、持ちの良さなどが基準になっているのではないでしょうか。
ここでは、詰まりにくさを考えてみました。
「詰まりにくい」「溶けやすい」という点から見て、トイレットペーパーを選ぶ際のチェックポイントをあげてみましょう。
この3つをクリアしていれば、詰まりにくいトイレットペーパーといえるでしょう。
しかし、JISマークの表示は任意の制度で、製品への表示が義務付けられていません。
JIS規格に適合したトイレットペーパーであっても表示されていない商品もあります。安価な商品の中には、JIS規格に適合していない商品もありますので注意が必要です。
溶けやすいトイレットペーパーを使っても、詰まりの発生が頻繁な場合は、以下を確認しましょう。
ドラッグストアやホームセンターのトイレットペーパー売り場には多くの種類が並んでいますが、特徴をつかみ、詰まりにくいトイレットペーパーを選びましょう。
シングルとダブルの違いと詰まりにくさを考えてみましょう。
最大の違いは、シングルが1ロール60mであれば、同じブランドのダブルは30mと長さが異なります。ダブルは紙と紙の間に空気の層ができるため、柔らかい使い心地です。
ダブルよりシングルの方が溶けやすいと言えますが、JIS規格に適合していればダブルでも大丈夫でしょう。
しかし3枚重ねなど重なる枚数が増えると溶けにくくなります。
ウォシュレット用は、吸水性はよいのですが、紙が厚い分通常のトイレットペーパーより溶けにくいといえます。
通常のトイレットペーパーよりもカットミシン目が通常より長めに入っているものもあります。
エンボス加工はトイレットペーパーに型押しをして、デコボコをつけ、紙にふんわり感を持たせ、水分の吸収力を高めます。
この加工自体は、詰まりにくさには関係はなく、溶けやすさ、詰まりにくさは紙自体の質によります。
近年、大手メーカーから、従来のロールより長い家庭用のトイレットペーパーが販売されています。
JIS規格のロールの直径120mm以下を保持しつつ、紙の厚みや、ふんわり感を損なわない研究がされて登場したトイレットペーパーです。
取り換え期間が長い、保管場所が少ないなどユーザーにとってもメリットが多く、溶け具合もJIS規格に沿っていれば溶けやすいトイレットペーパーといえるでしょう。
トイレメーカーが注意喚起している一度に流せるトイレットペーパーの使用量の目安は、下記表の長さです。
TOTO | LIXIL | |
---|---|---|
大洗浄 | シングル:10mまで ダブル:5mまで | 約5mまで |
小洗浄 | シングル:3mまで ダブル:1.5mまで | 約2mまで |
ECO小洗浄 | 大便やトイレットペーパーは 流さないでください |
― |
次に、使う量を見てみましょう。ウォシュレットの場合、トイレットペーパーを使う際に一回当たり手に取る長さは平均0.8mです。これは一回あたりですので、数度使う場合は2度なら1.6m 3度なら2.4mのトイレットペーパーを使うことになります。
実際、自分がトイレでどれくらいの長さを使っているか計ってみてもよいかもしれません。
レバーを引く際に、シングル:10m、ダブル:5mより多く流している場合は、2度に分けて流すなど工夫が必要です。
なお、トイレメーカーの目安の使用量は、JIS規格適合のトイレットペーパーの場合です。
溶けにくいトイレットペーパーを使っている場合は、トイレットペーパーをもっと少ない量で流す必要があります。
普段何気なく購入して使っているトイレットペーパーが、詰まりの原因になることがます。詰まるご家庭では何度も詰まる現象が起きます。トイレットペーパーが詰まる場合は、下記をチェックして見ましょう。詰まりにくいトイレットペーパーを適正に使うよう、改善をおすすめします。
トイレを通常に使用して、レバーを引いて詰まったときはトイレットペーパーが原因と考えられます。自然放置で詰まりが取れることもまれにありますが、やはり詰まり取りを行いすっきり流したいものです。トイレットペーパー詰まりの解消方法をご紹介します。
トイレットペーパーが原因であれば、お湯を流し入れることで詰まりが取れる場合があります。
バケツに50~60℃のお湯を準備し、溢れないように便器にゆっくり流し入れます。
ふたをして30分~1時間放置し、便器内の水位が下がっていれば詰まりは取れています。
お湯を入れる際は、50~60℃を必ず守りましょう。
高温のお湯や熱湯を入れると便器にひびが入るなどの原因になります。
また、お湯を流し入れる前に、便器にたまっている水をくみだすと、便器内により温かいお湯が入るので効果的です。
トイレの詰まり解消に定評があるのが「すっぽん」とも呼ばれるラバーカップです。
便器の形状により使いやすいラバーカップがあります。
もし、新しく購入する場合は、便器に合うものを選ぶと使いやすいでしょう。
(水はね防止になるため)
便器の水が溢れそうなときは水をくみだす
詰まりが取れるのは引いたときです。
ラバーカップを引く際に水が引っ張られる力で、詰まっているものが動き、水が流れて詰まっていたものが流れていきます。
真空パイプクリーナーは、すっぽんと同じく先にラバーカップがついたポンプです。すっぽんより弱い力で使え、すっぽんより強力な吸引力があります。
準備・手順はすっぽんとほぼ同じです。
便器内にセットするときにハンドルを押し下げた状態にします。
ラバーカップのフチがすべて水に浸かるように便器内に入れ引き上げて使いましょう。一度の動作で詰まりが解消しない場合は、何度かハンドルの操作を繰り返して詰まりを取ります。
重曹とクエン酸を使い発泡させて詰まりを取る方法です。発生する気体は二酸化炭素ですので、換気扇を回しておきましょう。
お湯を入れる際は、45℃くらいを必ず守りましょう。
高温のお湯を入れると便器のひび割れなどの原因になります。
溶けやすいトイレットペーパーをうっかり大量に流してしまった、などのケースでは自然放置で詰まりが解消するケースもあります。
少しずつ水の中でほぐれるためですが、放置しても解消しない場合は詰まり取りを行いましょう。
確認のために何度もレバーを引くと、便器から水が溢れる可能性があるため、レバーを引くのは詰まりの解消を確認してからにしましょう。
便器内ではなく便器から先の排水管や、屋外の排水管でトイレットペーパーが詰まることもあります。
便器内や便器と排水管の境目あたりの詰まりであれば、すっぽんや真空パイプクリーナーで対処できます。しかし、それより先で詰まっている場合は自力での対処は難しいでしょう。
汚水管や汚水桝であふれた跡がないかをチェックして、専門の業者に依頼して詰まりを取ってもらいましょう。
詰まりにくいトイレットペーパーの選び方と、詰まりにくさの理由を解説しました。
トイレットペーパーは詰まらずに流れると思って油断していると、詰まったときにあわてます。今使っているペーパーが何度も詰まりをおこしている時は、トイレットペーパーを変えてみるのもいいかもしれません。その際には、詰まりにくいトイレットペーパーを選ぶという視点で選びましょう。
自分では取れないトイレットペーパー詰まりや、トイレ内の詰まりではなく汚水管や汚水桝で詰まっている時は、専門の業者に依頼しましょう。
詰まっている場所によってはトイレだけでなく他の排水管にも影響が出る可能性があります。
住まいる水道では、ご依頼をいただくと、ご自宅に一番近いスタッフが駆け付けます。早く解決したいトイレの詰まりでお困りの際は、ぜひご依頼ください。